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脳卒中の前兆と云われる黒内障とは?

           

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この記事を読んでわかること

黒内障とは
黒内障の原因と症状
脳卒中と黒内障の関係


目の前が急に真っ暗になるその症状はもしかしたら黒内障かも?
黒内障は脳卒中の前触れとしてて現れることで有名な症状です。
この記事では、そんな黒内障について解説します。黒内障は脳卒中に進行する危険のある症状で、すぐに症状が治ったからといって安心できるものではありません。少しでも心当たりのある方は病院の医師に相談しましょう。

黒内障とは

黒内障とは?
黒内障とは片方の目に流れこむ動脈に血栓という血の塊が詰まって一時的に虚血状態になってしまうことをいいます。
眼を栄養する血管が虚血状態になってしまうと、血液が眼に届かないので、片目が見えなくなってしまいます。
黒内障では、虚血状態になってしまっても、血栓が溶けて流れていくことで症状が回復するので、片目が見えない時間はおよそ数分から数十分と言われています。
このような血管の血流が血栓により減少してしまい一過性の神経障害が現れる病態を一過性脳虚血といい、黒内障も一過性脳虚血の症状のひとつです。

黒内障の原因

黒内障の原因としては、血栓が発症のトリガーとなることが多いです。
例えば、最も多い原因としては、頸動脈の動脈硬化が挙げられます。
動脈硬化した血管の一部が血栓となり、眼を栄養する動脈に詰まってしまうことで黒内障が現れるのです。
心臓から送られる血液は頸動脈を通って、脳や眼へと運ばれています。
血液の流れから考えても、頸動脈の動脈硬化から派生した血栓は眼の動脈に詰まってしまうことがわかりますね。

また、動脈硬化のリスク因子である高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙などの生活習慣も黒内障発症の原因とされています。
動脈硬化による血栓で血管が詰まってしまう以外には、眼動脈そのものが細く狭窄してしまうことや、心臓の病気などが原因になることもあります。

黒内障の症状

黒内障の症状は、「片目が、一時的に、見えなくなる。」ものです。
血管に血栓が詰まることが大部分の原因となるので、同時に両方の血管が詰まってしまうのは確率的にとても低いことは想像に難くないですね。
なので、基本的には片目にのみ症状が現れることが特徴的です。
そして、一度詰まってしまった血栓は数分から数十分で溶解して血液の流れが回復するので、一時的な症状という具合に説明できます。
見えなくなるという症状としては、視野の一部に黒い点が見えてきて、その領域が増えていくとうように感じられます。
黒内障黒内障の症状を経験した方の多くは「真っ暗になった」というようなお話をします。
(両目ともに見えない場合や症状が回復しない場合には、黒内障とは異なる緊急な病気が可能性もあります。その場合にも、すぐに病院の医師に相談するようにしてください。)

脳卒中と黒内障の関係

黒内障の原因の多くは頸動脈の動脈硬化であることをご説明しましたが、この動脈硬化は脳卒中の原因にもなる危険性があります。
頸動脈からは眼を栄養する動脈と脳を栄養する動脈へと分岐していきます。
黒内障では動脈硬化から剥がれた血栓が眼の動脈に詰まりましたが、一方で、脳の動脈に詰まってしまうと脳卒中となってしまうのです。
黒内障などの一過性脳虚血は症状が現れた人の中でも脳卒中になる可能性が高いです。
さらに、脳卒中を発症する人の多くは一過性脳虚血発症の2日以内に症状が現れることも研究により報告されています。

<参考文献>
JAMA
Short-term Prognosis After Emergency Department Diagnosis of TIA
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/193353

黒内障の治療

脳卒中と黒内障の関係性についてご説明しましたが、黒内障の治療方法も脳卒中にならないように予防することが第一の目的となります。
ここでは、黒内障を疑う患者さんに対して、どんな検査と治療をするのかをご説明します。

まずは、血栓の原因として最多の頸動脈についての検査を行います。
検査内容としては、MRIやMRA、頸動脈エコーを使って、頸動脈の動脈硬化がどの程度あるのかを評価します。
加えて、動脈硬化の原因になるような高血圧や糖尿病、脂質異常症などの基礎疾患の有無も検査します。

検査脳卒中になりそうな状態を評価したら、原因となりうるものへの治療を行います。
頸動脈の狭窄が軽度であれば、抗血小板薬や抗凝固薬を使って、血栓ができなくなるようにすることがベースの治療や、原因となる高血圧や糖尿病に対する薬物治療を行います。
狭窄が重度の場合には、カテーテルなどを使った血管の手術を検討することもあります。

まとめ

この記事では、黒内障の症状や脳卒中との関係性、そして、検査方法や治療方法についてまとめました。
黒内障は「脳卒中の前兆」とも呼ばれています。
症状がすぐになくなったからと言って、安心することはできないとても恐ろしい前兆です。
脳卒中になる前に、しっかりと検査・治療するためにも、症状に少しでも心あたりがある方はすぐに病院の医師に相談しましょう。

よくあるご質問

黒内障の原因は何ですか?
先天的に視力が障害される黒内障の原因は、様々なタイプの遺伝子異常であるとされています。後天的に一時的に視力が低下する一過性黒内障は、眼の血管が血栓などにより閉塞することが原因です。

黒内障の治療法は?
黒内障による視力低下は多くの場合一時的で、自然に視力が回復します。そのため視力に対する治療は必要としないケースが多いのですが、一過性黒内障は脳梗塞の前触れとも言える症状であるため、全身的な検査や治療が必要になります。

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あわせて読みたい記事:幹細胞治療による脳梗塞後遺症の軽減はできるのか

参考文献の記事:日本神経学会:特異な視覚異常発作を繰り返した一過性黒内障の 1 例



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貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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