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しかし、リハビリテーションは単に機能を回復させるだけではなく、障害によって失った権利を取り戻し自分らしく生きるためにするのです。
病気や事故で障害を負ってしまった方は、機能を改善・維持するためにリハビリテーションが必要です。
このブログでは、リハビリテーションの理念や種類、当院が推奨している再生医療リハビリについてご紹介します。
リハビリテーションの理念とは
リハビリテーションというと、病院などの医療機関で行われる歩行訓練や発声訓練などをイメージする方が多いでしょう。
しかし、これらはリハビリテーションの一部分に過ぎません。
地域リハビリテーション支援活動マニュアルには、リハビリテーションは人権の問題であり、生まれながらにもっている人権が障害と社会制度や慣習、偏見等によって失われた状態から、本来あるべき姿に回復させる事と説明されています。
つまりリハビリテーションの理念とは、病気や事故などによって障害を抱えてしまった方が、再びその人らしく生きることができ、豊かな人生を送れるように支援していくことといえるでしょう。
リハビリテーションの分野や種類
リハビリテーションには「医学的リハビリテーション」「職業リハビリテーション」「社会リハビリテーション」「教育リハビリテーション」「リハビリテーション工学」という5つの分野があります。
それぞれの分野について簡単に説明します。
医学的リハビリテーションは基本的には3種類からなる
医学的リハビリテーションとは、日常生活に必要な基本的な能力の回復を目指し、病院などの医療機関で医療スタッフがチームを組んで行うリハビリテーションです。
当院では、幹細胞の神経細胞再生能力の効果をより高めることを目的とした再生医療リハビリを推奨しています。
リハビリテーションの内容は「理学療法」「作業療法」「言語療法」の3種類に分けられ、患者さんに合わせたリハビリが行われます。
理学療法は、運動や電気、熱などの物理的手段を用いて運動機能の改善・維持を目的に行われる治療です。
歩行訓練や筋力トレーニングなどの運動療法、電気刺激や低周波を発生させるリハビリ機器などを使う物理療法で治療を行います。
作業療法は、肉体的、精神的な障害を抱えている方がひとりで生活できるように、作業活動(着替える、入浴する、トイレに行く、買い物に行くなど)を用いて機能の改善・維持を図ることです。
理学療法が基本的な動作の改善・維持を目的にしていることに対し、作業療法は応用動作の改善・維持を目的とし、よりよい生活を送るためのリハビリといえます。
言語療法は「話す・聞く・物を食べる」といったことに障害を抱えている方に対して行う治療です。
構音訓練や発声訓練、誤嚥が起きないような食べ方、ジェスチャーを使ったコミュニケーションのとり方などの指導が行われます。
職業リハビリテーションは働きがいのある仕事への就職・維持への支援
職業リハビリテーションは、職業指導や職業訓練、職業紹介を通して、障害のある人が働きがいのある仕事に就きそれを続けることができるように支援することです。
仕事に就くための支援だけではなく、就労後の相談や職場との調整など働き続けられるように支援することまで含まれます。
社会リハビリテーションは社会生活力を高めること
社会リハビリテーションは、障害者が自分のニーズを満たすために社会で活用できるサービスを活用して、自立した人生を生きていくための力を高めるための支援です。
また社会の仕組みに問題がある場合は、仕組みそのものの調整を行うようにします。
内容は、障害者に優しい街づくり、障害者の自立や生活支援するための施設や制度の確立などです。
教育リハビリテーションは障害者への総合的な教育
障害がある方の能力を向上させ、社会で幸せな生活が送れるように支援することです。
障害者への総合的な教育を指し、障害児教育や特殊教育、特別支援教育とほぼ同義であると考えられています。
リハビリテーション工学は障害者への工学的な支援
リハビリテーション工学は、障害者が使う義肢の開発、障害者が住みやすい住宅、交通機関のバリアフリー化など工学的支援をすることです。
当院の脳卒中や脊髄損傷を専門とした再生医療リハビリ
障害を持った方は、失われた機能を改善させるためにリハビリが必要です。
しかし、脳卒中や脊髄損傷などによって傷ついた神経回路や脳細胞は、リハビリをしただけでは完全に回復することは稀です。
また年齢をとるにしたがい、自分を治す力は急激に弱くなってしまいます。
しかし、再生医療で損傷を受けた脳や神経を再生し易い下地作りをしてあげることが出来れば、リハビリにより大きな機能改善が期待できるようになります。
当院では、脳卒中や脊髄損傷の後遺症改善を専門とした再生医療とリハビリを組み合わせる新しい複合治療法「ニューロテック®」を行っています。
再生医療として骨髄由来幹細胞点滴と臍帯由来サイトカインカクテル療法を行ったあと、電気刺激法、反復運動療法、ロボット療法といった先進リハビリテーションを行います。
脳や神経に刺激を与え、神経細胞再生能力の効果をより一層高めることを目的としている治療法です。
まとめ
リハビリテーションとは、「自分らしく生きる」「人間らしく生きる権利の回復」そのために行われる活動のことです。
リハビリテーションの意味や分野、種類などについてご紹介してきました。
機能回復を目的としたリハビリテーションだけではなく、職業、社会福祉、教育分野におけるリハビリテーションが非常に重要です。
それには、医師(MD)、看護師(NS)、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)のようなリハビリテーション専門職、職場、社会、工学分野、さまざまな職種の方々の関与が必要になりますし、さらに、ボランティアや家族の方々の支えもとても大切になります。
つまり、リハビリテーションとは広義でいうと、患者さん個々の努力だけでなく、医療者、社会全員で取り組んでいくべき活動であると言えるのです。
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