奇跡と言いたくなる脊髄損傷患者の回復例とは | 後遺症・神経障害を幹細胞点滴と幹細胞上清液点鼻×専用リハビリ治療

奇跡と言いたくなる脊髄損傷患者の回復例とは

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人体の多くの細胞は損傷されると細胞分裂を行い、全く同じ形態や機能を持つコピー細胞を作り出すことで再生可能です。
しかし、神経細胞は細胞分裂が行われない細胞の1つです。
そのため、脊髄損傷は不可逆的なダメージを受ける病気ですが、中には奇跡的に回復する患者さんもいます。
そこで今回は、脊髄損傷における回復例に関して詳しく解説していきます。

脊髄損傷が治る可能性は?

救急車
脊髄は運動神経、感覚神経、交感神経、副交感神経など多くの神経が束になった器官であり、脳と一連となった神経細胞の集合体です。
そんな脊髄を損傷してしまうと、部位や損傷の程度によっては麻痺、しびれ、膀胱直腸障害など様々な後遺症が出現します。
しかも厄介なことに、神経細胞は基本的に一度損傷すると回復することがない細胞と言われています。
基本的に人体の多くの組織は自身を構成する細胞になんらかの異常が生じた場合、細胞分裂を行うことで新たに全く同じ形態、機能をもつ細胞を作り出します。
例えば、爪や髪の毛が良い例です。
爪や髪の毛をどんなに切っても必ず生え変わってくるものですが、これは細胞分裂を行っているからです。
これらの細胞内にはその細胞の設計図と言っても良い遺伝子コードが存在し、この遺伝子コードをコピーすることで細胞分裂を行います。
しかし、人体の中には細胞分裂をほとんど行うことができない細胞が存在します。
心臓の筋肉の細胞や神経系の細胞はまさに細胞分裂を行わない細胞の代表で、一度損傷すると不可逆的なダメージを追ってしまうのです。
これが、脊髄損傷が治らない病気と言われる所以です。
実際に完全に脊髄が断裂した場合、その後症状が回復することはほとんど期待できないのが現実です。
しかし、実際の脊髄損傷では脊髄そのものの断裂よりも、事故や交通事故の衝撃による脊髄周囲の浮腫や循環障害が生じ、一時的に機能が麻痺することの方が多く、その場合は機能の回復が見込めます。
中にはまさに奇跡としか言いようがない、脊髄損傷からの劇的な回復例もあります。
ここではいくつかの実例をご紹介します。

脊髄損傷からの奇跡の回復①

最初は、ウィンタースポーツを行なっていた際に転倒した30代の男性についてです。
受傷後、意識ははっきりしていたものの手も足も指先までしびれて動かず、重度の四肢麻痺を認めていました。
近隣の病院に救急搬送され緊急で脊椎の手術が行われましたが、呼吸状態の懸念もありしばらくは集中治療室で経過を見ていました。
手術を行なった後も四肢麻痺は残存していましたが、本人のリハビリに対する強い意志もあり、治療と並行する形でリハビリを行なっていきました。
その後、徐々に四肢の感覚や運動が戻り、最終的には歩行器補助化下での歩行ができるまでになったのです。
本人が若年であったことももちろんですが、日々懸命にリハビリに取り組んだ結果だと思います。

脊髄損傷からの奇跡の回復②

次に、オートバイを運転していたところ乗用車とぶつかってしまった40代の男性についてです。
衝撃による胸椎の前方骨折により胸髄が損傷し、受診時は両下肢の完全麻痺を認めていました。
排尿にも異常をきたしており、入院した後すぐに緊急手術となったのです。
手術から10日ほどすると徐々に下肢機能が回復し始め、1ヶ月後には起立も可能になりました。
その後リハビリ目的でリハビリ病院に転院となり、受傷から6ヶ月で完全に自分の力で歩けるようになったのです。
もちろん本人のリハビリによるところも大きいですが、早期の手術が功を奏した1例です。

脊髄損傷からの奇跡の回復③

最後に、スナックで泥酔して階段から転落してしまった60代の男性についてです。
転落による頚椎骨折で第4胸髄を損傷し、四肢の麻痺やしびれ、呼吸苦症状を認めたため、近隣の病院へ緊急搬送され当日に緊急手術となりました。
手術3日後には膝の屈曲が、5日後には上肢の挙上も可能になり、1ヶ月後にはなんと起立も可能になりました。
頸髄損傷に対する手術療法の効果は評価が分かれるところですが、この方は早期の手術が奏功した稀な1例でした。

まとめ

今回は脊髄損傷における奇跡的な回復例についてご紹介しました。
神経細胞は一度損傷すると基本的に再生しないため、脊髄の損傷は多くの神経症状を来し、重篤な後遺症を残す病気ですが、中には稀に奇跡的な回復を遂げる方もいます。
こう言った方々に共通しているのは、運だけではなく本人たちのリハビリに対する熱心さがあるという点です。
また、近年ではリハビリと併用することで機能回復に奏功する再生医学の進歩が目覚ましく、損傷した神経細胞を修復できる可能性が高まっています。
自身の骨髄内の自己幹細胞を取り出し、培養して増殖させたものを体に戻すことで損傷した細胞を再構築する再生医療によって、本書で紹介したような奇跡の回復例が奇跡ではなくなる日が来るかもしれません。

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貴宝院 永稔【この記事の監修】
福永記念診療所 再生医療部長 再生医療担当医師

ニューロテックメディカル代表 Dr.貴宝院 永稔

大阪医科薬科大学卒業
私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。

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