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ベル麻痺の基本的な症状とは?

           

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この記事を読んでわかること

ベル麻痺の原因と症状についての基本的なことがわかる
ベル麻痺と脳梗塞の違いがわかる
ベル麻痺の治療方法やリハビリテーション方法がわかる


ベル麻痺は、原因不明の急性発症性片側性顔面神経麻痺のことを指し、単純ヘルペスウイルスや帯状疱疹ウイルスの感染が関係しているといわれています。
適切な治療は、ベル麻痺の後遺症を残さないためにも大切です。
本記事では、ベル麻痺の原因や症状、治療法やリハビリテーション方法について解説します。

ベル麻痺の主な原因と症状

ベル麻痺の主な原因と症状
ベル麻痺は、急性に発症する、顔の左右どちらかの顔面神経が支配する筋肉が麻痺する症候群です。
原因は不明とされています。つまり、ベル麻痺は、顔の片側の筋肉が動かなくなることで特徴付けられ、顔の表情が変わったり、口が閉じにくくなったりします。
急性顔面神経痰ニューロパチーの中でも、最も一般的な原因です。
ベル麻痺の正確な原因は不明ですが、ウイルス感染が関与していると考えられています。

ベル麻痺の主な原因

ベル麻痺は、本来原因不明の急性の末梢性顔面神経麻痺に対して使われる名称です。
ベル麻痺の原因については、これまでさまざまな仮説がたてられてきましたが、ベル麻痺のほとんどの症例で、単純ヘルペスウイルスの再活性化がその原因だろうという意見が広く受け入れられています。
例えば、ベル麻痺とされている方の14例中11例で単純ヘルペスウイルスI型(HSV-1)のDNA遺伝子が認められたという研究があります。
しかし、臨床の現場では、原因が単純ヘルペスによるものという確証を持てる方法がまだ無いので、末梢性顔面神経麻痺のほとんどが、今でもベル麻痺という診断がつけられているのです。
また、帯状疱疹ウイルスも、ベル麻痺の原因の一つと考えらえています。
ウイルス感染以外の原因としては、遺伝的な素因や顔面神経の虚血(きょけつ;血が十分に届けられなくなること)があります。
糖尿病は、微小血管障害の危険因子となるので、ベル麻痺を生じる可能性があります。
また、妊娠もベル麻痺の危険因子と考えられています。

症状

ベル麻痺の症状は急速に進行し、次のような症状が見られます。

顔面の片側の麻痺
顔の一方の筋肉が動かなくなり、表情が非対称になります。
口の動きの困難
口を閉じることが難しく、食べ物や飲み物が漏れることがあります。
目の閉じにくさ
目を完全に閉じることができなくなり、目が乾燥しやすくなります。
味覚の変化
舌の前方2/3の部分で味覚が低下することがあります。
耳の痛みや過敏
一部の患者は耳の痛みや音に対する過敏感を感じます。

ベル麻痺と脳梗塞の関係性

ベル麻痺は顔面神経の障害によるものであり、脳の中枢神経系に関係する脳梗塞とは異なる疾患です。
しかし、両者は症状が似ているため、診断には注意が必要です。以下に、ベル麻痺と脳梗塞の違いを示します。

ベル麻痺

発症の特徴:突然の発症が多く、一側性の顔面麻痺が特徴です。
原因:顔面神経の炎症や圧迫が主な原因です。
診断:耳の痛みや帯状疱疹の有無、味覚障害などを総合的に評価します。

脳梗塞

発症の特徴:急激な発症で、他の神経症状(手足の麻痺、言語障害など)も伴うことが多いです。
原因:脳血管の閉塞や破裂による脳への血流障害が原因です。
診断:MRIやCTスキャンを用いて脳の状態を確認します。

ベル麻痺のリハビリテーション方法

ベル麻痺は、治療を行わなくても7割が治癒する、予後の良い疾患です。
発症初期には、副腎皮質ステロイド薬や抗ウイルス薬が使用されており、疾患の全体の9割以上が治癒するようになっています。
しかし、重症例では麻痺や運動障害、拘縮(こうしゅく;筋肉がこわばったままになってしまう)などの後遺症が残ることもあります。
ベル麻痺の治療には、薬物療法とリハビリテーションが重要です。
以下に、リハビリテーションの具体的な方法を紹介します。

薬物療法

  • 副腎皮質ステロイド薬:神経のむくみとそれに伴う神経内圧が亢進することを軽減したり、血流を改善させることで症状を改善させる効果が期待できます。
  • 抗ウイルス薬:ウイルスの合成を妨げることで治療効果を発揮するものです。

副腎皮質ステロイド薬と一緒に使うことが勧められます。
症状が現れてから3日以内に投与開始されることが望ましいとされています。

リハビリテーション

ベル麻痺などの顔面神経麻痺に対するリハビリテーションとしては、まず表情筋に対するストレッチやマッサージです。
これにより、表情筋の拘縮の予防や改善を図ります。
実際には、顔の筋肉である、前頭筋、眼輪筋、頬骨筋、口輪筋、広頸筋などの表情筋に対し、マッサージやストレッチを行うことです。
リラックスして行うことや、習慣化することが大切です。
次に、筋肉が不適切に連動して動くこと(病的共同運動:びょうてききょうどううんどう)を予防する方法が挙げられます。
例えば、表情筋に力を入れずに、開瞼運動を指導することです。
眉毛を動かさないように、瞼をあけるようにするのです。

まとめ

今回はベル麻痺の症状や治療法、リハビリテーションについて解説しました。
治療にはステロイド薬や抗ウイルス薬が使用され、リハビリテーションとして顔面筋トレーニングや電気刺激療法が行われます。早期の治療と適切なリハビリテーションによって、多くの患者が回復することが期待されます。
しかし、中には後遺症が残ってしまう場合もあります。
そうした神経障害に対して、当院ニューロテックメディカルでは、『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』を、ニューロテック®と定義しました。
脳卒中や脊髄損傷、神経障害の患者さんに対する『狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療』を、リニューロ®と定義しています。
リニューロ®は、同時刺激×神経再生医療®にて『狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療』です。
また、その治療効果を高めるために骨髄由来間葉系幹細胞、神経再生リハビリ®の併用をお勧めしています。
顔面神経麻痺に対する再生医療についてご興味のある方は、ぜひ一度当院までご相談ください。

よくあるご質問

顔面神経麻痺の初期症状は?
顔面神経麻痺の初期症状には、顔の片側の筋肉が動かなくなること、口を閉じにくくなること、目が完全に閉じられなくなること、味覚の低下や耳の痛みが含まれます。これらの症状は突然現れることが多いです。

ベル麻痺はどのくらいの期間で回復しますか?
ベル麻痺の多くの患者は、数週間から数ヶ月以内に自然に回復します。通常、軽度から中等度の症例では3〜6ヶ月で完全に回復することが多いですが、重症例ではリハビリテーションが必要となることがあります。

関連記事


<参照元>
顔面神経麻痺ってどんな病気?原因・治療・リハビリまで:https://www.jibika.or.jp/owned/contents1.html
顔面神経麻痺の診断と治療.日耳鼻.2012;115:118-121.:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka/115/2/115_2_118/_pdf
日本神経治療学会 標準的神経治療:Bell麻痺(2019)日本神経治療学会ガイドライン作成委員会:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnt/36/5/36_619/_pdf/-char/ja
顔面神経麻痺に対するリハビリテーションの進め方.日耳鼻.2021;124:954-958.:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka/124/7/124_954/_pdf

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貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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