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多発性硬化症に見られる後遺症の種類と症状一覧

           

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この記事を読んでわかること

多発性硬化症の運動障害の特徴がわかる
多発性硬化症の感覚障害の特徴がわかる
多発性硬化症における多彩な神経症状のメカニズムがわかる


多発性硬化症は自己免疫性疾患の1つであり、神経に対する自己抗体が中枢神経系を破壊することで多彩な神経症状をきたす病気です。
空間的多発性を持つため、不連続に様々な部位の神経が障害され、運動障害・感覚障害・認知機能障害など、出現する症状もさまざまです。
この記事では、多発性硬化症で見られる症状をそれぞれ詳しく解説します。

運動障害(歩行困難・手足の動かしにくさ)

運動障害(歩行困難・手足の動かしにくさ)
多発性硬化症とは、中枢神経系が多発的に障害される病気であり、古くなるとその神経が瘢痕化して硬くなることから多発性硬化症と名付けられています。
多発性硬化症の特徴は中枢神経系、つまりは脳や脊髄において空間的多発性(さまざまな部位に発症すること)と時間的多発性(再発と寛解を繰り返す)によって神経が障害される点です。
原因不明に体内で生じた自己抗体が、中枢神経系の髄鞘(神経を取り巻く鞘のようそな組織)を誤って異物と認識して破壊することで、下記のようなさまざまな神経症状をきたします。

  • 運動障害
  • 感覚障害
  • 認知機能障害

多発性硬化症に伴う運動障害は、どの神経が障害されるかによって出現する症状も異なります。
例えば、脳幹部が障害されると動眼神経の機能が障害されて眼振や複視が、顔面神経の機能が障害されて顔面神経麻痺が、舌咽神経の機能が障害されて嚥下障害や構音障害が、舌神経の機能が障害されて舌の麻痺が生じる可能性があり、注意が必要です。
また、身体の随意運動が適切に行えるように運動を調整する小脳が障害されると、姿勢保持困難、歩行障害(酔っ払い歩行)、めまいなどの症状が出現します。
当然ながら、大脳や脊髄が障害されると、運動の指示経路である錐体路の機能が障害される可能性が高く、四肢に麻痺が出現する可能性が高まります。

感覚障害(しびれ・痛み・温度感覚の異常)

多発性硬化症に伴う感覚障害も、運動障害と同様でどの部位の神経が障害されるかによって出現する症状も千差万別です。
顔面の知覚を司る神経が障害される場合は顔面にしびれが、脊髄が障害されれば胸部腹部の体幹や手足にしびれが出現します。
感覚障害の症状としては、灼熱感や電撃的な痛みを伴うしびれ感が代表的であり、誰かに触れられた反応をきっかけに症状が発現することがあります。
頚部を屈曲した際、脊椎を上から下方に向かって、さらには下肢や上肢にも波及する放散痛を伴うことがあり、これをLhermitte徴候と呼び、代表的な感覚障害の1つです。
また、ある動作をきっかけに急に手足にしびれ感が生じ、同時に手足が突っ張る有痛性剛直性痙攣も、多発性硬化症における感覚障害の症状の1つです。
さらに、多発性硬化症に伴う感覚障害や運動障害は、体温の上昇に伴って悪化し、体温の低下により改善することが知られており、これをUhthoff(ウートフ)徴候といいます。

認知機能障害・うつ・排尿障害などの非運動性後遺症

認知機能障害・うつ・排尿障害などの非運動性後遺症
多発性硬化症では、認知機能障害・うつ・排尿障害など多彩な神経症状をきたします。
多発性硬化症によって、前頭葉・側頭葉・後頭葉など、広範囲に大脳皮質が障害されることで、注意力・記名力・言語・情動・認知など、高次脳機能も障害されてしまうのです。
多発性硬化症における高次脳機能障害の合併率は43〜70%と決して稀ではなく、病気の進行と共に徐々に発症しやすい症状です。
また、情動に変化を及ぼすことで多幸感やうつ症状など、多彩な精神障害をきたす可能性もあります。
最後に、排尿や排便は脊髄や脳を介してコントロールされているため、多発性硬化症によって脊髄や脳が障害されると失禁や頻尿などの症状が出現する可能性もあります。

まとめ

今回の記事では、多発性硬化症の症状について詳しく解説しました。
多発性硬化症は国の定める指定難病の1つであり、原因不明に発生した自己抗体が中枢神経系を破壊する病気です。
空間的多発性があるため、運動障害・感覚障害・高次脳機能障害(認知機能障害など)など、非常に多彩な神経症状をきたす特徴があります。
また、予後は患者によって異なり、再発と寛解を繰り返しながら障害がほとんど残らない方もいれば、中には再発と寛解を繰り返しながら徐々に症状が悪化していき、寝たきりになってしまう予後不良患者もいます。
現状、ステロイドや免疫抑制剤の使用が主な治療法ですが、あくまで自己抗体の働きを抑える治療法であり、根本の解決をできるような治療法ではありません。
そこで、近年では多発性硬化症に対する新たな治療法として再生医療が大変注目されています。
ニューロテックメディカルでは、「ニューロテック®」と呼ばれる『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』も盛んです。
「ニューロテック®」では、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しています。
また、神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「同時刺激×神経再生医療Ⓡ」によって、これまで改善の困難であった多発性硬化症の後遺症改善が期待できます。

よくあるご質問

多発性硬化症の再発の症状は?
多発性硬化症の再発の症状は、主に手足の麻痺やしびれ、視力や視野の異常、排尿・排便障害などが挙げられます。
これらの神経症状が24時間継続した場合は、臨床的に再発を疑う必要があるため、注意が必要です。

多発性硬化症の脊髄障害の症状は?
脊髄は脳と身体をつなぐ役割を持つため、脊髄が障害されると脳からの運動の指令や、手足や膀胱・直腸からの情報がうまく伝わらなくなります。
そのため、多発性硬化症の脊髄障害として、手足の麻痺やしびれ、排尿・排便障害などが挙げられます。

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    <参照元>
    1:多発性硬化症/視神経脊髄炎(指定難病13)|難病情報センター:https://www.nanbyou.or.jp/entry/3806
    2:13 多発性硬化症/視神経脊髄炎|厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/content/10905000/000862098.pdf

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    PROFILEこの記事の監修
    貴宝院 永稔
    貴宝院 永稔 医師
    (大阪医科薬科大学卒業)
    • 脳梗塞・脊髄損傷クリニック 総院長
    • 日本リハビリテーション医学会認定専門医
    • 日本リハビリテーション医学会認定指導医
    • 日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
    • ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

    私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
    リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
    このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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