発症から回復へ脳出血後の麻痺改善の道のり | 脳卒中・脊髄損傷|麻痺痺れなど神経再生医療×同時リハビリ™で改善

発症から回復へ脳出血後の麻痺改善の道のり

           

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この記事を読んでわかること

脳出血で麻痺が生じるメカニズムがわかる
脳出血後の麻痺に対するリハビリの内容がわかる
脳出血発症からの時期によるリハビリの違いを知れる


脳出血の後遺症の中でも麻痺は代表的な後遺症であり、歩行や体位変換などの日常動作に大きな影響を与えるため注意が必要です。
そこで、症状改善のためには脳出血発症早期から適切なリハビリテーションの実施が重要です。
この記事では、脳出血後の麻痺について、発症早期から回復までの道のりについて詳しく解説します。

脳出血と麻痺の関係

発症から回復へ脳出血後の麻痺改善の道のり
脳出血の代表的な後遺症として麻痺が挙げられます。
通常、人の運動は大脳皮質から指令が出て、内包後脚→中脳の大脳脚→延髄錐体→錐体交叉→脊髄→末梢の運動神経→筋肉の順に伝達され、最終的に筋肉が収縮することで可能となります。
しかし、この刺激の伝導路(これを錐体路と呼ぶ)のいずれかが障害を受けることで、筋肉は収縮を得られなくなり、麻痺が出現するため注意が必要です。
脳出血によって麻痺が生じる理由も、大脳皮質や中脳・延髄などの上位運動ニューロンが障害されるためです。
また、錐体交叉と呼ばれる部位で左右が反転するため、右大脳半球の脳出血なら左半身に、左大脳半球の脳出血なら右半身に麻痺が出現し、これを片麻痺と呼びます。

脳出血が引き起こす麻痺の効果的なリハビリ方法

脳出血が引き起こす麻痺への効果的なリハビリテーション方法は、発症からの時期によってその内容や目的も異なります。

  • 急性期
  • 回復期
  • 維持期

急性期

急性期とは、脳出血発症直後から2〜3週間後くらいまでの病状が不安定な期間です。
症状増悪を防ぐために安静を保つとともに、寝たきりやそれに伴う廃用症候群の予防、もしくは早期離床のためにリハビリテーションを実施します。
主なリハビリ内容は下記の通りです。

  • 関節可動域訓練:関節の可動域を保つために手足を動かし、拘縮を予防する
  • 離床訓練:全身の筋力低下を予防するために、起き上がる訓練
  • 摂食・嚥下訓練:嚥下に関わる筋肉の麻痺を認める場合に実施される

以前までは急性期は極力安静にすることが重要と考えられてきましたが、近年では発症から48時間以内にリハビリテーションを開始するのが予後にとって望ましいとされています。

回復期

回復期とは、脳出血発症から3〜6ヶ月くらいまでの期間です。
回復期は障害された神経ネットワークが最も効率よく再構築される時期であり、この時期にリハビリテーションを行うことで、自宅での生活に滞りなく戻ることを目指します。
主なリハビリ内容は下記の通りです。

  • 手の機能訓練や歩行などの下肢機能訓練
  • 日常の生活動作(入浴や排泄)の訓練

また、最近ではよりリハビリの効果を高めるために、神経筋電気刺激(NMES)や振動刺激(DAViS、FVS)、 反復経頭蓋磁気刺激法(rTMS)、ボツリヌス療法などをリハビリと併用する施設も増えています。

維持期

維持期とは、脳出血発症から6ヶ月以降の期間です。
維持期では、これまで行ってきたリハビリテーションを反復して行い、回復した機能の更なる改善や維持を目指します。
回復期までに行ったリハビリテーションに加え、さらに現実での生活に必要な動作の反復訓練などを行う点が特徴です。
リハビリ施設はもちろんのこと、自分自身で自宅で行うリハビリも含まれます。

脳出血後の麻痺と日常生活への適応

麻痺はその後のリハビリテーション次第で大きく改善する可能性もありますが、その機能が完璧に元に戻ることは非常に稀です。
若干の筋力低下や関節可動域の制限など、ある程度の後遺症は残ってしまいます。
一方で、復帰後に重要なのは日常生活にどれだけ適応できるか否かでしょう。
麻痺の予後については脳出血の部位や程度、年齢、健康状態、治療のスピードや質など、その人の状況によって大きく異なります。
より効果的な改善を目指すためにも、早期から適切な治療・リハビリテーリョンを実践しましょう。

まとめ

今回の記事では、脳出血における麻痺の発症から回復までの道のりについて詳しく解説しました。
脳出血後の麻痺に対しては現状リハビリテーションが非常に肝要であり、発症後48時間以内の急性期から取り組むことでより回復しやすいことが知られています。
急性期・回復期・維持期、それぞれの時期によってリハビリの内容や目的も異なるため、内容をしっかり把握して取り組むことが大切です。
また、最近では「ニューロテック®」と呼ばれる『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』も盛んです。
ニューロテックメディカルでは、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しています。
神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「神経再生医療×同時リハビリ™」によって、これまで完治の難しかった麻痺の更なる改善が期待できます。

よくあるご質問

麻痺はどうやって治すの?
麻痺の改善のためには現状、リハビリテーションの実施が最も効果的な治療法です。
発症のより早期からリハビリテーションを実施することで、筋力低下や関節可動域の拘縮を避けることができ、身体機能をより改善・維持できます。

片麻痺はどのくらいの期間で改善しますか?
最も神経機能が改善しやすい時期は、発症から3〜6ヶ月目の回復期です。
この時期は障害を受けた神経ネットワークが再構築されやすく、最も機能改善が見られやすい時期です。
逆に、回復期以降にどんなにリハビリを行っても症状が劇的に改善することはありません。

<参照元>
・J STAGE :https://www.jstage.jst.go.jp/article/sobim/31/4/31_4_201/_pdf
・鹿児島大学大学院:https://www3.kufm.kagoshima-u.ac.jp/rehabil/ipn-top/nousottyuu/

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貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
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