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脳梗塞後の日常生活で避けたほうが良いこと

           

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この記事を読んでわかること

脳梗塞の再発率
脳梗塞後の生活習慣で気をつけること


脳梗塞の後遺症はその後の生活に大きな影響を与えます
脳梗塞に一度なってしまった方は再発の可能性が高く、不安に思う方もいるでしょう。
重要なのは再発に怯えることではなく、危険因子や生活習慣を改善しながら生活の質を高めることです。
この記事では脳梗塞後の再発を防ぐために、生活習慣で気をつけた方が良いことを解説します。

脳梗塞の再発率

サウナの入り方にも注意が必要
脳梗塞とは何らかの原因により脳の血管が詰まってしまう病気です。
どうしても損傷を受ける「脳」という臓器に目が向いてしまいますが、注目すべきは「血管」や「心臓」です。
血管は脳全体に広がっていますので、一か所で脳梗塞が起きてしまった状態というのは別の場所でも血管が詰まりやすい状態です。
不整脈がリスクとして大きいタイプの脳梗塞でも、脳梗塞のリハビリを行ったからと言って不整脈自体に対応ができるわけではありません。
このように脳梗塞を一度起こしてしまった状態は再発の可能性が高いことが分かります。
研究により再発率は異なりますが、中には50%という研究もあるほどです。
脳梗塞に一度なってしまった人は一般の人に比べて約9倍のリスクがあるとも言われています。
脳梗塞は約70%の人が後遺症があり、約40%の人は介助が必要な状態になる疾患です。
再発してしまえば更に後遺症に悩む可能性は高くなります。
脳梗塞の再発を予防するためには、まず危険因子の管理が重要です。
具体的には高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、肥満などがあります。
かかりつけの先生と相談しながら、継続的な受診と内服を心がけましょう。

ストレスや過労と脳梗塞再発

ストレスや過労が体に良い影響を与えると思っている人は少ないでしょう。
もちろん、それは脳梗塞にも言えることです。
デンマークで行われた研究では、自己申告によるストレス度が高い人は脳卒中のリスクが高いことを報告しました。
イギリスの研究では、週55時間以上働く人のほうが、そうでない人と比較して脳卒中のリスクが高いことを報告しました。
脳梗塞を起こした人は、後遺症により身体が動かしにくく、高次脳機能障害もあるため身体・神経ともに疲労しやすい状態と言えます。
脳梗塞後にうつになる(脳卒中後うつ)人も少なくありません。
再発を防ぐためにもストレスや疲労を貯めないことが重要です。
ストレスに関しては、周囲の人(家族や担当の医療従事者、友人)などと話す関係を作ること、趣味を持ち継続すること、散歩や体操など適度に動かすことなどで対策できます。
暴飲暴食は、その後の気持ちの落ち込みを作る要因となるだけでなく、高血圧や糖尿病などのコントロールを悪くするので注意しましょう。
疲労の対策としては、こまめに休憩を挟むこと、手伝ってもらえる部分は周囲の人に頼むことなどがあります。
日常生活動作はそれ自体が重要なリハビリになりますが、安全でなければ意味がありませんし、疲労によりQOLを下げてしまっては意味がありません。
自分ができることは行いつつ、難しい場合は周囲の協力を得ましょう。

睡眠と脳梗塞再発

睡眠と脳卒中の関係は深く議論されており、あらゆる睡眠障害は脳卒中のリスク因子になるという研究もあります。
さらに脳卒中の回復の過程において、睡眠によって神経ネットワークの再構成が促進されることも分かっています。
特に注目すべきは脳梗塞と睡眠時無呼吸症候群の関係です。
睡眠時無呼吸症候群は高血圧のリスクとなることが分かっており、脳梗塞のリスクにもなります。
脳梗塞の後遺症として中枢性の睡眠時無呼吸症候群を起こすことがあります。
中枢性でも閉塞性でも睡眠時無呼吸症候群は脳梗塞の再発リスクを高めるということが分かっています。
睡眠時無呼吸症候群の治療をしたからといって脳梗塞再発を必ずしも防げるわけではありません。
しかし、治療を受けることで日中の眠気がなくなり、QOLが良くなるなどのメリットはあります。
家族や睡眠アプリなどで無呼吸やいびきに気付いた場合は、ぜひかかりつけの医療機関に相談してみましょう。

気温と脳卒中の関係

暑すぎることも寒すぎることも脳卒中のリスクを増やします。
特に短期間・短時間での気温の変化(乱高下)が更にリスクを増やすとも言われています。
室温はできるだけ一定にしつつ、快適な室内環境を整えましょう。
最近ではサウナが流行っていますが、「整う」ための高温サウナ→冷水は血管に大きな負担が生じるので、避けたほうがよいです。
また、脱水には十分に注意をしましょう。

まとめ

この記事では脳梗塞再発を少しでも減らすための、生活習慣で気を付けることを解説しました。
これらの対策を行いつつ、再発かなと思った際には速やかに医療機関を受診しましょう。
また、初回でも再発でもどうしても後遺症が残ってしまう方がいます。
まずはしっかりとしたリハビリテーションが行われますが、それでも改善しなかった方に向けて当院ではニューロテック®という「神経障害は治るを当たり前にする取り組み」を行っています。
取り組みの中の一つであるリニューロ®では、同時刺激×再生医療™*1、骨髄由来間葉系幹細胞*2を用いて脳や脊髄の治る力を高めた上で、神経再生リハビリ*3をおこなうことで神経障害の軽減を目指しています。
少しでも再発を不安に思う方や後遺症で悩む方が減るように、情報を集めながら患者さんと向き合って行きたいです。

よくあるご質問

脳梗塞が2回目の再発になる確率は?
脳梗塞の累積発症率を調査した研究では1年で5.4%、5年で11.3%、追跡終了時点で14.2%と報告しています。脳梗塞を一旦起こしたことがある人は再発しやすく、そのリスクは一般の方の約9倍ともいわれています。

脳梗塞になったら生活上注意することは?
脳梗塞に一度なった人は再発のリスクが高いため、定期的に医療機関の受診を受診し、再発が疑われた時は救急の受診も考えましょう。薬物療法を続けながら、高血圧や糖尿病などのリスク因子をコントロールすることが重要です。また、リハビリを行い、自身のQOLを高く保つようにしましょう。

<参照元>
Self-Reported Stress and Risk of Stroke: https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/01.STR.0000062345.80774.40
脳卒中治療ガイドライン2021:https://www.jsts.gr.jp/stroke_guidelines/index.html

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貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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