この記事を読んでわかること
・勃起不全(ED)とは?
・脳梗塞と勃起不全(ED)の関係
・脳梗塞と勃起不全(ED)の治療
男性機能不全である勃起不全は、動脈硬化などの血管病変や精神的・心理的理由があり発症することが知られています。
脳梗塞を起こすと、身体機能が障害を受けるだけでなく、精神的・心理的も増すことから、勃起不全を起こす人が少なからずいます。
勃起不全は通常phosphodiesterase-5(PDE-5)阻害薬を用いて治療しますが、脳梗塞後であればリハビリテーションが優先され、治療薬は必ずしも必要とされません。
勃起不全(ED)とは?
勃起不全(ED)とは、セックスに十分な硬さの男性器の勃起を得ること、そしてそれを維持することができない状態です。
男性の性的興奮は、脳、ホルモン、感情、神経、筋肉、血管が関与する複雑なプロセスですが、勃起不全は、これらのどれかの問題から生じる可能性があります。
同様に、ストレスや心配ごとがあれば、勃起不全になることもあります。
勃起不全(ED)の原因
一般的な原因には、動脈硬化、心疾患、高コレステロール血症、高血圧、糖尿病、肥満症などがあります。
これらは陰茎への血流を低下させる素因があり、結果的に勃起に影響を与えています。
その他、睡眠障害、ストレス、うつ病、またパートナーとの人間関係などの精神的・心理障害も原因となりえます。
また、前立腺癌または前立腺肥大の治療を受けたこと、骨盤領域または脊髄に影響を及ぼす手術または外傷があったことも影響します。
勃起不全の治療は、原因によって異なります。
動脈硬化が原因となる場合、phosphodiesterase-5(PDE-5)阻害薬と呼ばれる薬を利用することで、回復が見込めることがあります。
心因性であれば、カウンセリングを活用することもあります。
脳梗塞と勃起不全(ED)の関係
それでは、脳梗塞と勃起不全の関係について、ご説明します。
勃起不全(ED)の男性は、脳梗塞を発症するリスクが高い?
勃起不全の男性は、脳梗塞を発症するリスクが高いのでしょうか?
これは勃起不全の原因となる動脈硬化、高コレステロール血症、高血圧、糖尿病、肥満症などが、脳梗塞の危険因子です。
したがって、「勃起不全」の原因によっては、脳梗塞の発症リスクが高いということができます。
脳梗塞を発症した男性は、勃起不全(ED)のリスクが高い?
脳梗塞を起こした患者において、しばしば勃起不全になることが知られています。
中国で行われた361名の脳梗塞患者を対象にした研究では、脳梗塞後の患者の勃起不全の発生率、性生活の質、また精神状態などを調査しています。
この研究によると、脳梗塞を起こした人のほぼ78%が、勃起不全を経験していました。
また対象者を勃起不全群と非勃勃起不全群に分け、両群を比較したところ、勃起不全群は精神的な不安が強く、脳梗塞の病変が前頭葉と側脳室がより多い、高血圧、高コレステロール血症を有している、抗高血圧薬と高脂血症の薬を飲んでいる特徴を有していることがわかりました。
脳梗塞後の勃起不全は、脳梗塞を起こしたことに対する精神的なストレスやうつ状態の発症、性欲の減退、身体が思うように動かないことなどが影響していると考えられます。
また後遺症のために言葉が話せなくなると、それだけでパートナーとの会話を楽しむことができなくなり、人間関係や精神的なつながりに影響を与えてしまいます。
脳梗塞と勃起不全(ED)の治療
脳梗塞後の勃起不全を改善するためには、phosphodiesterase-5(PDE-5)阻害薬ではなく、リハビリテーションの介入や心理的なカウンセリングが推奨されます。
これは、脳梗塞後の勃起不全の原因が、動脈硬化などの血管病変を有することではないと考えられるからです。
脳梗塞は、その重症度によって、性行為に対する欲求、能力、自信に直接的な影響を与えてしまいます。
実際、脳卒中によるライフスタイルや身体的変化によってもたらされるストレスは、性生活に悪影響を及ぼす可能性があります。
パートナーとの関係も変化しているはずです。
パートナーが恋愛よりも介護の役割を担っている場合、その関係を切り替えるのは難しいかもしれません。
したがって、リハビリに取り組み、失った身体機能を取り戻すこと、それにより自信を回復し、パートナーとの関係の回復、性生活の回復につながるのです。
まとめ
脳梗塞と勃起不全についてご説明しました。
多くの場合、脳梗塞後の勃起不全は一過性であり、麻痺状態が改善し、身体や環境に関する懸念事項が解消されたら、元の機能を取り戻すことも期待できます。
もし脳梗塞後の勃起不全でお悩みであれば、まずはパートナーとよく話をしてみること、また恥ずかしいことかもしれませんが、是非かかりつけ医にも相談をしてみてください。
あわせて読みたい記事:脊髄損傷の男性の子作りについて
外部サイトの関連記事:若年性脳梗塞の予防と対策
コメント