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失調性歩行の疾患とリハビリ

           

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この記事を読んでわかること

失調性歩行とは
失調性歩行をきたす疾患とは
失調性歩行に対する代表的なリハビリ


失調性歩行とは運動失調の1つです。
代表的な失調性歩行は「酔っ払いのように歩く酩酊歩行」「足の幅を広げて歩くワイドベース歩行」です。
しかし、失調性歩行がみられる疾患は小脳性によるものだけでなく、脊髄性、前庭迷路性、大脳性などもあります。
疾患によって失調性歩行の特徴が違うので、この記事で詳しく解説します。

失調性歩行とは

失調性歩行
失調性歩行は運動失調でみられる症状の1つです。
運動失調とは「運動麻痺や筋力低下はないが、円滑な動きができない状態」をいいます。
例えば、コップをとろうと思って手を伸ばすと震えたり、身体のバランスを保つことが難しくなり、立っている時や歩く時にふらつくなどの症状がみられます。
失調性歩行は手足を交互に動かしたり、身体の姿勢を保つことが円滑におこなえず酔っ払いのように歩いたり左右の足を交差させながら歩く(酩酊歩行)などが代表的です。

失調性歩行をきたす疾患

失調性歩行がきたす原因は4つに分類されます。

  • 小脳性
  • 脊髄性
  • 前庭迷路性
  • 大脳性

以下で分類ごとの疾患と主な症状について解説します。

小脳性

疾患
小脳梗塞・出血、脊髄小脳変性症、小脳腫瘍、小脳炎
主な症状
さまざまな動きで手や足、体幹を円滑にコントロールできない。
言葉をスムーズに発することができない。

脊髄性

疾患
脊髄症性脊髄症、脊髄腫瘍、変形性頸椎症、多発性硬化症
主な症状
「自分の手や肘、肩、膝などの関節がどのくらい曲がっているのか・どの場所に位置しているのか」という感覚(深部感覚)が阻害される。
また、目を閉じたまま立つことでふらつきが増大する。(ロンベルグサイン)

前庭迷路性

疾患
前庭神経炎、メニエール病、脳幹梗塞
主な症状
眼振があり、座る・立つ・歩くなどで姿勢を保つための平衡感覚が損なわれ、ふらつきがみられる。
また、目を閉じたまま立つことでふらつきが増大する。(ロンベルグサイン)

大脳性

疾患
前頭葉・頭頂葉・側頭葉の病変(脳外傷や腫瘍など)
主な症状
小脳性と似ているが、脳の病変部位(病巣)と反対側の手足にみられる。

【分類別】失調性歩行の特徴

失調性歩行は「酔っ払いのように歩く酩酊歩行」や「歩幅を広げて歩くワイドベース歩行」が取りあげられますが、分類ごとに歩き方に特徴があります。
以下で、分類ごとの失調性歩行を1つずつ解説します。

小脳性の失調性歩行

特に体幹のふらつきが強く、歩幅もバラバラでまっすぐ歩けない酔っ払いのように歩く(酩酊歩行)
または、足の歩幅を広げて体幹がふらつかないように歩く(ワイドベース歩行)

脊髄性の失調性歩行

足がどのくらい上がっているのかわからないため、足元をみながらバタバタと踵を踏みながら歩く

前庭迷路性の失調性歩行

左右の足が交差しながら歩く(千鳥足)

大脳性の失調性歩行

小脳性の失調性歩行とにている。
体幹のふらつきが強く、歩幅もバラバラでまっすぐ歩けない酔っ払いのように歩く(酩酊歩行)
または、足の歩幅を広げて体幹がふらつかないように歩く(ワイドベース歩行)

失調性歩行に対する代表的なリハビリ

失調性歩行に対する代表的なリハビリを紹介します。
代表的なリハビリは4つ。

  • フレンケル体操
  • 重りをつけて運動
  • 弾性緊縛帯をつける
  • 振動刺激併用の反復運動

以下で、1つずつ解説していきます。

フレンケル体操

フレンケル体操とは、正しい力加減で正しい動きができるように運動学習ができる体操です。
視覚情報をつかって120種類以上の運動を正しい動きができるまで反復して練習するのが特徴です。
例えば「寝た姿勢で目視しながら足を使って目標物にあて、正しい動きができたら膝を少し曲げた状態で目標物にあてる」というように段階付けができます。
さらに、寝た姿勢から座る・立つ・歩くというように難易度を調整することができるため、症状やレベルにあった運動を選択することができます。
フレンケル体操は、正しい動きができているのかを目視しながら反復して練習することで、失調性歩行でみられるふらつきなどを改善するための運動学習ができます。

重りをつけて運動

重りをつけての運動も失調性歩行に対して代表的な運動です。
重りをつけて運動する理由は、重りをつけることによって多くの感覚情報が脳に伝達されるからです。
例えば、重りをつけて歩くことで足が動く速さや方向、関節の動きなどの感覚情報を増やすことができます。
重りをつけて運動を反復することで、過剰な動きを抑制しながら正しい動きを学習することができます。

弾性緊縛帯をつける

弾性緊縛帯を腰部や股関節、膝関節など身体の中心に近い部分に巻くことで、ふらつきなどを減らした状態で運動することができます
その理由は、弾性緊縛帯を巻くことで過剰な動きを抑制することができるからです。
例えば、腰部に巻くことで体幹のふらつきを抑制することができます。
弾性緊縛帯をつかってリハビリを行うことで、過剰な動き・ふらつきなどを誘発することなく正しい動きでの運動学習が行えます。

振動刺激併用の反復運動

振動刺激併用の反復運動とは、パワーブレードに5~10分程度のったり、振動マッサージャーなどで関節や筋肉(腱)に対して振動刺激を加えた上で、同じ運動を抵抗を加えながら反復しておこなう運動のことです。
振動刺激併用の反復運動を行うことで筋肉(腱)から脳、脳から筋肉へと神経の伝達を促すことができます。
神経の伝達を促すことによって脳と筋肉の結びつきが活性化し、連動した動きがスムーズになります。
そのため、振動刺激併用の反復運動を行うことで過剰な動きやふらつきなどが減ることが期待できます。

失調性歩行と再生医療

脳などの機能が阻害されることによって円滑な動き(協調運動)が難しくなり失調性歩行が出現します。
失調性歩行が改善するのは、リハビリによって正しい動きを反復することで損傷部位の脳機能が、周辺の脳組織によって新たなネットワーク(神経伝達路)が作られるからです。
また、リハビリと同時に再生医療を行うことで、より改善がみこめる可能性が高くなります。
その理由は、再生医療とは脳や脊髄の治る力を高める治療だからです。
従来「脳細胞は再生しない」と言われていましたが、研究や医療技術が発展したことから再生医療で脳細胞が再生する可能性が出てきました。
同時刺激する神経再生医療』をリハビリと掛け合わせることで、とても効果的な治療が期待できます。
ニューロテックメディカルは、脳卒中・脊髄損傷の再生医療を専門としていますので、再生医療をご検討の方はお気軽にご相談ください。

まとめ

失調性歩行は疾患によって特徴が異なります。
そのため、疾患や症状に合わせて適切なリハビリを行なっていくことが必要です。
また、失調性歩行のリハビリでは正しい動きでの反復運動がもっとも効果的とされているため、早期からリハビリを開始し、集中して継続的に行なっていきましょう。

Q&A

運動失調の歩き方は?
運動失調とは、なんらかの原因でスムーズな運動が行えなくなってしまい、ぎこちない運動しかできなくなることです。
特徴的な歩き方として、足を左右に広く開く歩行や、足を高く上げて床に叩きつけるようにバタバタ歩く鶏足などが挙げられます。

失調性歩行の症状は?
失調性歩行の症状は、障害されている部位によって異なります。
小脳が障害されている場合は、足を左右に広く開く歩行になります。
脊髄が障害されている場合は、足を高く上げて床に叩きつけるようにバタバタ歩く鶏足歩行になります。

<参照元>
・小脳性運動失調のリハビリテーション医療ー体幹・下肢について
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/56/2/56_56.101/_pdf
・運動失調に対するアプローチ
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jkpt/14/0/14_1/_pdf
・感覚性運動失調に対してのリハビリテーションアプローチ
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/56/2/56_56.110/_pdf
・運動失調に対する重錘負荷が脳血流量へおよぼす影響
https://cir.nii.ac.jp/crid/1390282680552927872



貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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