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脳梗塞とチョコレートの関係について

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チョコレートの摂取は、脳梗塞の発生を抑制することが疫学的な研究から分かっています。
チョコレートに含まれるカカオマスポリフェノールが持つ血栓形成や動脈硬化に対する抑制効果が影響していると考えられています。
ダークチョコレートを1日5〜10グラム摂取することに加え、野菜や果物、青魚、全粒穀物などを日々の食事に取り入れてみましょう。

チョコレートが脳梗塞のリスクを下げる

食事とがんの関係を調べるために、ヨーロッパの9カ国で行われているEPIC(European Prospective Investigation into Cancer)という研究があります。
この研究のうち、イギリスのノーフォークと呼ばれる地域の人たちを長期間観察した研究から、興味深い結果が導き出されました。
20,951人の男女を対象に、参加者が記入した食事日誌を注意深く分析した結果、習慣的にチョコレートを摂取していた人たちは、脳梗塞の発症頻度が低くなる可能性が分かったのです。
参加者をチョコレートの摂取量に応じてグループ分けし、平均で11年ほど追跡したところ、摂取量の最も多い群では脳梗塞の発生率が最も低く、チョコレートの摂取量が極めて少ないか全くないと答えた人たちの群は、脳梗塞の発生率が最も高くなっていました。

(出典: Kwok CS, et al. Habitual chocolate consumption and risk of cardiovascular disease among healthy man and women. Heart. 2015;101:1279-87)

また、49から75歳のスウェーデン人男性37,103人を平均約10年間追跡して調査した大規模な解析でも、同様の結果がえられています。
この研究には、1,511人の脳梗塞の人が含まれていますが、チョコレートの消費量が最も多く、週に平均で約63グラム食べていると報告した人が、全くチョコレートを食べない人に比べ、17%も脳梗塞の発生を最も低く抑えていたのです。
さらにチョコレートと脳梗塞の関係を調べた、合計4,260人の脳梗塞患者を含む、5つの異なる研究も合わせて検証しています。
その結果、チョコレートの消費量が週50g増えるごとに、脳卒中のリスクは約14%減少することがわかりました。

(出典:Larsson SC, et al. Chocolate consumption and risk of stroke. A prospective cohort of men and meta-analysis. Neurology. 2012;79)

なお日本でも直接的にチョコレートと脳梗塞の関係を調べたわけではありませんが、チョコレートの摂取が健康に与える影響を調べた調査があります。
2014年に愛知県蒲郡市に住む45〜69歳の347人を対象に、4週間カカオを多く含むチョコレートを毎日25g食べてもらったところ、摂取前後で生活習慣病に関係する血圧やコレステロールの値が改善していました。
また動脈硬化の指標となる検査値も低下していました。

(出典: Natsume M, et al. Effects of dark chocolate intake on physical functions in Japanese subjects. Advances in Clinical and Translational Research. 2018;2:100012)

チョコレートが脳梗塞を予防する理由

ではなぜチョコレートを食べると脳梗塞の発生頻度が減少するのでしょうか?
そのヒントは、チョコレートに含まれるカカオの効能にあります。
カカオはカカオ豆から精製されていますが、なかでもカカオマスという成分に含まれるカカオマスポリフェノールは、摂取されると体内でいくつかの作用を持ちます。
カカオマスポリフェノール、特にポリフェノールの一種であるフラボノイドは、脳梗塞の原因となる血栓の形成に影響する粘着性を防ぐ働きがあります。
また動脈硬化の原因となるコレステロールを低下させ、血圧も下げる作用を有することがわかっています。
さらに、脳梗塞の危険因子である動脈硬化の予防や脳梗塞による脳の損傷を改善するために重要な、抗酸化作用をもつことが科学的に証明されています。
またチョコレートを食べることは、ストレスを軽減する手段としても有効です。
強いストレスは脳梗塞のリスクを高めますので、ストレスという観点からも脳梗塞予防の効果があるのです。
なおチョコレートの持つ効能は、脳梗塞だけでなく脳出血の予防にも有用ですので、広く脳卒中予防に効果が期待できるといえます。

どのチョコレートを食べるのがよいか?

チョコレートには、ダークチョコレートやミルクチョコレートなど、複数の種類がありますが、脳梗塞予防の観点からどのチョコレートが良いのでしょうか?
カカオが含まれる量をみると、ダークチョコレートはカカオ含有率が55%となっています。
ただしその分糖分は少なめになっており、苦味が多少強くなります。
苦味を抑えるため糖分が多くなったものがスイートチョコレート、乳脂肪が増えたものがミルクチョコレートになります。
またホワイトチョコレートには、カカオマスが含まれていません。
したがって、効率よくカカオマスポリフェノールを摂取するにはダークチョコレートが最善
スイートチョコレートやミルクチョコレートは、カロリー過多になるので注意が必要ですが、ある程度の効果は期待できるといえます。

チョコレートをどの程度食べたらよいか?

どのチョコレートを食べるかにもよりますが、ダークチョコレートであれば1日あたり5〜10グラム程度が妥当と考えられています。
これは板チョコレートの1〜2片に相当します。
ただ大切なことは、楽しみながら少しずつ続けることにあります。したがってミルクチョコレートが好きであれば、量に注意しながら食生活に取り入れるのがよいでしょう。

脳梗塞の予防効果があるそのほかの食品

チョコレート以外にも、脳梗塞の予防効果がある食品をいくつか紹介しておきます。

野菜と果物

野菜は、食物繊維が豊富で、満腹感を得られます。また、野菜や果物には、カリウム、食物繊維、葉酸、ビタミンA、ビタミンCなどの栄養素が豊富に含まれています。
サツマイモや白イモ、バナナ、トマト、プルーン、メロン、大豆など、カリウムを多く含む食品は、脳梗塞の主要な危険因子である血圧を正常に保つために役立ちます
またほうれん草など、マグネシウムを多く含む食品も、脳梗塞のリスク低減につながります。

サーモンやサバなどの青魚には、オメガ3脂肪酸が多く含まれており、血圧やコレステロールを抑える働きがあります。
魚を定期的に食べることは、脳梗塞のリスクの低減につながることが証明されています。

全粒穀物

全粒粉のパンや玄米は食物繊維、ビタミンB群、マグネシウム、鉄を多く含みます。
これらの成分は、いずれも脳梗塞の予防に役立ちます。

まとめ

脳梗塞とチョコレートの関係、また脳梗塞を予防する食品を紹介しました。
ただしチョコレートや脳梗塞を予防する食品を食べることが、バランスの取れた食事や定期的な運動に変わるものではないことも留意しておく必要があります。
まずは、普段の食事にこれらの食品を加えてみることを意識してみてはどうでしょうか?


貴宝院 永稔【この記事の監修】
福永記念診療所 再生医療部長 再生医療担当医師

ニューロテックメディカル代表 Dr.貴宝院 永稔

大阪医科薬科大学卒業
私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。

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