この記事を読んでわかること
・片麻痺に有効な自主トレがわかる
・片麻痺の自主トレに使えるグッズがわかる
・リハビリにかかる費用がわかる
脳梗塞後の後遺症として代表的な片麻痺は、歩行や階段の上り下り、手を使った作業など、日常生活の基本動作に大きな支障を与えます。
そこで、退院後も通所リハビリテーションや自宅での自主トレで機能の改善・維持を目指すことが重要です。
この記事では、片麻痺リハビリにおいてよくある9つのQ&Aについてそれぞれお答えします。
Q:自主トレは本当に効果があるの?
片麻痺患者における自主トレは効果的です。
片麻痺患者ではリハビリなどを怠ると容易に筋肉が萎縮し、関節も固まってしまいます。
そのため、リハビリ施設のみならず、自宅での自主トレは残存した機能の維持・改善に非常に役立ちます。
Q:どんな自主トレをすればいい?
片麻痺患者の自主トレでは、無理して転倒する可能性もあるため無理は禁物です。
体が壁や椅子などで支えられるようにした上で自主トレすべきです。
例えば、壁のコーナーに背をつけて、壁にゆっくり背中をこするようにして膝を曲げ、上下運動を繰り返すことで下肢や体幹のトレーニングになります。
他にも、目の前にテーブルを設置し、雑巾掛けを行うように片方の手で左側、真ん中、右側と手をスライドさせて動かしていきます。
これも上肢の自主トレには効果的な運動です。
Q:どれくらいの頻度で自主トレすればいい?
自主トレの頻度ですが、あまりにも高い目標は逆にモチベーションの低下を招くため、勧めません。
適切な頻度は週に1〜2回程度で、1回20分〜1時間程度がおすすめです。
ストイックに追い込むのではなく、普段の動作を身体になじませる程度の感覚で、継続して自主トレできるようになるのが最も好ましいです。
Q:自主トレ中に痛みを感じたらどうすればいい?
自主トレ中に痛みを感じた場合、その動きに身体が適応できていない可能性が高いです。
特に、麻痺側の筋肉や関節は使用頻度の低下によって筋力の低下・関節の拘縮が進むため、自主トレによる運動に適応しきれない場合、痛みを自覚します。
その運動は中止し、身体に痛みを感じない程度の負荷に留めましょう。
Q:モチベーションを維持するにはどうすればいい?
リハビリに対するモチベーションの維持は簡単ではありません。
そこで、モチベーションを高く維持するためにはリハビリによって機能を回復した自分をイメージすることが重要です。
例えば、自分で着替えて、自分の足で歩いてデートに行きたい、などの実現可能な範囲での目標をイメージするのです。
リハビリテーションにおいて重要なことは、ただメニューをこなすことではなく、その先にどのようなことをできるようになりたいのか、本人が目標を持つことです。
そのため、リハビリテーション中は常に、できるようになりたいことをイメージしながら行うと良いでしょう。
Q:家族は自主トレをどのようにサポートできる?
自主トレ中、家族のサポートは必要不可欠です。
まず身体的サポートとしては、自主トレ中に転倒・転落してしまう可能性があるため、近くでサポートしてあげるべきです。
もし頭部をぶつけてしまうとさらに麻痺が悪化する可能性もあるため、サポートが重要となります。
次に、自主トレは本人にとって身体がうまく動かせず、効果が出るのに時間もかかるため、精神的ストレスも大きいです。
家族からの声かけや励ましが時に大きな力になるため、精神的にも支えてあげると良いでしょう。
Q:リハビリテーション専門医はどこで探せる?
リハビリテーション専門医は、日本リハビリテーション医学会の公式ホームページより地域別に検索可能です。
検索すると、医師の氏名・所属施設(医療機関が病院の場合)が一覧で出てくるため、自分の居住地から近い医療機関を受診すると良いでしょう。
Q:自主トレに関するグッズはありますか?
片麻痺における自主トレでは、便利な市販のグッズがたくさんあります。
例えば、シンエイテクノ株式会社の「元気ニギニギ」と呼ばれるリハビリグッズは、手の平の開閉運動のリハビリに最適です。
他にも、自主トレに欠かせないのが自主トレマット・エクササイズボール・エラスティックバンド・杖などです。
また、最近ではゲーム性が高くリハビリを楽しみやすくなるようなグッズも多いため、ぜひ検索してみると良いでしょう。
Q:医療費はどのくらいかかる?
片麻痺のリハビリを完全に自宅で自主トレで行う場合医療費はかかりませんが、多くの場合は介護保険などを利用して通所リハビリテーションを行うことが一般的です。
その場合、かかる医療費はその人の身体の状態やサービスを受ける時間・頻度、事業所の規模、所得などによっても異なります。
実際にリハビリを行う施設に事前に確認しておくと良いでしょう。
まとめ
今回の記事では、 片麻痺のリハビリでよくある9つのQ&Aについて詳しく解説しました。
脳梗塞や脳出血などの後遺症で片麻痺に陥った場合、仕事や学業に影響が出るばかりではなく、歩行や入浴・着衣など基本的な日常動作に影響がでます。
そのため、片麻痺に陥った場合は機能の維持・改善のためにリハビリが非常に重要です。
自宅での自主トレや、リハビリセンターでの合同リハなど、治療には様々な選択肢があります。
一方で、最近では「ニューロテック®」と呼ばれる『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』も盛んです。
ニューロテックメディカルでは、脊髄や神経の治る力を高める治療『リニューロ®』を提供しています。
神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「同時刺激×神経再生医療Ⓡ」によって、今まで難治であった片麻痺の改善が期待できます。
よくあるご質問
- 麻痺側を下にしてはいけない理由は何ですか?
- 麻痺側を下にしてはいけない理由は、褥瘡予防です。
麻痺側を下にすると、動きが少なく徐々に組織が圧排され、血流障害をきたします。
その結果、褥瘡ができてしまうため、麻痺している部位は極力圧がかからないようにすべきです。 - 片麻痺になると歩行できないのはなぜですか?
- 麻痺になると、麻痺した下肢が通常の歩行で起こる振り子運動を行えなくなり、うまく歩けなくなります。
また、軸足としての機能も障害されるため、遊脚期・立脚期ともに障害されます。
<参照元>
日本理学療法士協会:https://www.japanpt.or.jp/upload/branch/jsnpt/obj/files/自宅でできる自主トレ(素材集).pdf
J Stage:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jotr/39/4/39_468/_pdf/-char/ja
日本リハビリテーション医学会:https://www.jarm.or.jp/search/
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