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脳梗塞のクリニカルパスの意味と目的

           

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この記事を読んでわかること

クリニカルパスとは
クリニカルパスの目的
患者さんにとってのメリットとは


患者に質の高い治療を受けて頂くために導入されたクリニカルパス。
施設や医療スタッフの違いにより、どこでも質の高い同じ治療を受けられるわけではありません。
また治療に関わっている多くの人が情報を共有できないと、非効率的な治療が行われる可能性があります。
クリニカルパスは、患者だけではなく医療スタッフにとっても非常に効果的なシステムです。
そこで治療に携わるチームの情報の共有を図り、患者のニーズに応じてある一定水準以上の医療を提供するために、導入されたのがクリニカルパスです。
今回は、クリニカルパスの意味や目的、脳梗塞におけるクリニカルパスなどについてご紹介しています。

クリニカルパスとは(目的、看護、意味、メリット)

看護師1
治療は、医師と患者さんだけではなく看護師や薬剤師、管理栄養士、検査技師などさまざまな職種の方が協力して行われています。
これらの方たちが効果的に治療を行えるように話し合い、病気ごとの標準的な経過を説明するために作成した治療計画表をクリニカルパスといいます。
全国的な標準であるクリニカルパスはありますが、それぞれの医療機関でそれに基づいて独自のものが作成されています。
クリニカルパスには、医療スタッフ用だけでなく患者さん用に作成したものもあります。
これにも治療内容や期間、目標、行う検査、食事などが患者さんにもわかりやすく記載されているため、これを用いて治療の説明をすることも可能です。
また同じ病気でも軽症用や重症用など、重症度によって異なるクリニカルパスを作成します。

クリニカルパスの目的

看護師2

医療の標準化

医師の経験や技量、考え方、施設の設備などによって同じ病気でも治療法に違いが出ることがあります。
この違いはやむを得ないことといえるのですが、それを理解した上で科学的根拠に基づいた処置や治療をクリニカルパスに記入することで、一定の質を保った治療が行えるようになります。

チーム医療の推進

治療は多くの職種の方が協力して進めていきます。
クリニカルパスを作成することで、多職種で情報を共有でき円滑にチーム医療を進めることができるようになります。

治療の効率化

クリニカルパスを作成することで不必要な投薬や検査をしなくて済むため、治療を効率的に行えるだけでなく入院期間の短縮やコスト削減につながります。

患者さんにとってのメリットとは

安心できる

患者さんはクリニカルパスを利用すれば、入院から退院までの治療内容や検査、投薬などの経過がわかるため安心して治療を受けることができます。

治療へのモチベーションの向上

クリニカルパスには目標も記入されているため、その目標を達成しようとモチベーションが向上し積極的に治療に望むようになります。

医療スタッフとのコミュニケーションが円滑になる

クリニカルパスを利用して治療内容を理解しておくと、医療スタッフと円滑なコミュニケーションがとりやすくなります。

脳梗塞のクリニカルパス

看護師3
脳梗塞の重症度に応じたクリニカルパスを作成し、患者さまにお渡ししています。
また入院中だけではなく、回復期リハビリ用のクリニカルパスも作成することもあります。

脳梗塞のクリニカルパスに記入されている項目

脳梗塞のクリニカルパスにある項目と記入されている例をご紹介します。

経過
入院日数と日付。
目標
入院から数日間は様態が安定すること、安静にしていること、入院に対する気持ちの整理などです。
その後、脳梗塞の再発予防や血圧や血糖値のコントロール、内服薬や点滴の必要性の理解、退院や転院に対する準備などが目標として設定されています。
食事
摂食障害の有無、嚥下障害の有無、誤嚥性肺炎のリスクなどに患者さんの症状に応じて食事をすることなどが記入されています。
排泄
記入されていることは、入院初日はベッド上での排泄、2日目以降は症状に応じてトイレに行けること、ふらつきがみられる場合は看護師が付き添うことなどです。
清潔
体を拭くことから始め、医師の許可が出ればシャワーや入浴ができることなどが記入されています。
治療
再発予防のために内服薬や点滴による治療をすること、常用薬がある場合は看護師に渡すことなどが記入されています。
検査
記入されていることは、頭のCTやレントゲン、心電図、エコーなど行う検査と時期など検査に関することです。
リハビリ
リハビリの必要がある方は状況をみて早期からリハビリを始めること、専門家によるリハビリ計画の説明があること、リハビリを行う場所などが記入されています。
説明指導
医師から病状や治療方針、検査などの説明、看護師から入院生活上の注意点などの説明があること。
また様態が安定したら医師による経過の説明や薬剤師による点滴、内服薬の説明があることなどが記入されています。

クリニカルパスは改善は医療の質を高める上で重要です

クリニカルパスの意味や目的、脳梗塞のクリニカルパスの例などをご紹介しました。
クリニカルパスは、一度作成したらそれを運用し続けるわけではありません。
安全で質の高い医療を患者さんに提供することがクリニカルパスの目的であるため、新しいエビデンスがわかったらそれに基づいて改善を繰り返す必要があります。
患者さんに不安な気持ちを少しでも解消して頂くためにも、クリニカルパスの充実が求められています。

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貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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