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急性横断性脊髄炎について

           

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急性横断性脊髄炎は、脊髄の一部分が横方向にわたって炎症が起こって生じる神経障害です。
主な症状としては、下半身の麻痺や感覚障害、膀胱直腸障害などが挙げられます。
原因は感染症、自己免疫性、血管炎など様々です。
時に重篤な後遺症となることもあり、再生医療など今後の治療の発展も期待されます。

急性横断性脊髄炎とは

急性横断性脊髄炎について
急性横断性脊髄炎(acute transverse myelitis)は、単一もしくは複数の隣接する脊髄に炎症が起こり、それによる神経症状が生じる疾患です。
特に数時間~数日という早い経過で症状が出現、進行するものを指します。
単一もしくは複数の隣接する脊髄の障害になるので、ある部位より体の下方に障害が出るのが特徴です。
脳血管障害のように左右非対称なことは少なく、症状に左右差はあっても対称性に出ます。

疫学

発症頻度は100万人中、数人~20人程度と言われています。男女差や人種による差はあまりないと言われています。
幼児から高齢者まで広く発症の報告があり、中でも10歳台と40歳以降に多いとされています。日本での疫学に十分な研究はなされていません。

症状

前述したように、数時間~数日という比較的早い経過の中で、対麻痺(両足の麻痺)、感覚障害・しびれ、排尿障害が出現します。
はじめは足先だけだったのが、徐々に足全体、さらにはお腹付近まで上がってきた経過が典型的です。
しびれは腹部まで来ると、締め付けられて重苦しい、息が上手く吸えない感じがすると表現されることもあります。
膀胱直腸障害も出現することが多いです。
排尿障害として排尿がしにくくなる、尿意を感じないなどがあります。
直腸障害には便秘もしくは便失禁(便を我慢できずに漏らしてしまう)があります。

原因

脱髄性(特に多発性硬化症や視神経脊髄炎)、感染性、膠原病、血管炎など原因疾患は多岐にわたります。
ワクチン接種やウイルス感染(例えば、数週間前に風邪を引いた、下痢をした)が原因となることもあります。
治療法が変わることがあるので、特に腫瘍(骨転移も含む)や血管(脊髄梗塞など)の問題がないかの鑑別も必要です。

急性横断性脊髄炎の診断と治療

検査

脊髄MRI、脊髄検査、血液検査を元に、身体症状と詳しい病歴と合わせて診断になります。

脊髄MRI
MRIで腰椎椎間板ヘルニアなどの他のものがないかを確認しつつ、脊髄の病変がないかを評価します。
身体所見に矛盾しない結果が得られれば、可能性は高くなります。
髄液検査
脱髄であればタンパク細胞解離などの所見が得られ、感染であれば好中球の上昇や糖の低下などが見られます。
ウイルス感染かどうかの検査もできます。
血液検査
脊髄症状を直接的に説明できる項目はありませんが、背景にある疾患がないかの確認のため必須と言えます。
例えば、抗アクアポリン4抗体が上がっていれば視神経脊髄炎が疑われ、抗DNA抗体が上がっていれば全身性エリテマトーデスが疑われます。
その他、感染症かどうか(各種ウイルスの抗体、結核や梅毒の検査)にも有用です。

治療

治療はステロイドパルス療法が主に行われ、原因疾患を特定できた場合で他治療が必要な場合は並行して治療を行います。
症状が改善しない場合は血漿交換療法や血漿吸着療法を行います。いずれにしても早期に炎症を鎮静化することが重要と考えられています。
また、筋緊張が増加する痙縮や膀胱直腸障害に対する対症療法、リハビリテーションも有用です。

再生医療

急性横断性脊髄炎の約1/3は後遺症無く良好な経過が得られますが、残りの2/3では痙縮や感覚障害などの対麻痺、膀胱直腸障害(特に排尿障害)が残ることが分かっています。
後遺症が残るうちの約半分(全体の1/3)は、重篤な症状が残るようです。
急性横断性脊髄炎の後遺症に対して、再生医療の効果や適応は明確にはなっていません。
しかし、原因の一つである多発性硬化症に対しては、幹細胞移植が病状の進行を食い止め、症状を改善させることが明らかになっています。
当院では急性横断性脊髄炎や多発性硬化症に対する再生医療は導入しておりませんが、脳梗塞や脊髄損傷の後遺症に対しての幹細胞点滴(ニューロテック®)を行っています。また、並行してリハビリを行う、再生医療×同時リハビリ™により、効果をできるだけ伸ばす取り組みを行っています。

まとめ

この記事では急性横断性脊髄炎について解説しました。
脱髄性疾患としての分類はあるものの、原因は多岐にわたり治療も含めて未だ十分に解明されていない疾患でもあります。
生命予後は悪くはないものの、麻痺や膀胱直腸障害など重い後遺症があることがあるので、再生医療を含め、今後の研究に期待したいです。

Q&A

急性横断性脊髄炎の症状は?
急性横断性脊髄炎の症状は傷害部位に一致する手足のしびれ、弱さ、そして感覚異常が現れます。
その後、筋力低下や麻痺、排尿・排便障害が現れることもあります。
症状は急速に進行することが多く、早期発見と治療が重要です。

横断性脊髄炎の治療方法は?
横断性脊髄炎の治療法は、病因によって異なります。
原因により一般的には、ステロイド薬の投与や免疫抑制剤の使用が行われます。
また、リハビリテーションも重要な治療法の一つです。
早期の診断と適切な治療が必要であり、再生医療などの発展も期待されます。

<参照元>
多発性硬化症・視神経脊髄炎診療ガイドライン2017:https://www.neurology-jp.org/guidelinem/koukasyo_onm_2017.html
Proposed diagnostic criteria and nosology of acute transverse myelitis:
https://n.neurology.org/content/59/4/499

貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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