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植え込み型心電形移植術の役割と効果

           

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この記事を読んでわかること

心原性脳塞栓症の原因や発生機序がわかる
ICDの適応や原理がわかる
ICDとペースメーカーの違いがわかる


脳梗塞の中でも予後の悪い心原性脳塞栓症の主な原因は心房細動をはじめとする不整脈疾患です。
不整脈疾患に対しては主に薬物療法や、カテーテルアブレーション、さらにはICDをはじめとするデバイス療法が主に実施されています。
そこで、この記事では植え込み型心電形移植術(ICD)の役割と効果について詳しく解説します。

心原性脳塞栓症の理解と予防

心原性脳塞栓症の理解と予防
脳梗塞は病態によって大きく下記の3つに分類されます。

  • ラクナ梗塞
  • アテローム性血栓性脳梗塞
  • 心原性脳塞栓症

このうち、ラクナ梗塞とアテローム性血栓性脳梗塞はどちらも動脈硬化が原因です。
高血圧や糖尿病・脂質異常症が長期的に継続すると、血管内皮細胞が損傷し、そこからLDLコレステロールが血管壁内に入り込むことで動脈硬化が生じます。
動脈硬化によって血管が硬く・脆く変化し、内腔が狭小化することで脳深部の細い動脈が閉塞するとラクナ梗塞に至ります。
また、動脈硬化によって血管壁内にアテロームと呼ばれるコブが形成され、そのアテロームが破綻することで比較的太い脳の動脈に血栓が形成されて閉塞し、アテローム性血栓性脳梗塞を生じるわけです。
しかし、これら2つの脳梗塞とは全く別の機序で脳梗塞に至るのが心原性脳塞栓症です。
心原性脳塞栓症の場合、その名の通り心臓が原因で血栓が形成され、心臓の拍動によってその血栓が脳の動脈に飛んでしまい塞栓症を引き起こします
原因となる心疾患は主に下記の通りです。

  • 心房細動をはじめとする不整脈疾患
  • 心臓手術による人工物挿入
  • 重度の心不全
  • 感染性心内膜炎

通常、心臓は寝ている時でも常に拍動しているため、心臓内の血液は常に淀むことなく流れ続けています。
しかし、重度の心不全や不整脈疾患では心臓内の流れが悪くなり、一部の血液が淀むことで血栓が形成されてしまいます。
これはまるで、海やプールの流れが悪いところに木の枝やゴミが滞留してしまうのと同じです。
他にも、心臓手術による人工物(人工弁など)挿入や、感染性心内膜炎によって心臓内に異物があると、そこに血液が付着してしまい、徐々に血栓が形成されてしまうため、注意が必要です。
これらの原因で形成された血栓が、心臓の拍動とともに心臓から駆出されてしまい、脳の動脈を閉塞させてしまうと心原性脳塞栓症に至ります。
心原性脳塞栓症を予防するためには、上記のような心疾患を持つ方は抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)の内服が第一選択です。
また、不整脈疾患に対しては内服薬やペースメーカーの挿入も、脳梗塞に対する良い予防策です。

ICDの基本機能と治療目的

ICD(植え込み型除細動器)
上記でも記したように、不整脈に対する治療には主に薬物療法とデバイス治療の2つがあります。
通常はまずは抗不整脈薬による治療が選択されますが、難治性の場合や命の危険性があるような不整脈に対してはデバイス治療が選択されます。
デバイス治療は主に下記の2つです。

  1. ペースメーカー
  2. ICD(植え込み型除細動器)

両者の主な違いは対象としている不整脈疾患が違う点です。
ペースメーカーは洞不全症候群や房室ブロックなどの脈拍が遅くなる不整脈に対して使用されますが、ICDは脈拍が早くなる不整脈(心室頻拍や心室細動など)を対象としています。
心臓の正常な拍動は心筋内を流れる電気刺激によってもたらされますが、その電気回路に生まれながらに異常を抱えるブルガダ症候群、特発性心室細動、QT延長症候群などの疾患の場合、突如心臓が異常に早く拍動してしまうことがあります。
それを心室頻拍や心室細動と呼び、あまりにも早い拍動のせいで逆にうまく血液を駆出できなくなり、突然死の危険性もある大変危険な病態です。
そこで、ICDの出番です。
ICDを埋め込むことで、体内での心室頻拍や心室細動を感知し、自動で電気ショックが心臓に打ち込まれ、異常な不整脈をリセットできるという優れものです。

心房細動が脳梗塞に与える影響

心房細動が主な原因となる心原性脳塞栓症は、他の脳梗塞と比較しても予後が悪い疾患です。
日本の代表的な研究である久山町研究(1988~2000年に追跡した集団)では、1年生存率がラクナ梗塞で90%以上アテローム性血栓性脳梗塞でも約80%であるのに対し、心原性脳塞栓症は約50%でした。
また死亡しないまでも、後遺症が重篤化することが多いと報告されています。
重症化しやすい要因の1つとしては、ラクナ梗塞やアテローム性血栓性脳梗塞が1つの血管の動脈硬化によって生じるのに対し、心原性脳塞栓症の場合は心臓内の血栓がランダムに様々な動脈に飛散していくため、被害が大きくなりやすい点が挙げられます。
近年では予防のため、多くの抗凝固薬が開発されているため、それらを駆使してどう発症を予防していくかが肝要です。

まとめ

今回の記事では、 植え込み型心電形移植術(ICD)の役割と効果について詳しく解説しました。
ICDは主に心臓の拍動が異常に早くなる不整脈に対して使用されるデバイスです。
心臓の拍動があまりにも早くなると逆に血液を全身に送り出せなくなり、これまで謎の突然死の原因となっていました。
しかし、ICDによって異常不整脈に対し自動で電気ショックが与えられ、不整脈がリセットされることで突然死のリスクが大幅に軽減されました。
不整脈は放置すれば予後の悪い心原性脳梗塞の原因にもなるため、不整脈を持つ方にとって非常に有用なデバイスと言えます。
一方で、最近では「ニューロテック®」と呼ばれる『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』も盛んです。
これまで治療の困難であった脳梗塞の神経症状に対して、ニューロテックメディカルでは、脊髄や神経の治る力を高める治療『リニューロ®』を提供しています。
神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「神経再生医療×同時リハビリ™」によって、心原性脳梗塞による後遺症の改善が期待できます。

Q&A

植え込み型心電計のデメリットは?
まず植え込みのために手術を受ける必要があります。
また、植え込み後もMRIなどの強い磁場や電磁波によって誤作動を起こす可能性があるため、日常生活で少し気を使う必要があります。

心原性脳塞栓症の5年生存率は?
心原性脳塞栓症はその病態から大変予後の悪い脳梗塞と言われており、再発率は5年間で約25%、発症からの5年生存率は約40%と、非常に予後が悪いです。
主な原因は、心臓から飛んできた血栓が脳の左右の動脈に広範に飛散するため、障害される範囲が広いためです。

<参照元>
・J STAGE:https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/106/3/106_490/_pdf
・日本不整脈外科研究会:http://arrhythm.umin.jp/treatment/device/index.html
・日本循環器学会:https://www.j-circ.or.jp/old/about/jcs_ps5th/index03.html


あわせて読みたい記事:心原性脳塞栓症について知る

貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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