この記事を読んでわかること
・ホルネル症候群とは
・ホルネル症候群が起きる原因
・視床出血とは
特徴的な眼の症状「ホルネル症候群」を引き起こす視床出血についてですが、ホルネル症候群とは交感神経遠心路の障害によって生じる縮瞳や眼瞼下垂、眼球陥凹、顔面の発汗低下、血管の拡張による紅潮などを主体とした一連の特徴的な症状のことを意味します。
ホルネル症候群とは
ホルネル症候群は交感神経遠心路の障害とご説明しました。
しかしながら、交感神経や遠心路とはと思われる方もいるかもしれません。
交感神経は自分の意思とは独立して、身体の調節を行う自律神経系の一つで、身体活動を活性化させる方向に働きます。
また、遠心路とは脳や脊髄のなどの中枢から眼や皮膚などの末梢組織に向かって情報を伝達する経路のことを指します。
つまり、交感神経遠心路の障害は身体を活性化させる経路を障害するので、身体が活性化しない方向に働きます。
例えば、何かに集中しているときは目の瞳孔は開き、額に汗を浮かべるなんてイメージすることができるのではないでしょうか?
このような状況では交感神経が活性化しているといえますね。
一方で、ホルネル症候群では、この交感神経が障害されて、上の逆の現象が起きるので、瞳孔の大きさは小さくなり、顔の発汗は低下するなどと考えるとイメージしやすいのではないでしょうか?
ホルネル症候群が起きる原因
ホルネル症候群は交感神経の遠心路が障害されることによってさまざまな症状が現れることをご説明しましたが、実は交感神経の遠心路は大きく分けて3つの神経ニューロンから構成されています。
この3つのニューロンの理解はホルネル症候群が起きる原因をこれらのどこに障害が起きたかによって分類することができます。
視床下部から脳幹、脊髄毛様脊髄中枢
視床下部から脳幹、脊髄毛様脊髄中枢は身体の運動や生命の活動維持のためにとても重要な役割を果たしています。
この記事でご紹介する視床出血はこの部分が障害されるためにホルネル症候群が起きてしまうのです。
節前ニューロン
節前ニューロンは脊髄などの自律神経の中枢から節後ニューロンへと情報を伝達します。
この節前ニューロンの障害の原因となるものには、物理的な圧迫が多いです。
例えば、直接的な外傷、頚部リンパ節腫大や甲状腺の腫大、胸部動脈瘤、頸部膿瘍などによる圧迫、癌の転移、肺尖部肋膜癒着などが節前ニューロンに影響を与えることがあります。
節後ニューロン
最後に節後ニューロンは眼などの効果器へと情報を伝達する一番末端に位置する神経です。
節後ニューロンの障害によって起きるホルネル症候群では、内頚動脈系の動脈に動脈瘤や閉塞が生じることによって節後ニューロンが障害されてしまいます。
視床出血とは
視床出血について説明する前に、まず「視床」とは?となる人も多いのではないのでしょうか?
「視床」は間脳を構成する一部分で、左右の大脳半球の間にあります。
意識できる感覚のうち、嗅覚系以外の全ての感覚を大脳皮質に中継するというとても大切な役割をになっています。
後大脳動脈から分岐する視床穿通動脈、視床膝状体動脈という血管が破綻してしまうことによって視床出血は引き起こされます。
身体の感覚の中継地点的な役割を果たす視床にて問題が起きてしまうと、眼や顔、身体などのあらゆるところに症状が現れます。
視床出血の症状
それでは視床出血が起きてしまった時の症状について簡単に説明しましょう。
視床出血の症状は突然の頭痛や意識障害、眼の異常、失語、手足の麻痺などがあります。
中でも特徴的な症状が眼の症状で、より目になって鼻先を凝視するような状態となります。
さらに縮瞳と言って瞳孔が縮んだ状態になったり、対光反射という反射が出にくくなります。
また、先ほど説明したホルネル症候群も症状として現れることがあるようです。
ホルネル症候群があった時にはどうしたらいい?
さて、ここまでホルネル症候群と視床出血についてまとめましたが、自分自身の身の回りの人でホルネル症候群かなって思った時にはどうしたらいいでしょうか?
答えは、すぐに医療機関に相談することです。
ホルネル症候群そのもの自体では治療の必要のないものや命に関わるものは少ないかもしれません。
しかしながら、一方で、ホルネル症候群を引き起こしている原因には視床出血のようなとても怖い病気が隠れているかもしれないのです。
ホルネル症候群の原因となっている病気をしっかり見つけて、治療をすることが大切なのです。
まとめ
この記事ではホルネル症候群の症状と視床出血の症状、それらの関係についてまとめました。
ホルネル症候群についてまとめると、交感神経の遠心路の障害によって眼や顔に特徴的な症状が現れるというものでした。
自分自身や周りの人の眼や顔にホルネル症候群かなっていう違和感を感じたら、近くの医療機関にすぐに相談しましょうね。
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