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小脳血管解離と脳出血の関係と原因

           

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この記事を読んでわかること

小脳血管解離の病態がわかる
小脳血管解離と脳出血の関係がわかる
小脳血管解離と脳出血の違いや鑑別方法がわかる


小脳へ血液を送る血管が破綻する小脳血管解離では、二次的に脳梗塞や脳出血・くも膜下出血を引き起こす可能性があります。
血管の解離だけであれば頸部痛や頭痛症状で済みますが、脳出血などに至れば麻痺やしびれ・意識障害などその影響は甚大です。
この記事では、小脳血管解離と脳出血の関係と原因について詳しく解説します。

小脳血管解離の原因と症状

脳断面図
小脳血管解離とは、その名の通り小脳に血液を送る血管が動脈解離を引き起こし、小脳への血流が障害される病気です。
動脈は通常、内側から内膜・中膜・外膜の3層構造となっており、動脈硬化によって血管が脆弱化すると内膜に亀裂が入り、血液が中膜と中膜の間に入り込むことで動脈解離が生じます。
動脈解離によって動脈内が狭小化すれば血流がうまく脳に届かず脳梗塞に、出血が中膜を突き破って血管外に出れば脳出血に至ります。
特に、小脳への血流を担う椎骨・脳底動脈に動脈解離が生じることで小脳血管解離が生じるため、注意が必要です。
では、なぜ椎骨・脳底動脈が解離してしまうのでしょうか?
主な原因は下記の4つです。

外傷性
外部からの刺激や頸部伸展による解離
進展性
他の部位の動脈解離が椎骨・脳底動脈に進展して生じる解離
医原性
血管を操作するような医療行為に伴う偶発症としての解離
特発性
上記のような原因に分類できない解離

特に多いのは外傷性動脈解離であり、頸部の回旋運動や伸展運動によって脆くなった血管が物理的に破綻し、解離してしまいます。
場合によっては、激しい咳やマッサージなどの刺激でも外傷性動脈解離が生じうるため、注意が必要です。
外傷性動脈解離は幅広い年齢で生じる病態であり、SCADS-JAPANと呼ばれる国内の大規模研究によると、発症年齢の中央値は54歳(13~88歳)、50歳以下での発症は全体の39.4%と、若年でも発症しうる結果でした。
動脈解離の主な症状は、血管が破綻することに伴う急激な頭痛・頸部痛が挙げられ、二次的に生じる脳梗塞や脳出血によって麻痺やしびれ、意識障害など、さまざまな神経症状も出現します。
また小脳が障害されることにおける小脳失調(体の平衡感覚や運動のバランスが乱れる症状)などの症状も特徴的です。

脳出血のリスクと影響

小脳血管解離では、前述したように脳梗塞や脳出血・クモ膜下出血を二次的に生じるリスクがあります。
脳卒中データバンク2021によれば、990例の動脈解離症例のうち脳梗塞併発が57.2%(男性420例、女性146例)、脳出血併発が1.0%(男女含めて10例)、くも膜下出血併発が41.8%(男性227例、女性187例)でした。
以上のデータから見ても、動脈解離に伴う脳出血のリスクは高くはありませんが、脳出血を引き起こした場合は生命に関わるリスクもあるため、予断を許しません。
特に、発症時に意識障害がある場合や血腫量が多い場合は予後が悪く、仮に自宅退院できたとしても、普段通りの生活に戻れる可能性は低いでしょう。

小脳血管解離と脳出血の関連性と識別点

小脳を栄養する椎骨・脳底動脈に動脈解離が生じ、血管壁内に血液が流入すると、最悪血管壁を突き破って脳出血を引き起こします。
両者の鑑別点として、脳出血が生じた場合は意識障害などの派手な症状が出現する可能性が高いですが、小脳血管解離だけであれば頭部や頸部の痛みに留まります。
また、診断するための検査にも違いがあります。
小脳血管解離のような血管の性状が問題である場合、頭部CT検査でははっきりと所見を確認することは困難であり、頭部MRI検査・頭部MRA検査・頭部血管造影などの検査が必要となります。
一方で、小脳血管解離から脳出血に進行すれば頭部CT検査で明瞭に所見が出現するため、比較的診断も容易です。
両者には症状や診断法で違いがあることを知っておきましょう。

まとめ

今回の記事では、小脳血管解離と脳出血の関係と原因について詳しく解説しました。
外傷性や医原性によって椎骨・脳底動脈が損傷すると、脳梗塞や脳出血・くも膜下出血など二次的な脳血管障害を招く可能性があるため注意が必要です。
椎骨・脳底動脈は小脳や脳幹(中脳・橋・延髄)などの重要臓器を栄養しているため、椎骨・脳底動脈における血管の解離が招く神経症状は決して侮れません。
また、小脳血管解離のみであれば頭痛や頸部痛などの限局した症状で済みますが、脳出血などに至れば脳血流は低下し、場合によっては重篤な神経学的後遺症を残すことになります。
脳や神経組織は一度障害されると基本的に再生しにくい臓器と考えられているため、重い後遺症ほどその後の生活に与える影響も大きいです。
一方で、これらの脳や神経組織の損傷に対しては「ニューロテック®」と呼ばれる『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』も盛んです。
ニューロテックメディカルでは、脳脊髄損傷部の治る力を高める治療『リニューロ®』を提供しています。
神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「再生医療×同時リハビリ™」によって、これまで根治できなかった後遺症からの改善・再生が期待できます。

Q&A

小脳から出血するとどうなるのか?
小脳は運動をスムーズに実行したり、姿勢のバランスを整えるような役割を担います。
そのため、小脳から出血すると運動失調や小脳性めまいなどの症状が出現します。
また嘔吐や歩行障害などの症状も出現するため注意が必要です。

小脳がやられるとどうなる?
小脳がやられると、発症初期は手指の振戦や歩行障害などの手足の症状が主です。
しかし、症状が悪化すると意識状態も悪化し、最悪近くに位置する脳幹が圧迫されれば呼吸停止が生じるリスクもあります。



貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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