この記事を読んでわかること
・手術が必要な場合の外科的治療とその効果
・リハビリと薬物療法の非外科的治療の可能性
・再生医療とリハビリで回復を目指して期待できるのか?
この記事では腰椎脊柱管狭窄症の痺れと麻痺を和らげる最新治療法とはについて解説します。
腰椎脊柱管狭窄症治療は、薬物療法やリハビリなどの保存療法と手術療法が基本となっているのが現状です。
最新治療法として、再生医療や遺伝子治療などの研究も進められており、将来的により効果的な治療法となる可能性があります。
手術が必要な場合の外科的治療とその効果
この記事では手術が必要な場合の外科的治療とその効果について解説します。
腰椎脊柱管狭窄症の外科的治療は、保存療法(薬物療法やリハビリなど)によって症状が改善せず、日常生活に支障を来している場合に検討されます。
治療内容として、神経を圧迫している骨や軟骨を除去して、狭くなった脊柱管を拡げ、神経の圧迫を取り除く「除圧術」が中心となります。
除圧術には、従来の開放手術に加え、最近では、小切開で手術を行ったり、内視鏡を使用したりする低侵襲手術が主流になりつつあります。
いずれの手術も、傷が小さいため、回復が早い利点があります。
また、除圧術に加えて、「固定術」が行われることがあります。
固定術は、神経を圧迫している部分を広げるだけでなく、脊椎の安定性を高めることを目的とした手術です。
陰圧術のみでは脊椎が不安定になる場合や脊椎のすべり症を伴う場合に必要となります。
手術の効果としては、痛み、痺れ、麻痺などの症状が改善し、歩行距離が伸びるなど、日常生活の質の向上が期待できます。
しかしながら、手術には、感染や出血のリスクが伴いますので、担当医から十分な説明を受けて納得のうえ治療を受けることが大切です。
リハビリと薬物療法の非外科的治療の可能性
この記事ではリハビリと薬物療法の非外科的治療の可能性について解説します。
腰椎脊柱管狭窄症治療は、多くの場合、まずは非外科的な治療が選択されます。
代表的な治療がリハビリと薬物療法です。
リハビリでは、腰部や下肢の筋力を強化し、柔軟性や体幹の安定性を高めることで、神経への圧迫を緩和し、痛みや痺れの軽減を図ります。
具体的には、理学療法士の指導のもと、ストレッチ、運動療法、体幹トレーニングなどが行われます。
れらのプログラムにより、筋肉の柔軟性が向上し、椎間板や椎骨の負担を軽減することで、症状の進行を抑えることが可能となります。
薬物療法は、痛みや炎症を抑えるために行われます。
非ステロイド性抗炎症薬や筋弛緩薬が処方されます。
非ステロイド性抗炎症薬は、痛みや炎症を抑制します。
筋弛緩薬は筋肉の緊張を緩める他に、リハビリの効果をより高める目的でも使用されます。
ただし、これらの治療は、症状の軽減や進行抑制を目的としており、脊柱管の狭窄を解消する根本的な治療ではありません。
したがって、非外科的治療を続けながら、症状の改善を慎重に評価し、必要に応じて次のステップを検討することが重要です。
再生医療とリハビリで回復を目指して期待できるのか?
この記事では再生医療とリハビリで回復を目指して期待できるのか?について解説します。
再生医療とリハビリを組み合わせた治療アプローチは、今後の回復ケアの治療選択肢として期待されています。
再生医療は、幹細胞治療や成長因子の注入により、損傷した組織や神経の修復を促進し、症状の改善が期待できます。
現在、再生医療は確立した治療ではありませんが、早期段階においては、神経の圧迫による痛みや麻痺が緩和される可能性が示されています。
再生医療にリハビリを組み合わせることで、再生医療の効果を最大限に引き出すことが期待できます。
リハビリにより、再生された組織の修復が促進され、同時に運動機能の改善が早期に得られる可能性が高いからです。
また、重症な症例を除き、手術をせずに治療を進めることも可能となるでしょう。
長期的には、症状の再発を予防し、日常生活の質の向上も図れるでしょう。
でも、注意点があります。
まず、再生医療は、保険適用外の治療法のため、高額な費用がかかる場合があります。
また、安全性がまだ十分に確立されていない、症状の改善効果に個人差がある、などの問題点もあります。
腰椎脊柱管狭窄症の痺れと麻痺を和らげる治療のまとめ
今回の記事では、腰椎脊柱管狭窄症の痺れと麻痺を和らげる最新治療法とはについて解説しました。
腰椎脊柱管狭窄症は進行性の疾患のため、これまでの治療では期待された改善を認めない患者さんもおります。
そのため、腰椎脊柱管狭窄症に対する再生医療は、従来の薬物療法、外科的治療、リハビリに加えた、新たな選択肢をもたらす可能性を秘めています。
加えて、再生医療は盛んに研究されている現状です。
脳や脊髄の損傷に対して、「ニューロテック®」と呼ばれる「神経障害が治ることを当たり前にする取り組み」も盛んです。
ニューロテックメディカルでは、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しております。
さらに、神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「神経再生医療×同時リハビリ™」があります。
これらの治療法は、脊柱管狭窄症の症状に苦しむ患者さんにとって、期待が持てる治療となるでしょう。
よくあるご質問
- 腰部脊柱管狭窄症の治療法は?
- まず保存療法として薬物療法やリハビリが中心となります。
効果が不十分な場合は手術が検討されます。
手術として、内視鏡を用いた低侵襲手術や神経周囲の血流を改善する方法が注目されています。
治療法は、患者さんの症状の程度や病態によって異なります。 - 腰部脊椎管狭窄症は完治しますか?
- 完治はなかなか難しいのが現状です。
原因として、脊柱管が狭くなる要因として、加齢による変性、先天的な骨の形状などの個人的要素があるため、根本的な原因を取り除くことが困難なためです。
また、進行性の疾患のため、狭窄を広げても再狭窄となることがたびたびあるためです。
<参照元>
・オムロンヘルスケア:https://www.healthcare.omron.co.jp/pain-with/back-pain/lumbar-canal-stenosis/
・MSDマニュアル:https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/06-%E7%AD%8B%E9%AA%A8%E6%A0%BC%E7%B3%BB%E7%96%BE%E6%82%A3%E3%81%A8%E7%B5%90%E5%90%88%E7%B5%84%E7%B9%94%E7%96%BE%E6%82%A3/%E9%A0%B8%E9%83%A8%E7%97%9B%E3%81%8A%E3%82%88%E3%81%B3%E8%83%8C%E9%83%A8%E7%97%9B/%E8%85%B0%E9%83%A8%E8%84%8A%E6%9F%B1%E7%AE%A1%E7%8B%AD%E7%AA%84%E7%97%87?ruleredirectid=465
・日本医療研究開発機構:https://www.amed.go.jp/news/release_20220419-02.html
あわせて読みたい記事:脊柱管狭窄症による下肢筋力低下の5つの落とし穴や3つの真実と対策
外部サイトの関連記事:脊柱管狭窄症治療で手術後の麻痺をどう克服するか
コメント