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疼痛の正しい読み方と基本的な意味

           

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この記事を読んでわかること

疼痛の正確な読み方
疼痛とはどのような症状か


疼痛は「とうつう」と読み、痛みとほぼ同じ意味であり体の危険を知らせる大切な感覚ですが、慢性的に続くと生活の質を下げるなどの問題を引き起こします。
この記事では、痛みのメカニズムや、治療などについて解説します。
さらに再生医療の可能性についても触れていきますので、ぜひ参考にしてみてください。

疼痛の正確な読み方

疼痛の読み方と意味
疼痛は、「とうつう」と読みます。
医学的な用語を定義する医学大辞典という辞書では、「痛み」と「疼痛」は同義とされています。
一方、一般的な辞典や広辞苑などでは、疼痛は「ずきずきとうずくような痛み」と定義されています。
「うずく」は疼痛の「疼く(うずく)」の意味を示すので、文字通りの意味を示しているといえます。
ただし、医学的には「痛み」と「疼痛」はほぼ同じ意味と考えても差し支えないでしょう。
「疼痛」という言葉の方が、「痛み」よりも医学的な用語として使いやすいという側面もあったのかもしれません。

疼痛とはどのような症状か

そもそも痛みとはどのようなものでしょうか。
痛みの定義は、「何らかの原因で組織の損傷が起こった際や、損傷が起こりそうなときに感じる、不快な感覚体験や感情体験のこと」とされています。
けがをした際には、全身に分布している、痛みを感じるセンサーが電気信号を発します。
これがいわゆる「痛覚」といわれるものです。
この信号は神経に沿って脊髄、脳へと伝えられます。
そして、痛みを認識するのです。
これが、痛いという感覚を得るメカニズムです。
痛みには、急性の痛み(急性疼痛)と、慢性の痛み(慢性疼痛)があります
慢性疼痛については、後ほど詳しく解説します。
痛みの原因には、大きく分けて以下の2種類があります。
痛みを感じる際には、これらのどちらか、あるいは両方が関与しています。

侵害受容性疼痛

けがをした際に、痛みの受容体(センサー)に直接刺激が加わることによる痛みです。
体の組織が傷つくことで引き起こされます。
急性の痛みの大半が、この侵害受容体疼痛です。

神経障害性疼痛

脳や脊髄、それ以外の末梢神経系が傷つくことで起こる痛みです。
具体的には、脊椎の腫瘍や椎間板の変性や破裂などで脊髄が圧迫されると、腰痛や脚に及ぶ痛みが生じます。
手首の関節で神経が圧迫されると、手の痛みが引き起こされます。
また、糖尿病による末梢血管の障害や帯状疱疹によって神経が傷つくと、傷ついた神経が司っている部位の痛みが発生します。
上記の侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛の2つが、単独の原因となり、または組み合わさることでもさまざまな痛みが生じます。
例えば、慢性腰痛やがん性疼痛(がんによって起こる痛みのこと)は、疼痛受容体が刺激され続けることで起こる侵害受容性疼痛ですが、その一方で神経の損傷によって起こる神経障害性疼痛の場合もあり、複雑になっています。
慢性疼痛とは、「治癒に要すると予測される時間を超えて持続する痛み、あるいは進行性の非がん性疾患に関連する痛み」と定義されます。
以下のような特徴を持ちます。

  • 3ヶ月間を超えて持続もしくは再発する
  • 急性の組織損傷の回復後、1ヶ月を超えて持続する
  • 治癒に至らない病変に伴う

慢性疼痛では、痛みの原因は治癒したにも関わらず、痛みが残ります。
そのため、病態が複雑になり、心理的な要因も痛みの原因となってしまうのです。
慢性疼痛の治療法としては、薬物療法や理学療法、神経ブロック療法、認知行動療法、リハビリテーションなどを組み合わせた集学的治療を行います。
そして、痛みの程度の改善にとらわれることなく日常生活を改善させることを目標とします。
最近では、自己脂肪由来幹細胞を用いた慢性疼痛治療も開始されており、その効果が期待されるところです。

まとめ

痛みは身体を守るために必要な感覚ではありますが、慢性疼痛という状態になると生活の質が下がるなど悪影響をもたらします。
当院では、脳卒中や脊髄損傷、神経障害の後遺症改善を専門として、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療リニューロ®という再生医療を行っています。
この方法では、同時刺激×神経再生医療®でより高い効果を目指しています。
慢性疼痛の後遺症にお悩みの方も、ぜひ一度当院までご相談くださいね。
損傷を受けた神経細胞を再生医療により回復させながらリハビリを行うことで、将来的には慢性疼痛のコントロールのみならず、痛みの消失などの回復も望まれます。
ご興味のある方は、一度ぜひお問い合わせください。

よくあるご質問

疼痛とはどういうことですか?
疼痛は、痛みとほぼ同義です。体に何らかの損傷が起こったこと、または起こった可能性があることを知らせる、不快な感覚のことを意味しています。痛みには、鋭い痛みや鈍い痛みなどの様々なものがあります。

疼痛と痛みの違いは何ですか?
疼痛と痛みは同じ意味として使われることが多いですが、痛みのことを、特に医学用語では「疼痛」と表現します。意味はほとんど同じですが、疼痛は「うずくような痛み」を表現することが多いようです。

<参照元>
Painの和訳-用語委員会からの提言.日本ペインクリニック学会誌.2009年16巻 4号 p. 505-508:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspc/16/4/16_09-164505/_article/-char/ja/
痛みの概要 – 09. 脳、脊髄、末梢神経の病気 – MSDマニュアル家庭版:https://www.msdmanuals.com/ja-jp/
2.医療用麻薬による慢性疼痛の治療方針 厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/yakubuturanyou/dl/iryo_tekisei_guide2017_02.pdf

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貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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