先進リハビリによる機能改善

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脳梗塞後のリハビリの期間と回復の過程

この記事を読んでわかること
脳梗塞後のリハビリには3つのステージがあること
脳梗塞を含む脳卒中のリハビリは、可能な限り早く始めた方が良いこと
脳梗塞後の回復予後は、病変の部位や範囲によって異なること


脳梗塞後のリハビリは、発症直後から急性期・回復期・維持期(生活期)の3つのステージに分けられます。
この記事では、それぞれのステージでの目的や回復過程、さらには実際に脳梗塞を発症し、リハビリを経て機能改善した方の患者体験談もご紹介していきます。

麻痺の程度によるリハビリの期間の違い

医療スタッフ
脳梗塞は、脳の血管が詰まることで脳が栄養や酸素を受け取ることが出来なくなる病気のことです。
高血圧が主な原因となります。
脳梗塞が起こると、片方の手足や顔の麻痺、ろれつがまわらない、などの症状が現れます。
そして、麻痺の度合いは障害を受けた部位や範囲によって変わってきます。
例えば、脳の基底核という部分に生じた小さな脳梗塞と、主幹動脈(しゅかんどうみゃく:脳に血液を送るための太く重要な血管のこと)に閉塞が起こった脳梗塞を比べた報告があります。
その報告では、以下のような結果となっていました。

麻痺の度合い(1)麻痺の程度
基底核小梗塞では上下肢とも完全麻痺をきたす頻度はわずか3.3%だが、主幹動脈閉塞で36.6%。
上肢完全麻痺のみは5.0%と46.3%、下肢のみは3.3%と36.6%。
(2) 麻痺の改善度
基底核小梗塞では65%が良好、不良は10%。一方、主幹動脈閉塞例では良好が31.7%、不良で17.1%。

このように、脳梗塞の部位や範囲により、麻痺の程度や改善度、つまり回復の予後には差が生じます。
当然ながら、麻痺の程度が軽いほどリハビリに要する時間は短くて済みます。一方、重度の麻痺が生じた場合には、リハビリに要する時間は長くなり、後遺症として麻痺が残ってしまうこともあります。

リハビリにおける短期的・長期的な目標の設定

脳梗塞を含む脳卒中のリハビリには、急性期、回復期、そして維持期(生活期)の3ステージがあります。
この3ステージを通しての長期的な目標として、脳の機能を回復し、残された機能を強化、そして環境を整えるといった3点があげられます。
では、それぞれのリハビリのステージがどのようなものか、解説していきますね。

急性期のリハビリ

発症直後から数週間くらいまでに行われるリハビリで、主に入院している病院のベッド上で行われます。
患者ごとの脳卒中の病態などに応じて、深部静脈血栓症や肺炎などの合併症を予防し、機能の回復を促進することを短期的な目標としています。
脳卒中の発症後、24〜48時間以内にリハビリを開始することが推奨されています。
リハビリの内容としては、ベッド上で関節を動かしたり、早期離床をすすめていくことなどがあります。

回復期のリハビリ

発症後数週間から数ヶ月間くらいの間に行うリハビリです。
入院中の病院や、リハビリ専門の施設などで行い、日常生活を送る上で必要な動作や機能を回復させることを目的としています。
回復期リハビリに要する日数は症状の程度によって異なります。

維持期(生活期)のリハビリ

自宅や施設に戻り、回復期に取り戻した機能を維持して、日常生活の自立や社会復帰を目指していくことを長期的な目標とするリハビリのことです。
歩行機能や日常生活動作を向上させるために、トレッドミル訓練や歩行訓練、下肢筋力増強訓練が勧められます。
また、生活がしやすいように家の段差をなくす、ドアを開けやすくするなどのリフォームも、生活期リハビリでは必要となることがあります。

成功例とその要因: 麻痺の回復の実例紹介

脳梗塞後の麻痺の改善のためには、早期にリハビリを開始することが大切です。そこで、脳梗塞後の患者の体験談と麻痺の改善例をご紹介します。
この方は50代の男性で、ご自身も神経内科の医師として、長年脳卒中を含む神経疾患の治療に携わってきたそうです。
特に高血圧や糖尿病などの基礎疾患はありませんでした。
脳梗塞の最初の症状は左手の麻痺と呂律が回らないことでした。
すぐに急性期病院で脳梗塞と診断され、血栓溶解療法が行われました。
その後、最初の病院でのリハビリ、回復期病院でのリハビリ、さらに自宅でのリハビリを経て、左手の筋力は完全とはいかないものの回復し、医師としての仕事に復帰されたそうです。
成功の要因としては、発症してすぐに治療を受けられたことや、発症から早期のリハビリを開始したことだと考えられます。
機能回復のためには、最初の3ヶ月が鍵だといわれており、効率よく粘り強くリハビリを行ったことが、良かったのだろうと体験談で述べられています。

まとめ

脳梗塞の麻痺などの後遺症の改善には、その時期に合わせたリハビリが欠かせません。
しかし、リハビリを行っても損傷を受けた脳神経細胞そのものの修復は難しいとされてきました。そこで、最近では再生医療による治療効果が期待されています。
当院ニューロテックメディカルでは、幹細胞点滴を投与しながらリハビリを行う、「再生医療×同時リハビリ™」に取り組んでおり、リハビリの効果を最大限に発揮することを目標としています。
脳梗塞後の再生医療にご興味があるという方は、ぜひ一度当院までご相談くださいね。

Q & A

脳梗塞後の回復期リハビリとは?
脳梗塞の回復期リハビリは、急性期の後の亜急性期に行うリハビリです。歩行障害が軽度であれば、有酸素運動や筋力増強訓練を行います。また、日常生活動作を向上させるために、多職種が連携し、リハビリを行うことが推奨されています。

脳梗塞のリハビリで回復するまでの期間は?
麻痺などの程度によって、リハビリで回復するまでの期間には個人差があります。発症直後〜数週間くらいの間に行われる急性期リハビリ、その後数か月間くらいに行われる回復期リハビリ、そして自宅などに帰ってから行う維持期(生活期)リハビリがあります。

<あわせて読みたい記事>脳梗塞のリハビリと再生医療について
<参照元>
脳血管障害・脳卒中 | e-ヘルスネット(厚生労働省):https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-006.html
CT所 見よりみた脳卒中片麻痺, 失語症の予後.リハビリテーション医学.1979; 16(2):107-114. :https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrm1964/16/2/16_2_107/_pdf
脳卒中治療ガイドライン2021における リハビリテーション領域の動向.理学療法科学.2022; 37(1):129-141.:https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/37/1/37_129/_pdf
脳卒中のリハビリテーション – KOMPAS – Keio University:https://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000220.html
脳梗塞体験記 | 長崎北病院-社会医療法人 春回会グループ:http://www.shunkaikai.jp/kita/cerebral.html

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