脊柱管狭窄症による下肢筋力低下の原因と予防策を徹底解説脳卒中・脊髄損傷|麻痺痺れなど神経再生医療×同時リハビリ™で改善

脊柱管狭窄症による下肢筋力低下の原因と予防策を徹底解説

           

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この記事を読んでわかること

脊柱管狭窄症の病態がわかる
脊柱管狭窄症の病態がわかる
脊柱管狭窄症に対する治療がわかる


脊柱管狭窄症は、脊柱管内部を走行する脊髄が圧迫されることで上肢や下肢の麻痺やしびれを引き起こす病気です。
日常生活において下肢麻痺はさまざまなリスクとなり、放置すれば後遺症として残ってしまうため、早期から予防することが重要です。
そこで、この記事では脊柱管狭窄症による下肢筋力低下のリスクや予防策について解説します。

「見えない敵」脊柱管狭窄症を引き起こす要因とは?

歩行困難の影に潜む「見えない敵」脊柱管狭窄症とは?
脊柱管狭窄症とは、脊髄を取り囲む脊柱管と呼ばれる構造物が狭窄することで圧迫され、麻痺やしびれなどの神経症状をきたす疾患です。
脊柱管は骨・靭帯・椎間板などによって構成されており、その内部には脳から連なる神経組織、脊髄が走行しています。
加齢によってこれらの構造物が変形すると、徐々に内部の脊髄や脊髄から分岐した神経根が圧迫を受けるわけです。
最初は麻痺やしびれが出現しますが、狭窄が進行すると股間のほてり、残尿感、便秘などの症状も出現します。
またこれらの症状は長距離の歩行で悪化することが知られており、歩行と休憩を繰り返す状態を「間欠性跛行」と呼び、脊柱管狭窄症に代表的な症状です。

多くの人が知らない?下肢の筋力低下が招く4つの深刻なリスク

脊柱管狭窄症によって下肢の筋力低下を認めた状態を放置すると、下記のようなリスクがあります。

  • 転倒や転落
  • 血栓形成
  • 褥瘡
  • 拘縮

脊柱管狭窄症によって内部の脊髄が圧迫されると、下肢への運動神経が障害されて下肢の筋力低下(麻痺)が生じます。
足に力が入りにくくなるため、歩行や階段の上り下りの際に転倒・転落するリスクが増加し、注意が必要です。
また、心臓から血液が直接拍出される動脈系は流れが早く血栓は形成されにくいですが、静脈系は圧が低いため血栓形成リスクが高いです。
特に下肢の血管は重力で鬱滞しやすく、血栓ができやすいですが、通常は下肢の筋力が収縮することで静脈を外からポンプのように圧迫し、血栓形成を予防しています。
しかし、下肢の筋力低下によって静脈系への刺激が減少し血栓ができやすくなってしまいます。
動かなくなるのは筋肉だけではなく、関節も動かす機会も減少するため、関節可動域の減少、いわゆる拘縮が起こるリスクが上がり注意が必要です。
また、下半身の体動低下によって踵部や仙骨部に持続的に圧がかかり、血流低下に伴う褥瘡形成のリスクも上がるため、筋力低下は非常に厄介です。

筋力低下を遠ざけるために!実施できる5つの予防策

筋力低下の予防法は下記の通りです。

  • 姿勢を正す
  • 長時間の座位は控える
  • 適度に背骨を動かす
  • 下を向くときに腰を曲げすぎない
  • 規則正しい食事を摂取する

上記を守ることで脊柱管狭窄症は予防でき、下肢の筋力低下の進行を抑えることができます。
また、食生活が不規則だと肥満につながり、筋力低下に対するリハビリなども進まなくなるため、食事内容にも気をつけると良いでしょう。

筋力低下と向き合うためのリハビリテーションの重要性と実践方法

筋力低下に対し、現状で最も有効な対策方法はリハビリテーションです。
リハビリテーションは、筋力の回復において非常に重要です。
早期からリハビリを行うことで損傷した神経の再構築が期待され、関節の拘縮や筋力低下を予防・改善する効果が期待できます。
リハビリ専門家と協力し、筋力低下の部位に応じたプログラムを設計することで、筋肉の再生や機能回復を最大限に引き出すことが可能です。
下肢の筋力低下に対しては、踵上げ・足上げ・爪先立ちなどさまざまな運動があるため、自身の筋力低下した部位を重点的にトレーニングできるリハビリをぜひ実践してみると良いでしょう。
一方で、脊柱管狭窄症が高度の場合はリハビリテーションよりも手術療法で狭窄を解除する必要があるため、重度の下肢麻痺や膀胱直腸障害を認める場合は整形外科への受診を優先すべきです。

脊柱管狭窄症による下肢筋力低下についてのまとめ

今回の記事では、脊柱管狭窄症による下肢筋力低下4つのリスクと5つの予防策について詳しく解説しました。
脊柱管狭窄症は特に腰部で狭窄しやすく、症状が進行すれば下肢の筋力麻痺によって日常生活のさまざまなシーンに支障をきたします。
日常の姿勢や食事内容で症状の進行は予防できるため、普段から意識しておくと良いでしょう。
また腰椎だけではなく、頚椎の脊柱管狭窄症では下肢麻痺以外にも上肢の麻痺やしびれも出現します。
頸部の脊柱管狭窄を予防する意味でも、普段の姿勢を正すことがおすすめです。
もし対応が遅れて神経が強く障害された場合、麻痺やしびれなどの後遺症が残ってしまう可能性があり、その場合リハビリテーションによる機能改善・維持が現状唯一の治療法であるため、早期から医療機関で治療することを勧めます。
一方で、最近では脳梗塞・脊髄損傷クリニックでは、「ニューロテック®」と呼ばれる『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』も盛んです。
「ニューロテック®」では、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しています。
また、神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「同時刺激×神経再生医療Ⓡ」によって、脊柱管狭窄症による神経学的後遺症の改善が期待できます。

よくあるご質問

脊柱管狭窄症で筋力低下するのはどこですか?
脊柱管狭窄症で筋力低下する部位は、脊柱管のどの高位で狭窄しているかによっても異なります。
頸髄が障害されると上肢も下肢も筋力が低下し、腰髄が圧迫されると下肢の筋力が低下します。

脊柱管狭窄症で足の力が抜けてしまうのはなぜですか?
脊柱管狭窄症では、脊髄内部を走行する下肢への運動神経が狭窄によって障害されるため、足への運動の刺激が十分届かず、力が抜けてしまいます。
転倒や転落のリスクが増加するため注意が必要です。

関連記事


<参照元>
日本整形外科学会:https://www.joa.or.jp/public/sick/pdf/MO0013CKA.pd
MSDマニュアル:https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/06-筋骨格系疾患と結合組織疾患/頸部痛および背部痛/腰部脊柱管狭窄症

あわせて読みたい記事:関節リウマチと脊柱管狭窄症の関係とは

外部サイトの関連記事:日常での脊柱管狭窄症対策



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貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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