アテローム血栓性脳梗塞というドロドロ系動脈硬化|脳卒中・脊髄損傷|麻痺痺れなど神経再生医療×同時リハビリ™で改善

アテローム血栓性脳梗塞というドロドロ系動脈硬化

           

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この記事を読んでわかること

アテローム血栓性脳梗塞とは
アテロームと動脈硬化について
アテローム血栓性脳梗塞の後遺症


脳卒中は、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血に分けられます。
さらに脳梗塞は、ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、脳塞栓症に分けられます。
この記事では、脳梗塞うちアテローム血栓性脳梗塞に焦点を絞り、その特徴についてご紹介します。

アテローム血栓性脳梗塞とは

まず、アテロームとは何か、そしてアテローム血栓性脳梗塞とはどのような状態を指すかご説明します。

アテロームと動脈硬化

動脈は、酸素を豊富に含んだ血液を心臓から体の他の組織や器官に運ぶ柔軟な血管です。
動脈の内側には滑らかな内皮があり、血液の流れが妨げられないようになっています。
アテロームとは、大動脈や脳動脈、冠動脈などの比較的太い動脈に起こる動脈硬化です。
動脈の内膜にコレステロールなどの脂肪からなるドロドロした粥状物質がたまってアテローム(粥状硬化巣)ができ、次第に肥厚することで動脈の内腔が狭くなります。
そして、アテロームは、動脈の流れを妨げます。
動脈硬化とは、動脈がプラークで狭くなり、硬くなっているのが特徴です。

アテローム血栓性脳梗塞とは

脳梗塞は、脳に血液を送る動脈や脳内で活動する動脈が狭くなったり詰まったりすることで起こります。
心筋梗塞が心臓への血液や酸素の流れが不十分なために起こるのと同様に、脳梗塞は脳に十分な血液や酸素が行き渡らないために起こります。

脳梗塞の多くは、動脈硬化が原因です。
アテローム性動脈硬化症は、脂肪やコレステロールが動脈(血管)に蓄積し、動脈が狭くなることで起こります。
時間が経つと、狭くなった動脈が閉塞し、血流を完全に遮断してしまいます。

アテローム性脳梗塞の治療

脳卒中の治療では、時間が非常に重要です。
脳卒中を起こすと、平均して毎分200万個の神経細胞が死んでいます。
脳梗塞の治療は、以下のような処置を組み合わせて行います。

組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)の静脈内投与

症状が出てから4時間半以内に治療することができれば効果的です。
tPAは、血管内にできた血栓を溶かす作用があります。
通常、救急外来で患者さんの静脈に直接投与されます。

機械的血栓除去術

脳卒中の症状が出てから6時間以内に行うと効果的です。
鼠径部の大腿動脈にカテーテルを留置し、脳内の動脈にある血栓までカテーテルを移動させ、血栓を吸引する処置を行うことができます。

その他、以下のような治療もあります。

  • 抗血小板薬と抗凝固薬の投与
  • 動脈内での バルーン血管形成術
  • 頭蓋外および頭蓋内のステント留置術
  • バイパス手術

アテローム血栓性脳梗塞の後遺症

アテローム血栓性脳梗塞によってみられる症状と同じタイプの後遺症がみられます。
以下が、その例です

  • 片側のしびれや脱力感(手の脱力感から体全体の完全な麻痺までレベルはさまざま)
  • 顔面に力が入らず、唾液が口元から垂れる
  • めまい
  • 話すことが困難で、他人の話を理解できない
  • 嚥下障害など

症状からの回復は、脳への血流が遮断されている時間によって異なります。

脳への血流が数分から数時間以内に回復すれば、数時間から1日以内に急速に回復します。
血液の供給が途絶えた状態が長く続くと、脳の損傷はより深刻になります。
症状は何ヶ月も続くことがあります。
当然、リハビリが必要な場合もあります。
場合によっては、永久的に後遺障害が残ることもあります。

アテローム血栓性脳梗塞の危険因子

動脈硬化アテロームはどの動脈にも発生する可能性がありますが、最も危険なのは心臓、腕、脚、脳、骨盤、腎臓などの中〜太い動脈で、不健康な食事をした後に突然発生するものではありません。
アテロームは子どもの頃から長年にわたって蓄積されていきます。

アテロームとそれが引き起こす動脈硬化の正確な原因は完全には解明されていません。
しかし、研究者たちは、内皮に繰り返し損傷を与えて炎症を起こした後に、アテロームが発生するのではないかと考えています。

この傷は、遺伝的要因と生活習慣の両方によって生じると考えられています。
損傷が起こると、その傷に反応して体は白血球を患部に送り込みます。
これらの細胞は脂肪やコレステロールを引き寄せ、動脈瘤の成長を促す働きをすることが知られています。
動脈壁を傷つける原因となるものには、つまりアテローム性動脈硬化症の危険因子には、以下のようなものがあります。

  • 高コレステロール血症(脂質代謝異常症)
  • 高血圧
  • 喫煙
  • 糖尿病
  • 肥満
  • 身体活動の低下
  • 飽和脂肪の多い食事
  • 年齢
  • 性別(男性と閉経後の女性はリスクが高いと言われています

アテローム血栓性脳梗塞の再発予防

アテローム血栓性脳梗塞の原因となる動脈硬化を促進する、すべての危険因子をコントロールすることはできませんが、いくつかはコントロールできます。

◆ 禁煙する
禁煙した人は、禁煙していない人に比べて、アテローム血栓性脳梗塞のリスクが半分になります。
さらに、元喫煙者は、現在の喫煙者よりも生還する確率が高いと言われています。
◆ 食生活を変える
脂肪は1日のカロリーの25〜35%以下に抑えましょう。
コレステロール値を上昇させる飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の摂取を控えましょう。
野菜や果物を意識して食べ、食物繊維の豊富な食品の摂取量を増やすことを心がけましょう。
◆ 運動量の増加などのライフスタイルの改善
毎日20分程度歩くだけでも構いませんので、定期的な運動を心がけます。
脳梗塞の影響で以前の生活ができなくなってしまった場合は、リハビリテーションを通して運動を心がけましょう。

まとめ

アテローム血栓性脳梗塞の特徴についてご説明しました。
生活習慣病が大きく関係している病気でもあることが、お分かりいただけたのでしょうか
日頃からの健康管理をすることが、何よりも大切だと言えるでしょう。

Q&A

アテローム型脳梗塞の原因は?
アテロームは動脈硬化性病変であるため、高血圧や糖尿病、脂質異常症や肥満などの要因により発生します。脆弱なアテロームがあるところに急な血圧変化などが起こるとアテロームが破綻し脳梗塞発生の原因となります。

外部サイトの関連記事:アテローム血栓性脳梗塞とは?


貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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