若年性アルツハイマーにおける認知機能の低下とその影響|脳卒中・脊髄損傷|麻痺痺れなど神経再生医療×同時リハビリ™で改善

若年性アルツハイマーにおける認知機能の低下とその影響

           

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この記事を読んでわかること

若年性アルツハイマーの病態がわかる
若年性アルツハイマーによる認知機能低下の影響がわかる
若年性アルツハイマーに対する対策や予防法がわかる


若年性アルツハイマーは通常のアルツハイマー型認知症より症状の進行が急速であり、働き盛りの年齢で発症するため、生活に与える影響も大きいです。
認知機能の低下は家事や仕事を困難なものにし、家族にとってもさまざまな影響を及ぼします。
この記事では、若年性アルツハイマーにおける認知機能の低下とその影響について詳しく解説します。

若年性アルツハイマーで認知機能が低下するプロセスとその影響

若年性アルツハイマーで認知機能が低下するプロセスとその影響
若年性アルツハイマーとは、65歳未満で発症するアルツハイマー型認知症のことで、認知機能が低下するプロセスは通常のアルツハイマー型認知症と同じです。
そのプロセスは主に下記の2つです。

  • 神経細胞におけるβアミロイドが沈着
  • 神経細胞内における神経原線維変化

大脳皮質や皮質下灰白質において、神経細胞にβアミロイドと呼ばれる異常タンパクが沈着したり、細胞内における神経原線維変化が生じて、神経やシナプスが喪失されることで大幅な脳の萎縮や機能障害が生じます。
なぜこのような変性が生じてしまうのか、その病因は基本的に不明ですが、若年性アルツハイマーでは一部、遺伝的要因が指摘されています。
第1、12、14、19、21染色体上に位置する少なくとも5つの遺伝子座が発症に関与していることが最近の研究でわかっていますが、遺伝的要因を持たずに孤発性で発症するアルツハイマー型認知症がほとんどです。
では、発症するとどのような影響を及ぼすのでしょうか?
神経細胞の変性は記憶能力を司る側頭葉から始まるため、初発症状としては物忘れなどの記憶障害が多いです。
置いたものの位置がわからない、昨日食べた食事の内容が思い出せない、財布をどこかに置き忘れるなどの症状から始まり、進行すると徐々に自分の名前や誕生日を思い出せない、いわゆる見当識障害に至ります。
さらに症状が進行すると、側頭葉のみならず前頭葉など脳全体に萎縮を招き、人格の変化・遂行機能障害(何かを計画して実行に移す能力の低下)・言語能力の低下など、多彩な症状が出現します。
さらに、若年性アルツハイマーは通常のアルツハイマー型認知症と比較して症状が非典型的、かつ急速に進行することが知られており、注意が必要です。
ほとんどの場合で就労困難に陥り、最終的には発声や嚥下機能も低下し、歩行困難になることも少なくありません。

若年性認知症の認知機能低下に伴う生活の変化と対応策

若年性認知症の認知機能低下が生活に与える影響は甚大です。
記憶能力が低下することで財布や鍵を紛失したり、これまで問題なく行えていた料理ができなくなる、仕事の手順がわからなくなるなど、日常生活のありとあらゆるシーンに大きな影響を与えます。
さらに、自分で収納した通帳やお金の場所を忘れてしまうため、盗まれたと勘違いしてしまう、いわゆる「物盗られ妄想」は同居する家族にとっても厄介な症状です。
発症年齢が若年であればあるほど、症状の進行が早いことも知られているため、対応策としてはいかに早期発見し、症状の進行を食い止めるかに尽きます。
日本医師会によれば、若年性アルツハイマーの初期症状として下記のような症状が多く、早期発見の手掛かりとなります。

  • 昔のことよりも、最近のことが思い出せない
  • 時間や場所の見当がつかなくなる
  • モノや人の名前が出てこない
  • モノの置き場所や収納場所を忘れる
  • 同じ事を何度も尋ねる
  • 同時に2つ以上のことを考えられない
  • 些細なことで混乱する
  • 性格が頑固・自己中心的になる
  • 不安による不眠
  • これまでできていた家事や仕事の段取りがわからなくなる
  • 道に迷いやすくなる

このような症状がある場合、本人が自覚できないケースもあるため、同居人や家族が普段から注視しておくと良いでしょう。
症状を認めた場合、診断や早期治療のためにも極力早期に医療機関を受診することが重要です。

認知機能を維持するため日常的にやること

認知機能を維持するため日常的にやることは主に下記の3つです。

  • 規則正しい食生活
  • 定期的な運動習慣
  • 社会交流の維持

残念ながら、現時点で若年性アルツハイマーの発症を予防する方法は確立されていませんが、上記3つの方法は認知機能維持のために有用であると考えられています。
高血圧や糖尿病などの生活習慣病は認知症の発症と関連があるとされているため、生活習慣病の原因となるような暴飲暴食や塩分・糖質・脂質の過剰摂取は控えるべきです。
また、定期的な運動習慣は脳の活性化にもつながり、認知症の予防が期待できるため、できれば週に2、3日以上の運動習慣を身につけると良いでしょう。
最後に、人とのコミュニケーションの時間が脳を活性化させ、認知症を予防する効果があるとされています。
そのため、友人との会話や地域でのボランティアなど、高齢になっても他者との交流の場を意識して作っておくことが重要です。

まとめ

今回の記事では、若年性アルツハイマーにおける認知機能の低下とその影響について詳しく解説しました。
若年性アルツハイマーにおける認知機能の低下は、通常のアルツハイマー型認知症よりも進行が急速で、ほとんどの場合で就労困難になるため、発症した本人にも、その家族にも与える影響が大きいです。
さらに、一度発症すると機能を元に戻すことは困難であるため、現状では早期発見と内服による症状進行の抑制が主な治療です。
しかし、近年では再生治療が新たな治療法として非常に注目されています。
また、ニューロテックメディカルでは、「ニューロテック®」と呼ばれる『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』も盛んです。
「ニューロテック®」では、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しています。
また、神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「同時刺激×神経再生医療Ⓡ」によって、これまで困難であった認知機能の再生が期待できます。

よくあるご質問

若年性アルツハイマーの予防策は?
若年性アルツハイマーの予防法は確立されていませんが、規則正しい生活習慣を送ることが重要です。
バランスの良い食事摂取・定期的な運動・睡眠時間の確保などが良いとされています。

若年性認知症の治療法は?
若年性認知症の主な治療法は、コリンエステラーぜ阻害剤やNMDA受容体拮抗薬の内服です。
また最近では、βアミロイドを除去できるレカネマブと呼ばれる新薬も登場しています。

<参照元>
・厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/guidebook_1.pdf
・MSDマニュアル:MSDマニュアル
・日本医師会:https://www.med.or.jp/dl-med/people/plaza/345.pdf
・政府広報オンライン:https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201308/1.html#secondSection

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貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
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