脳出血後遺症でどのタイプの再生医療を選ぶべきか|脳卒中・脊髄損傷|麻痺痺れなど神経再生医療×同時リハビリ™で改善

脳出血後遺症でどのタイプの再生医療を選ぶべきか

           

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この記事を読んでわかること

脳出血後遺症への再生医療で効果的な幹細胞治療にはどのような物があるか
幹細胞治療による効果がどう患者に影響するのか
後遺症の改善のために早期リハビリテーションが進められる理由は何か


脳出血の後遺症は、出血した部位や発症時の重症度により異なりますが、その後遺症は、リハビリテーションに加えて再生医療を用いることで改善できる可能性があります。
再生医療として骨髄由来幹細胞脂肪由来幹細胞歯髄由来幹細胞などが用いられます。
今回の記事では、これらの再生医療や、リハビリテーションを早期開始することのメリットなどを説明します。

脳出血後遺症への再生医療で効果的な幹細胞治療とは

脳出血の後遺症でどのタイプの再生医療を選べばいいのか?
脳出血は、脳内に血液が漏れ出し、神経組織が損傷する病態です。そして、脳出血はその起こる場所によって、様々な後遺症が生じることがあります。
まずは、脳出血が起こった場所に応じた一般的な後遺症の例を挙げてみましょう。

1、大脳皮質の出血
  • 運動機能の障害:麻痺や筋力低下
  • 感覚障害:感覚の鈍麻や痛み
  • 言語障害:失語症や言語理解が困難となる
2、基底核の出血
  • 運動障害:手足の不随意運動や筋肉のこわばりが生じる
  • 認知障害:注意力の低下や記憶障害が出現する
  • 情緒障害:気分の変動やうつ症状が現れる
3、視床の出血
  • 感覚障害:体の片側に感覚麻痺や痛みが出る
  • 視覚障害:視野欠損や視覚の異常をきたす
  • 言語障害:失語症や言語理解が困難となる
4、小脳の出血
  • 運動協調障害:歩行困難や手が震える
  • 眼球運動障害:視線の揺れや眼球の不安定
  • 吐き気や嘔吐:平衡感覚の障害によるめまい
5、脳幹の出血
  • 呼吸障害:呼吸の異常や呼吸困難に陥る
  • 意識障害:意識の低下や昏睡状態になる
  • 運動障害:四肢の麻痺や筋力低下をきたす

これらの後遺症は、脳出血の重症度、治療のタイミング、リハビリテーションの効果などによって変化します。
一般的には、早期に適切な治療とリハビリテーションを受けることで、脳出血後遺症の改善が期待されます。
麻痺、言語障害、感覚障害などの後遺症に対して効果的な再生医療として、特に注目されているのが幹細胞治療です。
幹細胞治療は、損傷した脳組織の修復や再生を目指す治療法です。
脳出血の後遺症に対しては、以下のような幹細胞が利用されることがあります。

  • 骨髄由来幹細胞:骨髄から採取され、神経細胞や血管細胞への分化能力を持つ
  • 脂肪由来幹細胞:脂肪組織から採取され、骨髄由来幹細胞と同様の特性を持つ
  • 歯髄由来幹細胞:抜歯時に採取することが可能で、神経組織の再生に効果的とされる

これらの幹細胞は、損傷した脳組織に移植されることで、神経細胞の再生や血管の再構築を促進し、後遺症の改善を目指します

幹細胞治療による効果がどう患者に影響するのか

幹細胞治療による効果は、患者の状態や治療のタイミングによって異なりますが、以下のような改善が期待されます。

  • 麻痺の改善:神経細胞が再生することで、運動機能の回復が期待されます
  • 言語障害の改善:言語機能を司る脳領域の修復により、コミュニケーション能力の向上が期待されます
  • 感覚障害の改善:感覚神経が再生することにより、感覚機能の回復が期待されます

後遺症の改善に早期リハビリテーションのススメ

再生医療と併用することで効果を高めるために、早期にリハビリテーションを始めることが勧められています。
さらに、リハビリテーションにより、幹細胞治療で再生された神経細胞の機能を最大限に活用し、後遺症の改善を促進することができます。
なお、脳梗塞や脳出血後にできるだけ早くリハビリテーションを始めることが推奨される理由には以下のようなものがあります。

  1. 神経可塑性(しんけいかそせい)の促進
    脳梗塞や脳出血などで脳の損傷が起こると、脳内の再構成が起こり新しくシナプスが作られ、働くようになり、機能が回復したり別の運動や行動ができるようになります。
    例えば、運動を司る部分に腫瘍ができて握力が低下した場合、周りの領域が働くようになることがわかっています。
    これを、神経の可塑性といいます。
    脳梗塞や脳出血の発症後早期から積極的にリハビリを行うことで、残存している神経回路の再編成や新しい神経回路の形成を促進し、脳の機能回復を最大化することが期待できます

  2. 二次的合併症の予防
    早期リハビリテーションによって、関節の拘縮、筋肉の萎縮、床ずれなどの二次的合併症のリスクを減少させることができます。
    また、むせなどによる誤嚥も、飲み込みの訓練によって防ぐことができるでしょう。

  3. 機能回復の早期化
    早期にリハビリテーションを開始することで、運動機能や日常生活活動(ADL)の回復が早まり、患者の社会復帰や自立を早期に促進することができます。

  4. 精神的なサポート
    リハビリテーションは、患者のモチベーションを高め、精神的なサポートを提供することにも役立ちます。
    これは、回復過程において重要な要素です。

脳卒中で再生医療を行う際の経済的負担

再生医療の治療費用は高額であり、保険適用外の場合が多いため、経済的な負担が大きくなる可能性があります。
治療費用は、使用する幹細胞の種類や治療の規模によって異なりますが、数百万円から数千万円の範囲であることが一般的です。
そのため、再生医療による治療を検討する際には、医療機関に費用の詳細を確認し、経済的な計画を立てることが大切です。

まとめ

脳出血の後遺症に対する再生医療として、幹細胞治療が有望視されています。
骨髄由来幹細胞、脂肪由来幹細胞、歯髄由来幹細胞などが利用され、損傷した脳組織の修復や再生を促進することで、後遺症の改善が期待されます。ただし、治療費用は高額であり、経済的な負担を考慮する必要があります。また、早期リハビリテーションとの併用により、治療効果の向上が期待されます。
当院ニューロテックメディカルでは、脳卒中・脊髄損傷を専門として、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しております。
リニューロ®では、同時刺激×神経再生医療™、骨髄由来間葉系幹細胞を用いて狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高めた上で、神経再生リハビリをおこなうことで神経障害の軽減を目指します。
脳出血の後遺症に対する再生医療にご興味のある方は、ぜひ一度当院までご相談ください。

よくあるご質問

脳出血の後遺症は治りますか?
脳出血の後遺症は、出血部位や発症時の重症度によって変わってきます。完全に症状を改善することは難しい場合もありますが、早期からのリハビリテーション(リハビリ)によって、改善する可能性があります。

脳卒中の再生医療は保険適用ですか?
脳卒中の再生医療は新しい治療法であり、現在も研究が進んでいますが、現時点では「保険適用」ではありません。 つまり、医療費については健康保険を使えない治療となります。

<参照元>
脳血管障害・脳卒中 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-006.html
脳の可塑性と機能回復.リハビリテーション医学.1996;33(3):151-166.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrm1964/33/3/33_3_151/_pdf
脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2023〕
https://www.jsts.gr.jp/img/guideline2021_kaitei2023.pdf
Kim, J. H., Lee, J. E., Kim, S. U., & Kim, Y. B. (2017). Dental pulp stem cells: A promising tool for nerve regeneration. Stem Cell Research & Therapy, 8(1), 1-11.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18300003/

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貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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