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放線冠に起きる脳梗塞の症状と治療

           

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この記事を読んでわかること

脳にある放線冠とは
放線冠に起きる脳梗塞
放線冠梗塞の治療と後遺症


脳の血流が乏しくなり起こるのが脳梗塞ですが、脳の中には多数の血管が張り巡らされているため、脳梗塞は脳の様々な部位に起こります。
脳梗塞が発生する部位により症状が変わり、残りやすい後遺症が異なります。
脳梗塞が発生する頻度が高い部位に、放線冠という場所があります。
この記事では放線冠に起きる脳梗塞の症状とその治療について解説します。

脳にある放線冠とは

脳梗塞イラスト
放線冠というのは、脳の表面にある「大脳皮質」よりも少し内側に入ったあたりの場所を指します。
放線冠では、大脳皮質から伸びる神経線維が扇のように放射状に走っています。
放線冠は大脳から発生した運動の指令を脊髄に運ぶための重要な経路を構成しています。
この経路のことを「錐体路」と呼び、自分の意思で体を動かす事に欠かすことのできない場所です。
大脳から伸びる錐体路は延髄の下部で交叉(錐体交叉といいます)して、左右が入れ替わります。
右の大脳から発せられた運動の指令は体の左半分を動かす指令となるのです。

放線冠に起きる脳梗塞

放線冠は脳梗塞が起きる頻度が高い場所で、脳梗塞患者さんのうち9.4%は放線冠梗塞だったという報告があります。
放線冠に脳梗塞が起きると、錐体路が障害されるため体の運動に関する症状が発生します。
左右両側の放線冠が侵されるのはまれで、多くの場合片側です。
錐体交叉があるため右の放線冠に脳梗塞が発生すると、左半身の運動麻痺が発生します。
顔の左半分の動きが悪くなり、左手・左足の麻痺が起こります。
梗塞の大きさにより麻痺の程度や範囲は異なります。
脳梗塞が広範囲であるほど麻痺の範囲は広くなり、生活への影響は大きなものとなります。

放線冠梗塞の治療と後遺症

放線冠梗塞の急性期治療は、一般的な脳梗塞治療と同様です。
発生してから4.5時間以内であればt-PA治療という方法を、8時間以内であれば血管内治療を受けられる可能性があります。
血流が早期に再開すれば、症状が改善しそれほど後遺症を残さずにすむ場合もあります。
しかし早期治療が困難である場合や治療が遅れた場合、脳梗塞の範囲が大きい場合などでは症状が改善せず後遺症として残ります。
放線冠梗塞で残りやすいのは体の運動麻痺であり、半身麻痺です。
立位や歩行など生活の基本的動作に及ぼす影響が大きい症状であり、「痙縮」という痛みを伴うつらい症状となることもあります。
後遺症による症状を軽くするためには、リハビリテーションが重要です。
筋肉の過緊張をできるだけ抑えて、関節の可動域を維持します。
麻痺がある状況でどのように生活するかという点に着目し、移動を補助する道具(車いすや歩行器、杖など)の使用を練習し、手すりをつけるなど環境を調整します。

放線冠梗塞に対する再生医療

脳梗塞によって障害された放線冠の神経細胞は、元通りに回復することはありません
発症後間もないうちは自然の回復力や、周囲の神経が代わりに機能するなどの要因によってある程度の回復が見られます。
それでも残る症状は後遺症となり、生涯付き合わなければならない症状となるのです。
神経そのものを完全に治療する方法は現状ありません。
しかし少しずつその段階に近づいていると言えるのが、再生医療です。
再生医療では神経の元になる細胞(幹細胞)を使用して治療を行います。
体内に移植された幹細胞は増殖・成長する際に神経を保護する物質を分泌します。
また幹細胞は神経に成長し、その場で神経として機能するようになることが期待されています。
ニューロテックメディカル株式会社では、「ニューロテック®」として脳卒中・脊髄損傷・神経障害などに対する幹細胞治療の基盤特許を取得しており、再生医療の効果を高める取り組みを行っています。
放線冠梗塞に対しては、再生医療と最先端のリハビリテーションを組み合わせることで最大限の機能回復を達成できると考えています。
放線冠梗塞の症状にお悩みの患者さんやご家族の方は、ぜひご相談ください。

まとめ

脳梗塞の一種である放線冠梗塞について、解説しました。
運動麻痺は脳梗塞の代表的とも言える症状で、生活への影響が大きい症状です。
早期発見、早期治療が重要であり、後遺症が残る場合はリハビリテーションや再生医療の効果が期待されます。

よくあるご質問

放線冠って何?
放線冠は大脳皮質から伸びる神経線維が放射状に並んだ場所で、運動の指令を伝える大事な働きを持っています。脳梗塞が発生する頻度が高く、脳梗塞全体の約1割を占めるとされています。

放線冠梗塞の症状は?
放線冠は運動の指令を伝える「錐体路」を構成しているため、梗塞が発生すると錐体路障害が起こります。右側の放線冠に障害が起きれば左半身に、左側の放線冠に障害が起きれば右半身に麻痺が起こります。

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    <参照元>
    ・「放線冠梗塞による純粋運動麻痺の臨床・放射線学的検討」脳卒中31(4), 2009
    https://www.jstage.jst.go.jp/article/jstroke/31/4/31_4_227/_pdf/-char/ja

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    PROFILEこの記事の監修
    貴宝院 永稔
    貴宝院 永稔 医師
    (大阪医科薬科大学卒業)
    • 脳梗塞・脊髄損傷クリニック 総院長
    • 日本リハビリテーション医学会認定専門医
    • 日本リハビリテーション医学会認定指導医
    • 日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
    • ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

    私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
    リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
    このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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