脳卒中予防に効果があると考えられているハーブ5選 | 脳梗塞・脊髄損傷後遺症の幹細胞治療|ニューロテックメディカル

脳卒中予防に効果があると考えられているハーブ5選

           

投稿日:
読み終わる時間は約 3


この記事を読んでわかること

イチョウ葉エキスには脳血流を改善し、記憶機能をサポートする可能性があることがわかる。
カモミールにはストレス緩和や高血圧予防に役立つ鎮静作用があることがわかる。
バコパモニエラなどのハーブは、記憶力向上や不安軽減に効果が期待されるが、副作用や注意点もあることがわかる。


脳卒中の予防に効果があるハーブとして、幾つかのものが知られています。
本記事では、イチョウ葉、カモミール、レモングラスなど、脳の健康や血流改善に役立つとされるハーブの効果について、研究データをもとにわかりやすく解説します。
自然由来の成分に関心がある方、脳卒中予防を意識している方におすすめの内容です。

イチョウ葉|血流改善と記憶機能のサポート

イチョウ葉|血流改善と記憶機能のサポート
イチョウ葉のエキスには、心臓血管障害や脳機能不全の治療、予防に効果があるとされ、栄養補助食品として使用されています。
これらの作用には、フラボノール(ケルセチン類、ケンフェロール類・イソラムネチン類)と、テルペンラクトン(ギンコライド類、ビロバライド)が関係していると考えられています。

イチョウの葉から抽出されたエキスはEGbと呼ばれており、イチョウフラボノイドとテルペンラクトンの2つの有効成分が含まれています。

そして、イチョウエキスには脳血流を増加させる作用が示唆されています。
小規模な研究ではありますが、実際に、60歳前後の健康な男性9名に対し、EGbを1日2回、4週間服用してもらい、その前後にMRIを撮影して脳血流量を測定しました。
研究の結果、EGb投与後に左頭頂後頭葉白質において軽度のCBF上昇が認められました。

認知障害のある高齢者においてはどのような結果になるのか、臨床応用に向け、今後の研究結果に期待が待たれるところです。
また、イチョウエキスによる認知機能改善効果があるかどうかについても研究がなされています。
アルツハイマー病のマウスを用いた実験では、イチョウエキス(EGb761)は記憶障害に対して保護的な役割を果たしていると結論付けられました。

カモミール|ストレス・高血圧を穏やかに抑える鎮静ハーブ

カモミール|ストレス・高血圧を穏やかに抑える鎮静ハーブ
カモミールは、キク科の植物で、ジャーマンカモミールとローマンカモミールという2種類が一般的な品種です。
カモミールの乾燥した花には、薬効成分となる多くのテルペノイドとフラボノイドが含まれています。

なお、テルペノイドとは、植物や菌類、昆虫などに幅広く存在している、天然有機化合物群のことです。

カモミールはお茶などで安全かつ手軽に摂取することができます。
伝統医学の分野でも古くから使われており、カモミールティーやエッセンシャルオイルアロマセラピーなどのカモミール製剤は、不眠症の治療や鎮静効果をもたらすものとして使われてきました。
カモミールは、穏やかな精神安定剤や睡眠誘発剤として広く知られています。
脳のベンゾジアゼピン受容体に結合するフラボノイドであるアピゲニンによって、鎮静作用がもたらされるのではないかと考えられています。
カモミールオイルの蒸気を吸入すると、 ストレスによる副腎皮質刺激ホルモンの上昇が抑えられることが示されました。

つまり、カモミールによってストレス反応が抑えられているのではないかということです。
また、カモミール抽出物には、抗高血圧作用があることも知られています。
カモミールの成分によって、アンジオテンシン変換酵素(ACE)活性が低下し、血圧や心拍数の低下がもたらされるのではないかと考えられています。
慢性的な炎症と酸化ストレスは高血圧の発症に関与しています。
そして、高血圧は心臓の肥大を誘発します。
カモミールの成分の一つであるアピゲニンを投与することで、血圧と心拍数が低下したことがわかりました。
アピゲニンによる、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸酵素(NADPH)酸化酵素依存性活性酸素や、炎症メカニズムの調節を介し、降圧剤として作用することがわかりました。

レモングラス|利尿作用と塩分排出で血圧ケア

レモングラスは、民間療法では高血圧の治療に持ちいられることも多いハーブです。
レモングラスの主要な成分は、シトラールというものです。
シトラールとレモングラスは、ともに体外血管拡張作用を示します。
血管内皮細胞の血管拡張因子の分泌を促進し、血管平滑筋におけるカルシウムチャネルの遮断を促進します。
また、シトラールには心拍数の低下作用もあります。
また、レモングラスに含まれるサポニンという化合物は、ナトリウムが尿中に排出されることを促進する働きがあるのではないかと考えられています。
こうした作用によって、血圧を下げる効果があると考えられています。

ローズマリー|抗酸化で脳の老化対策にも◎

ローズマリーは、地中海の沿岸やヒマラヤ山脈以南の地域に生息する、常緑の低木です。
民間療法では、軽度の鎮痛薬などとして、肋間神経痛や頭痛、片頭痛、不眠症、情緒不安定、うつ病の治療に用いられてきました。
ローズマリーには、抗菌作用や抗炎症作用、抗酸化作用、抗腫瘍作用に加え、神経保護作用や抗アポトーシス作用があることも知られています。
アルツハイマー病は、遺伝的なリスク因子と環境的リスク因子の相互作用によって起こる病気で、脳内にアミロイドβが沈着し、それが活性酸素を生成するために神経細胞にダメージを与えます。
ローズマリーには、こうしたアルツマイマー病患者の認知機能を改善する可能性があることが示唆されており、ひいては脳の老化対策にも役立つ可能性があります。

バコパモニエラ(記憶系ハーブ)|インド伝承薬から注目

バコパモニエラというハーブは別名ブラーフミーといいます。
アーユルヴェーダ医学で頻繁に使われる植物で、記憶力の向上や不眠症の治療薬、抗てんかん薬、抗不安薬として使われています。
このハーブを使用することで、言語学習や記憶の獲得、不安の軽減につながるとされています。
トリテルペノイドサポニンという成分が効果を発揮すると考えられています。
最も一般的な副作用は、消化器系の症状で、排便回数の増加や吐き気などがあります。
バコパモニエラの使用には注意点もあります。
消化器症状(排便回数の増加、吐き気など)や、特定の薬剤との相互作用に注意が必要です。
特に、甲状腺疾患がある人や甲状腺ホルモンの薬を内服している人は、慎重に使用、または使用を避ける必要があります。

まとめ

今回の記事では、脳卒中の予防につながる効果があると考えられているハーブについてご紹介しました。
こうしたハーブの使用を含め、健康的な生活を送り、脳卒中の予防に努めましょう。
万が一脳卒中を発症してしまい、手足の麻痺などの後遺症が残ってしまった場合、ニューロテックメディカルなどが提供している、「同時刺激×神経再生医療®」などの方法が有効な場合があります。
後遺症が残った場合でも、あきらめずに新たな治療法を検討することが大切です。
ご興味がある方は、ぜひ一度HPをご覧ください。

よくあるご質問

バコパモニエラの効果は何ですか?
バコパモニエラは、集中力や思考力を高めたいときに用いられるハーブで、特に精神的な疲労感の軽減や学習効率の向上が期待されています。
脳の働きを穏やかに支える植物として注目されています。

ローズマリーにはどんな危険性がありますか?
ローズマリーには抗酸化作用といった良い効果もありますが、過剰に摂取すると、吐き気や血圧上昇、けいれんなどのリスクがあるとされています。
妊娠中の方や持病がある方は、使用量や形態に注意が必要です。

    脳卒中・脊髄損傷のご相談
    3ステップで簡単フォーム

    • お名前
    • Email・TEL
    • 年齢・内容

    お名前をご記入ください


    • お名前
    • Email・TEL
    • 年齢・内容

    メールアドレス

    電話番号

    ※携帯電話へショートメッセージでご連絡させていただく場合がございます。



    • お名前
    • Email・TEL
    • 年齢・内容

    年齢と地域の選択

    ご相談内容を入力

    送信前にプライバシーポリシー(別タブが開きます)を必ずご確認下さい。


    ※送信後にページが移動します。確認画面はありません。

    <参照元>
    1:イチョウ葉エキスに含まれるフラボノールおよびテルペンラクトンの薬物動態.ファルマシア.2014;50(7):692.:https://www.jstage.jst.go.jp/article/faruawpsj/50/7/50_692/_pdf/-char/ja
    2:Ge W, Ren C, Xing L, Guan L, Zhang C, Sun X, Wang G, Niu H, Qun S. Ginkgo biloba extract improves cognitive function and increases neurogenesis by reducing Aβ pathology in 5×FAD mice. Am J Transl Res. 2021 Mar 15;13(3):1471-1482. PMID: 33841671; PMCID: PMC8014356.:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8014356/
    3:Mashayekh A, Pham DL, Yousem DM, Dizon M, Barker PB, Lin DD. Effects of Ginkgo biloba on cerebral blood flow assessed by quantitative MR perfusion imaging: a pilot study. Neuroradiology. 2011 Mar;53(3):185-91. doi: 10.1007/s00234-010-0790-6. PMID: 21061003; PMCID: PMC3163160.:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3163160/
    4:Sah A, Naseef PP, Kuruniyan MS, Jain GK, Zakir F, Aggarwal G. A Comprehensive Study of Therapeutic Applications of Chamomile. Pharmaceuticals (Basel). 2022 Oct 19;15(10):1284. doi: 10.3390/ph15101284. PMID: 36297396; PMCID: PMC9611340.:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9611340/
    5:テルペノイド | 公益社団法人 日本薬学会:https://www.pharm.or.jp/words/post-28.html
    6:Srivastava JK, Shankar E, Gupta S. Chamomile: A herbal medicine of the past with bright future. Mol Med Rep. 2010 Nov 1;3(6):895-901. doi: 10.3892/mmr.2010.377. PMID: 21132119; PMCID: PMC2995283.:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2995283/
    7:Silva H, Bárbara R. Exploring the Anti-Hypertensive Potential of Lemongrass-A Comprehensive Review. Biology (Basel). 2022 Sep 22;11(10):1382. doi: 10.3390/biology11101382. PMID: 36290288; PMCID: PMC9598547.:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9598547/
    8:Ghasemzadeh Rahbardar M, Hosseinzadeh H. Therapeutic effects of rosemary (Rosmarinus officinalis L.) and its active constituents on nervous system disorders. Iran J Basic Med Sci. 2020 Sep;23(9):1100-1112. doi: 10.22038/ijbms.2020.45269.10541. PMID: 32963731; PMCID: PMC7491497.:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7491497/
    9:Bacopa monnieri – StatPearls – NCBI Bookshelf:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK589635/

    関連記事


    あわせて読みたい記事:脳血栓の原因から考える食生活と運動の重要性

    外部サイトの関連記事:コレステロール値を下げることで脳梗塞を予防する方法



    脳卒中・脊髄損傷のご相談
    3ステップで簡単フォーム

    • お名前
    • Email・TEL
    • 年齢・内容

    お名前をご記入ください


    • お名前
    • Email・TEL
    • 年齢・内容

    メールアドレス

    電話番号

    ※携帯電話へショートメッセージでご連絡させていただく場合がございます。




    • お名前
    • Email・TEL
    • 年齢・内容

    年齢と地域の選択

    ご相談内容を入力

    送信前にプライバシーポリシー(別タブが開きます)を必ずご確認下さい。




    ※送信後にページが移動します。確認画面はありません。


    PROFILEこの記事の監修
    貴宝院 永稔
    貴宝院 永稔 医師
    (大阪医科薬科大学卒業)
    • 脳梗塞・脊髄損傷クリニック 総院長
    • 日本リハビリテーション医学会認定専門医
    • 日本リハビリテーション医学会認定指導医
    • 日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
    • ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

    私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
    リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
    このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


    再生医療の治療 各地クリニックの案内

    YouTubeチャンネル

    脳卒中や脊髄損傷など再生医療に関する情報はこちらでもご覧頂けます。
    脳卒中ラボ

    関連記事

    コメント

    この記事へのコメントはありません。

    ニューロテックメディカル・リハビリセンター

    ニューロテックメディカルリハビリセンター

    おすすめ記事

    (腰椎損傷 下肢不全麻痺|30代 MK様)

    最近の記事

    1. キネシンと神経再生の可能性:損傷神経の修復における分子モーターの役割

    2. 脳卒中予防に効果があると考えられているハーブ5選

    3. 遺伝性脊髄小脳変性症のマシャドジョセフ病について

    【再生医療×リハビリテーションの可能性】オンライン講演会 Vol.1

    クリニックのご案内

    脳梗塞・脊髄損傷クリニック

    ガイドブック無料ダウンロード

    ガイドブック無料ダウンロード

    脳卒中・脊髄損傷の後遺症の
           お悩みや治療のご相談
    お気軽にお問い合わせ下さい

    0120-955-573

    [電話受付]【月~土】9:00~18:00/日祝休