塩分は脳の敵?高血圧と脳梗塞の関係性を深堀り | 脳卒中・脊髄損傷|麻痺痺れなど神経再生医療×同時リハビリ™で改善

塩分は脳の敵?高血圧と脳梗塞の関係性を深堀り

           

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この記事を読んでわかること

塩分摂取と高血圧の関係がわかる
塩分摂取と高血圧の関係がわかる
脳梗塞予防のための具体的な減塩目標がわかる


日本は世界的に見ても塩分摂取量の多い国であり、それが原因で高血圧を発症し、脳梗塞を発症する方も少なくありません。
脳梗塞予防のためにも普段から自身の塩分摂取量を把握することが、脳梗塞を予防する上で非常に重要です。
この記事では、塩分摂取によって高血圧となるメカニズムや、脳梗塞との関係性を詳しく解説します。

塩分が血管を傷つける!脳梗塞につながるメカニズム

塩分が血管を傷つける!脳梗塞につながるメカニズムを解説
塩分は料理の味付けを決める上で重要な要素であり、塩分の多い食べ物は旨味を感じやすくなります。
一方で、過剰な塩分摂取は健康に有害であり、特に脳梗塞の発症リスクを増大させることが知られています。
脳卒中治療ガイドライン2021によれば、高血圧は脳卒中の最大のリスク因子であり、血圧の値と脳卒中の発症率は完全に正の相関関係にあるようです。
ではなぜ塩分の摂取によって脳梗塞が生じやすくなるのでしょうか?
そのメカニズムは主に下記の2つです。

  • 血液量増大に伴う血管への負荷
  • 交感神経刺激に伴う血管収縮

まず、食事から摂取した塩分は消化管で消化・吸収され、血液中にNa(ナトリウム)として存在します。
過剰な塩分摂取によって血液中のNa濃度が濃くなると、人体は自然に血液中のNa濃度が元に戻るように薄めようとして、血管内に水分を引き込みます。
その結果、血液量が増大するため、血管には大きな負担がかかるわけです。
次に、塩分の過剰摂取は交感神経を刺激することで血管平滑筋が収縮し、血管抵抗の増大を招きます。
この2つのメカニズムが同時に起こることで、普段より多い血液量が普段よりも細く収縮した血管を流れるため、血管内部には高い圧がかかり、血管内皮細胞が損傷してしまいます。
その結果、血液中を流れるLDLコレステロールが損傷した血管内皮から血管壁内に侵入し、血管壁を固く・脆く変性させる、いわゆる動脈硬化が生じるのです。
長期的に動脈硬化が進むと、血管内腔が狭小化することで脳梗塞に至ります。

高血圧は危険信号!塩分と脳梗塞の深い関係

上記で記したように、塩分の過剰摂取は血液量増大や血管収縮を招き、高血圧が持続することで動脈硬化を進展させ、脳梗塞の発症の原因となるため注意が必要です。
具体的に、75歳未満・冠動脈疾患・CKD(蛋白尿陽性)・糖尿病・抗血栓薬内服中の方は130/80mmHg以上の血圧はハイリスクです。
一方で、75歳以上・両側頸動脈狭窄・CKD(蛋白尿陰性)の方は140/90mmHg以上の血圧に注意しましょう。
ちなみに、血圧には心臓が収縮する際の収縮期血圧、心臓が拡張する際の拡張期血圧、収縮期血圧と拡張期血圧の差の脈圧など、さまざまな指標が存在しますが、わが国の大規模なメタ解析によれば、収縮期血圧の値が脳梗塞発症のリスクとして非常に重要であることがわかっています。
そのため、特に収縮血圧が130mmHg以上ある方は脳梗塞の発症リスクが高いことを自覚しておくことが重要です。

どれくらい減らせばいいの?脳梗塞予防のための減塩目標

当然、脳梗塞の発症予防には高血圧への対策は重要であり、中でも減塩が最も重要です。
日本高血圧学会では減塩の目標として、1日6g未満を推奨しています。
また、欧米のいくつかの国では一般成人の食塩推奨量を6g未満としており、また世界保健機構(WHO)では全ての成人の減塩目標を5gとしています。
その一方で、令和4年の国民健康・栄養調査によれば、日本人の塩分摂取量はこの10年で減少傾向ではあるものの、男性10.5g/日、女性9.0g/日、平均9.7g/日と、いまだに目標値を大きく上回る塩分摂取量です。
男性においては現状の半分程度まで減塩が必要ということになります。
ただし、実際に普段我々が摂取する食事にはかなりの塩分が含まれており、ラーメンなどの場合は1食でも5g以上の塩分を含みます。
外食に行けば、多くの場合は1食で6g以上の塩分を摂取してしまうため、脳梗塞を予防したい方は普段から厳密な塩分管理を行うよう、注意しましょう。

まとめ

今回の記事では、塩分と脳梗塞の関係について詳しく解説しました。
日本では従来の漬物文化が希薄化し、塩分摂取量は以前と比べて随分と低下傾向にあります。
とはいえ、世界的には塩分摂取量の多い国であり、いまだに国の定める推奨量を大きく超える塩分を摂取してるのが現状です。
脳梗塞は一度発症すると破壊された脳細胞が再生できず、後遺症が残ってしまう病気です。
過剰な塩分摂取は高血圧を招き、長期的には動脈硬化に進展し、脳梗塞の発症を招くため、脳梗塞予防のためにも、普段から自身の塩分摂取量を意識することが重要です。
いまだに脳梗塞の後遺症を改善する術はリハビリテーションが主ですが、近年では脳梗塞後の後遺症に対して再生治療が新たな治療法として非常に注目されています。
また、ニューロテックメディカルでは、「ニューロテック®」と呼ばれる『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』も盛んです。
「ニューロテック®」では、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しています。
また、神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「同時刺激×神経再生医療Ⓡ」によって、脳梗塞後遺症の改善も期待できます。

よくあるご質問

塩分は脳にどのような影響がありますか?
塩分の過剰摂取によって高血圧が進行し、血管内皮細胞が損傷した結果、動脈硬化が進展します。
脳に栄養を供給する血管にも同様の変化が生じ、脳梗塞や脳出血の発症リスクが増大します。

高血圧と脳梗塞の関係性は?
特に収縮期血圧の高い方の場合、血管に過剰な圧がかかり、動脈硬化が進展することで、脳血管も脆く・固く変性し、内腔も狭小化します。
その結果、脳出血や脳梗塞の発症リスクが血圧に比例して上がっていくため、注意が必要です。

<参照元>
脳卒中治療ガイドライン2021:
https://www.jsts.gr.jp/img/guideline2021_kaitei2023.pdf
日本高血圧学会:
https://www.jpnsh.jp/com_salt.html
令和4年度 国民健康・栄養調査:
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001296359.pdf

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貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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