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若年性脳梗塞の症状と早期発見の重要性

           

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この記事を読んでわかること

若年性脳梗塞は比較的めずらしいことがわかる
若年性脳梗塞の原因がわかる
若年性脳梗塞の症状がわかる


若年性脳梗塞には、特有の原因があり、それぞれに典型的な症状がみられます。
今回の記事では、脳梗塞の特性、急に現れる症状、そして若年者に特定の動脈解離やもやもや病、抗リン脂質抗体症候群など、若年者特有の原因による脳梗塞の概要を解説していきます。
また、早期発見の重要性やリスク管理についても述べていきます。

若年性脳梗塞と脳梗塞を経験した芸能人

脳梗塞を経験した芸能人の影響と予防の重要性

脳梗塞を経験した著名人は、その発症と闘病を公表することで、一般の人々に対して病気の認知度を高める重要な役割を果たしています。
例えば、野球監督の長嶋茂雄氏やミュージシャンの桜井和寿氏のように、若年性脳梗塞や脳梗塞を経験した芸能人が、自らの経験を通じて予防の重要性を訴え、多くの人々が生活習慣の改善に取り組むきっかけを提供しています。
脳梗塞の予防には、適切な食生活、運動、禁煙、定期的な健康診断が不可欠です。

若年性脳梗塞の典型的な症状

若年性脳梗塞の典型的な症状
若年性脳梗塞は、通常、50歳未満の人々に発生する脳梗塞の一種であり、脳への血流が突然遮断されることにより発生します。
若年者に起こる脳梗塞に特化した症状は特にありませんが、その原因によってさまざまな症状が現れてきます。
まずは、若年性脳梗塞の原因について解説し、症状についても紹介します。

若年性脳梗塞の原因

脳梗塞や脳出血、くも膜下出血をまとめて脳卒中と呼びます。
中高年者の脳卒中は、動脈硬化や弁膜症が原因ではない心房細動などが原因となることが多いとされています。
一方、若年性脳梗塞の場合は、その原因が異なることがわかっています。
現在、日本での発症1週間以内の全脳卒中で閉める若年者の脳卒中の割合は、以下のようになっているという報告があります。

  • 40歳以下は2.2%
  • 45歳以下は4.2%
  • 50歳以下は8.9%

そして、50歳以下の若年者と51歳以上の非若年者で脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の割合を比べたところ、脳梗塞は37%対63%で若年者が低く、脳出血やくも膜下出血は、それぞれ32%対21%、26%対7%と、若年者で頻度が高かったということがわかりました。
さらに、脳血管障害の主な原因として知られる動脈硬化の危険因子と動脈瘤が原因となった患者をのぞいた若年者の脳卒中のうち、虚血性脳血管障害、つまり脳梗塞の原因としては動脈解離が最も多く、さらにもやもや病抗リン脂質抗体症候群静脈洞血栓症などが続きました。

若年性脳梗塞の症状

若年性脳梗塞の症状は、しばしば急激に現れますが、症状は個人によって異なり、そしてその原因によって以下のようになります。

脳動脈解離

脳に栄養や酸素を与える動脈が裂けてしまう病気です。
頭痛などの症状があったり、脳梗塞の他にくも膜下出血の原因ともなります。

もやもや病

内頸動脈(ないけいどうみゃく)という左右2対の重要な動脈が、脳の中に入ると前動脈動脈中大脳動脈という動脈になります。
その動脈が狭くなってしまったり、詰まってしまったりすると、側副血行路(そくふくけっこうろ)として、細いもやもやとした弱い血管が生じてしまいます。
すると、この動脈が詰まり、脳梗塞となります。
もやもや病によって、一時的に脳に血液が足りなくなる一過性脳虚血発作(いっかせいのうきょけつほっさい:TIA)や、脳梗塞になります。
一過性脳虚血発作では、以下の症状が急に起こり、その後数分〜数時間で回復します。

  • 手足が動かしにくい
  • 手足や顔面がしびれる
  • うまく言葉がでない

脳梗塞の場合には、このような症状は自然には改善することはほぼありません。
特に、小児のもやもや病では、息が激しくなること(過呼吸)でこうした症状が起こりやすくなります。
過呼吸を起こすような動作としては、ラーメンやうどんといった熱い食べ物を「フーフー」と笛を吹く、リコーダーや鍵盤ハーモニカなどを吹く、といったことがあります。
これらの症状は一時的であることもあれば、より長期間にわたることもあります。
しかし、いずれにせよ、これらは緊急の医療介入を必要とする警告信号です。

早期発見と治療のための注意点

若年者の脳梗塞を引き起こす原因としては、脳動脈解離、もやもや病、抗リン脂質抗体症候群などがあると先ほど述べました。
若年性脳梗塞の早期発見と治療のための注意点をこれから解説していきます。

脳動脈解離

突発性の激しい頭痛や首の痛みが脳動脈解離の初期症状であることが多いです。
視覚障害や一時的な言語障害も見られる場合があります。
MRIやCTアンギオグラフィーを使用した詳細な画像診断が必要です。

もやもや病

手足の麻痺、言語障害、視覚問題など、TIAの症状が特徴的です。
定期的な脳の画像診断が必要で、病気の進行を監視します。
血流を改善するための外科手術が効果的な場合があります。

抗リン脂質抗体症候群

この症候群は血液検査により抗体の存在が確認されます。
長期的な抗凝固療法が治療の主な選択肢となります。

脳動静脈奇形(AVM)

AVMはしばしば無症候性ですが、出血すると重篤な結果を招きます。
外科手術、放射線治療、または血管内治療が選択肢になりえます。

脳静脈・静脈洞血栓症

頭痛、視力障害、けいれんなど、非特異的な症状が現れます。
MR venography(ベノグラフィ)、またはCT venographyといった静脈の状態を調べる検査を使用して診断され、抗凝固療法が一般的に推奨されます。

「若いから大丈夫」の危険性と後遺症リスク

「若いから大丈夫」という考え方は、若年性脳梗塞のリスクを過小評価する危険性があります。
これまで解説してきたように、若年者でも脳梗塞は発生し、時には重大な後遺症を残すことがあります。
後遺症には、身体的障害、認知障害、情緒的問題などがあります。
一般的な脳梗塞のリスクファクターには、高血圧、喫煙、糖尿病、高コレステロールなどがあり、これらは若年層でも見られることがあります。
そこで、生活習慣の改善と定期的な健康診断により、これらのリスクファクターを管理することが、若年性脳梗塞の予防につながります。

若年性脳梗塞についてのまとめ

若年性脳梗塞は、若い世代でも発生する可能性がある重大な健康問題です。その症状を正しく認識し、早期発見と治療が可能になるようにすることが、後遺症を最小限に抑え、生命を救う鍵となります。
「若いから大丈夫」という考え方を捨て、リスクファクターに対する意識を高め、健康なライフスタイルを心掛けることが重要です。
一度脳梗塞が起こり、脳神経細胞が障害されてしまうと、修復することは難しいとされてきました。
そこで、ニューロテックメディカルでは、脳卒中・脊髄損傷を専門として、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しております。
リニューロ®では、同時刺激×神経再生医療®、骨髄由来間葉系幹細胞を用いて狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高めた上で、神経再生医療×同時リハビリ®を行うことで神経障害の軽減を目指します。
若年性脳梗塞の後遺症に対する再生医療にご興味がある方は、ぜひ一度当院までご相談ください。

よくあるご質問

若い人が脳梗塞になる初期症状は?
若い人に特有の脳梗塞の初期症状は、急激な頭痛、一過性の視覚障害、軽度の手足の麻痺、突然のバランス喪失、短期間の言語障害などが挙げられます。また、もやもや病などがある場合には、一時的な意識消失などが起こる場合もあります。

若年者の脳梗塞の原因は?
若年者特有の脳梗塞の原因としては、脳動脈解離や、さらにもやもや病、抗リン脂質抗体症候群、脳静脈・静脈洞血栓症、などがあります。もちろん、一般的な脳梗塞の原因である、高血圧や糖尿病、脂質異常症もあります。

<参照元>
若年者の脳卒中の鑑別疾患と治療*.神経治療.2019;36:135-139.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnt/36/3/36_135/_pdf/-char/ja
知っておきたい循環器病あれこれ 公益財団法人 循環器病研究振興財団
https://jcvrf.jp/general/pdf_arekore/arekore_117.pdf

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貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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