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高次脳機能障害の場合に受けられる福祉サービス

           

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脳血管障害、もしくは外傷などにより脳が障害を受けた結果、注意力や記憶力、遂行機能や情動に異常を来す後遺症を高次脳機能障害と言います。
高次脳機能障害に対しては、その原因となった疾患や年齢に応じて様々な福祉サービスが提供されています。
そこで今回は、高次脳機能障害の場合に受けられる福祉サービスに関して詳しく解説します。

高次脳機能障害の場合に受けられる福祉サービス

脳とは様々な機能を有する神経細胞の巨大な集合体です。
筋肉に運動の指令を送ったり、皮膚や臓器から感覚を得たり、呼吸や血圧、体温や睡眠など多くの生理機能をコントロールしています。
また、それ以外にも注意力や記憶力、遂行機能や情動を司っている部位も存在します。
例えば、側頭葉の海馬と言われる部分は記憶の貯蔵庫であり、過去にインプットされた記憶を保存しておく機能があります。
また前頭葉は主に情動を司る部分であり、自分自身の感情やそれに伴う行動を調整しています。
以上のことから分かる通り、例えば脳出血や脳梗塞などの脳血管障害や、外傷や感染症などによって脳が損傷した場合、麻痺やしびれはもちろんのこと、そのほかの多くの機能が障害される可能性があるのです。
特に、何度も同じ事を話したり質問したりする「記憶障害」、気が散りやすく、仕事上でのミスが多くなる「注意障害」、感情のコントロールができない「感情障害」などの症状をまとめて高次脳機能障害と呼び、日常生活に大きな支障を来すため家庭や社会への復帰に向けて様々な福祉サービスが提供されています。
高次脳機能障害に対する福祉サービスは、その原因となった疾患や年齢によって利用できるサービスが異なるため、わかりやすく解説していきます。

障害者手帳

障害者手帳
医師の診断書をもとに障害者手帳を保持することで、医療費助成補装具助成税金や公共料金の減免障害福祉サービスの享受など様々なメリットがあります。

高次脳機能障害に対する障害福祉サービス

脳血管障害であれば40才未満、外傷性脳障害や脳炎などであれば65才未満の患者様は、基本的に障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスを受けることができます。
そのためには所属する市町村に申請を行い、まずは障害の程度によって6段階の障害支援区分の認定を受けます。
では実際に具体的な障害福祉サービスを解説します。

介護給付

介護給付とは入浴や排泄、食事の支援、あるいは創作的活動や生産活動の機会を提供するサービスのことで、ショートステイや訪問介護、生活介護などが挙げられます。
介護給付の場合は、障害支援区分の程度によって受けられるサービスが異なってきます。

訓練等給付

訓練等給付とは、生活の自立や就労を目指すための支援であり、どんな障害支援区分であっても平等にサービスを受けることが可能です。

自立支援医療

自立支援医療は、心身の障害や負担を軽くするための医療費を軽減する制度であり、更生医療、育成医療、精神通院医療の3種類あります。
主に18才以上であれば更生医療として支給され、18才未満であれば育成医療として支給されます。
また、精神疾患に伴う医療費の場合は精神通院医療として支給されます。

補装具支援制度

義肢や車いす、補聴器などの補装具購入にかかる経済的負担を軽くする制度です。
自己負担額の上限は世帯収入に応じて決まります。

高次脳機能障害に対する介護サービス

脳血管障害であれば40才以上、外傷性脳障害や脳炎などであれば65才以上の患者様は、基本的に介護保険制度に伴う介護サービスを受けることができます。
そのためには所属する市町村や地域包括支援センターに申請を行い、まずは障害の程度によって自立、要支援1-2、要介護1-5までの8段階の要介護度の認定を受けます。
では実際に具体的な介護サービスを解説します。

居宅サービス

現在の住居に住んだまま受けることができるサービスのことで、自宅に介護者が訪問してくれる「訪問サービス」や、施設に通ってリハビリなどを行う「通所サービス」、一定期間内入院して食事や排泄の介助やリハビリなどを行う「短期入所サービス」などがあります。

施設サービス

主に「特別養護老人ホーム」「介護老人保健施設」「介護療養型医療施設」「介護医療院」に入所した要介護状態にある高齢者に対して提供されるサービスです。
特別養護老人ホームでは主に食事や排泄などの介護を、そのほかの施設ではそれに加え医学管理下でのリハビリなども行われます。

地域密着型サービス

高齢者が身近な地域で生活し続けられるように、事業所のある市町村の要介護者・要支援者に提供されるサービスです。
サービスの内容としては居宅介護や訪問看護などが主です。

まとめ

本書では高次脳機能障害の場合に受けられる福祉サービスについてご紹介しました。
大きく分けて、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス、介護保険制度に伴う介護サービス、障害者手帳によるサービスの3つがあります。
原因疾患や年齢などによっても受けられる制度や福祉サービスに違いがあるため、ご本人や家族はしっかりと把握しておく必要があります。
また、近年では再生医療の発達が目覚ましいです。
再生医療では自身の骨髄内の自己幹細胞を取り出し、培養して増殖させたものを体に戻すことで損傷した神経細胞を再構築するものであり、後遺症として残ってしまう高次脳機能障害も改善する可能性があり、今非常に注目度が増しています。

あわせて読みたい記事:高次脳機能障害への対応の仕方

貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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