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神経障害の後遺症への幹細胞治療

           

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この記事を読んでわかること

神経損傷には中枢神経障害と末梢神経障害があること
神経障害による症状にはどのようなものがあるのか
神経障害に対する幹細胞治療にはどのような効果があるのか


神経障害には、大きく分けて脳や脊髄に損傷を受ける中枢性神経障害と、糖尿病やアルコール多飲などによる末梢性神経障害があります。
神経障害に対しての治療が遅れると、後遺症が残ってしまうこともあります。
今回の記事では、この神経障害に対する幹細胞治療の可能性について解説していきます。

神経障害とは?

神経細胞
神経障害は、神経系に影響を与える病気や障害の総称です。
神経障害には、中枢神経系(脳と脊髄)や末梢神経系(体の他の部分に広がる神経)に損傷が生じる様々な状態が含まれます。
例としては、脳卒中、てんかん、神経変性疾患(アルツハイマー病やパーキンソン病)、外傷による脊髄損傷、糖尿病による神経障害(糖尿病性神経障害)などがあります。
例えば、脊髄損傷では完全麻痺、あるいは不全麻痺になってしまいます。
損傷を受けた部位より遠位(えんい)、つまり足側の運動や知覚の障害が生じます。
完全に麻痺を来した場合には、下半身が動かなくなります。
頚椎を損傷した場合には、手足の両方が全く動かなくなってしまうのです。
末梢神経障害は、中枢神経から脊髄を出て、手足などへ伸びていく神経である末梢神経がなんらかの原因で影響を受けてしまうものです。
末梢神経障害には、糖尿病やアルコールの多飲、感染症(ウイルスや細菌)によるもの、がんなどの悪性腫瘍が原因となるもの、遺伝性のものなど、原因は様々です。
末梢神経障害の症状としては、力が弱くなること、感覚が鈍くなること、痛みや痺れを感じることなどがあります。

神経障害の後遺症

さて、神経障害に対しては原因に合わせた治療が行われます。
例えば、脳卒中の場合には血栓溶解療法や降圧治療、場合によっては手術で脳内の血腫を取り除くことなどがあります。
脊髄損傷に対しては、なるべく動かさないようにし、ステロイドなどの薬が用いられることもあります。
また、末梢神経障害に対しては薬剤などで治療を行なっていきます。
しかしながら、治療が遅れたり、障害が重度である場合には、後遺症が残ってしまうこともあります。
神経障害の後遺症は、病気や損傷の程度や場所によって異なります。
一般的な後遺症には、感覚や運動の障害、痛み、筋肉のこわばり、協調性の低下、認知機能の変化などがありますが、具体的な症状は病態や原因によって様々です。
そして、個々の状態に合わせてリハビリテーションや治療プランが組まれ、患者の機能の改善や生活の質の向上を目指していくことになります。

幹細胞治療による神経障害の後遺症への効果

一方で、神経障害の後遺症が残ってしまうこともあります。
脳梗塞や脊髄損傷の後遺症としては、運動障害や感覚障害、高次機能障害、膀胱直腸障害、心肺機能障害があります。
その後遺症に対する治療として、幹細胞治療が注目されています。
幹細胞治療の一つに、自己骨髄間葉系幹細胞治療があります。
この治療は、自分から採取した骨髄細胞に含まれる間葉系幹細胞を培養するというものです。
間葉系幹細胞は内臓や血管系、骨・軟骨、脂肪や筋肉、神経などに分化するという性質を持っています。
自家骨髄間葉系幹細胞治療は、患者の腸骨から局所麻酔下で骨髄液を採取します。
これを細胞調整施設で目的の細胞を分離し、大量に培養します。
そして、これから細胞製剤を製造します。
この細胞製剤を、30〜1時間かけて静脈内投与して移植します。
幹細胞治療の利点としては、骨髄液の採取が10〜15分ほどと短時間で行えるので、患者の負担が少ないこと、脳や脊髄の病気でありながら静脈内投与で効果があること、そして発症してから時間が経過していても治療効果が見込めることがあります。
幹細胞治療による脊髄損傷に対してのメカニズムは、脊髄損傷を受けてから以下のような順で作用を示すものです。

  • 神経栄養因子を介した神経保護
  • 抗炎症作用
  • 血管新生作用
  • 神経再生作用

なお、日本再生医療学会によると、2023年11月時点で承認を受けている再生医療等製品は19種類です。
その中でも、自己骨髄由来間葉系幹細胞が脊髄損傷に伴う神経症候や機能障害の改善に対して効能が示されています。
一方で、今後も実用化が望まれる再生医療があります。
例えば、ヒト由来iPS細胞由来幹細胞移植治療により、脊髄損傷後の運動機能の改善がみられたという研究報告もあります。
今後も、神経障害の後遺症に対して幹細胞治療が与える治療効果について、さらに研究が進むことが望まれます。

まとめ

今回の記事では、神経障害の後遺症への幹細胞治療について解説しました。
私たちニューロテックメディカルでは、脳卒中・脊髄損傷を専門として、脳脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しております。
リニューロ®では、同時刺激×再生医療™、骨髄由来間葉系幹細胞を用いて脳や脊髄の治る力を高めた上で、神経再生リハビリをおこなうことで神経障害の軽減を目指しています。
神経障害の後遺症に対する再生医療にご興味のある方は、ぜひ一度当院までご相談ください。

Q&A

幹細胞治療の保険適用はいつから?
2018年12月から、自己骨髄由来間葉系幹細胞を使った脊髄再生治療薬が保険適用になっています。その他にも、悪性リンパ腫や目の病気、膝の軟骨欠損症などに対する幹細胞治療も保険適用となっているものがあります。

幹細胞治療はどんな効果があるのですか?
幹細胞は内臓や血管系、骨・軟骨、脂肪、筋肉、神経など、さまざまな組織に分化する能力を持っています。そして、神経再生や血管新生作用、抗炎症作用、神経栄養因子を介した神経保護症などの効果があります。

あわせて読みたい記事:完全解説!幹細胞治療の基礎知識
<参照元>
末梢神経障害・ニューロパチー | NCNP病院 国立精神・神経医療研究センター:https://www.ncnp.go.jp/hospital/patient/disease04.html
「脊髄損傷」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる:https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/spinal_cord_injury.html
ヒトiPS細胞由来神経幹細胞移植治療による脊髄損傷からの運動機能改善メカニズムの解明―移植したニューロンの治療効果について:https://www.amed.go.jp/news/release_20220112.html
資料6:脳梗塞と脊髄損傷の再生治療 健康・医療戦略推進本部(第十八回)議事次第より
再⽣医療等製品情報 再生医療PORTAL


貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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