この記事を読んでわかること
・性格タイプについて
・脳卒中を起こしやすい性格とは
性格にはいくつかのタイプがありますが、攻撃的でストレスが絶えずかかっているA型性格の人や、ネガティブな感情を強く感じやすいD型性格の人たちが、脳梗塞を含む脳卒中の危険因子となることがわかってきています。
これら性格を変えることは難しいことですが、運動などを通してストレスを軽減させることが、性格による心血管に対する悪影響を最小化するひとつの方法と言えます。
性格タイプについて
脳卒中になりやすい性格があると言われていますが、その前に性格をいくつかのタイプに分類する考え方をご紹介します。
A型性格
一般的に、A型性格は支配的、競争的、報酬重視、高学歴などの特徴を持つ人を表すときに使われます。
A型の性格には、創造的で積極的、仕事への熱意と満足度が高い、有能で決断力があるなど、多くのポジティブな特性があります。
確かにA型性格の人は、競争心や意欲が強いかもしれませんが、その反面ストレスや怒りを感じやすい可能性があります。
また職場での攻撃的な行動や同僚への競争心などの行動にり、A型性格の人は職場で孤立しやすくなることがあります。
これは仕事の満足度に影響し、他者への敵対心をさらに高めることにつながります。
そのほかにも、負けず嫌い、達成することに意欲を燃やす、他の人よりも先を急いで行動する、遅いことに対して焦りや苛立ちを感じるなどの特徴があります。
B型性格
B型性格はA型性格とは反対の特徴があります。
このタイプの人は、のんびりとした性格で、柔軟性があり、のんびりしている傾向があります。
また、ほとんど攻撃性がないことも、B型性格の特徴です。
A型とは異なり、B型の人は他人を支配したり、自分の優位性や能力を証明したりする必要性を感じません。
焦りや苛立ち、欲求不満になることも少なく、競争心もあまりありません。
C型性格
C型性格の人は、A型の人に比べて受動的で自己主張が少ない傾向があります。
また、非常に優しくかつ従順で、個人の目標に集中するよりも、他の人と協力したり、助けたりする傾向が強い特徴があります。
またC型性格の人は、他の性格タイプの人よりも一般的に創造的であると言われています。
しかし、C型性格の人は、より悲観的な人生観を持ち、それが不満ややる気をなくす感情につながることがあります。
D型性格
D型性格の特徴は、ネガティブな感情や気持ちを抱く傾向があり、公の場面でも感情や表現を抑制する傾向があります。
注目されることを好むA型の人とは異なり、D型の人は、いつも自信がなく、神経質です。
この性格の人は社会的に孤立するリスクが高く、精神衛生上の問題をより多く経験する可能性があります。
なおD型性格の人は、うつ病を含む気分障害のリスクが高いことがわかっています。
脳卒中を起こしやすい性格〜A型性格
これら性格のなかで、脳卒中を起こしやすいとされる性格についてご紹介します。
A型性格
特にA型性格の人は、他のタイプの性格の人に比べて脳卒中を起こしやすいと言われています。
A型の性格の人は、怒りや敵意の感情により、頻繁にかつ長い期間、ストレスに晒される傾向があります。
ストレスは、睡眠障害や慢性疲労、糖尿病などの代謝異常、うつ病などの精神疾患、また免疫異常など、さまざまな形で身体に悪影響を及ぼす可能性があるとされています。
特に神経質でA型性格の人が受けるストレスは、脳卒中のリスクを大幅に増加させることも明らかになっています。
マドリードの病院に入院している脳卒中患者150人と、その周囲の健康な人たち300人のストレスレベルや性格と脳卒中の関係を調べた研究があります。
この研究ではライフイベントなどによるストレスレベルや性格タイプを、標準化されたツールを用いて測定しています。
この研究の結果、過去1年間にストレスとなるような大きなライフイベントを経験した場合、脳卒中の確率は4倍になり、A型の性格の人は2倍になることがわかりました。また喫煙者や1日2本以上のエナジードリンクを飲む人も、脳卒中になる確率が2倍以上になっていました。
さらに睡眠が浅い人は、3倍以上の確率になっていました。
ちなみに脳卒中だけでなく、冠動脈疾患、いわゆる狭心症や心筋梗塞もA型性格と関係があると考えられています。
特に、複数の研究により、怒りや敵意の感情と心血管系のトラブルとの間に関連性があることがわかっています。
またストレスレベルを下げるための手段を講じることで、これらのリスクを相殺することができるかもしれません。
特に運動と瞑想は、ストレスを抑えるのに役立つ方法として知られています。またストレスの原因を特定し、それを避けるための手段を講じることも重要です。
D型性格
D型性格は、脳梗塞を起こしやすいという最新の研究があります。
50〜85歳の初発の脳梗塞患者235名を対象に、陰性感情および社会的抑制を含む、D型性格と脳梗塞との関係を評価する研究が実施されています。
その結果、D型性格の患者では、脳梗塞の頻度が有意に高くなっていました。
特に脳梗塞の発生に影響を与えるのは社会的抑制ではなく陰性感情であることもわかりました。
また冠動脈疾患を抱える人のうち、D型性格の人は、心疾患による死亡、脳卒中、うっ血性心不全などの心血管イベントの独立した予測因子になっていました。
D型性格のようにマイナス志向が強いことも、ストレスがかかる要因であると言えるかもしれません。
まとめ
脳卒中になりやすい性格について、まとめてみました。
性格や考え方の癖は、なかなか修正できるものではありません。
ただその背景にあるストレスを軽減させるために、運動をするなど行動を修正することは可能かもしれません。
ご自身の性格も考え、ストレスを軽減させる方法に取り組んでみてはいかがでしょうか?
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