馬尾症候群とは何か? | 再生医療|脳梗塞・脊髄損傷の後遺症を幹細胞治療で改善|ニューロテックメディカル

馬尾症候群とは何か?

           

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この記事を読んでわかること

馬尾症候群の原因となる主な疾患
下肢と排泄機能に現れる症状の解説
緊急性のある症状と直ちに対応が必要な理由


馬尾症候群は、腰椎から仙椎にかけて存在する馬尾神経と呼ばれる神経叢が圧迫され様々な症状が現れる疾患です。
腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などが原因となる代表疾患です。
主な症状は、下肢の痛みやしびれ、排尿障害、排便障害、性機能障害などです。
重症化すると下半身不随などの後遺症が残る可能性があり早期の発見と治療が重要です。

馬尾症候群の原因となる主な疾患

下肢と排泄機能に現れる症状の解説
この記事では原因となる主な疾患の代表例を以下に挙げます。

  • 腰椎椎間板ヘルニア:
    腰椎の間にある椎間板が損傷され、内部のジェル状の組織が椎間板の外側に飛び出ることで脊髄や馬尾神経を圧迫する疾患です。
    好発部位は腰の負担が最も多い、腰椎の4〜5番目と腰椎の5番目〜仙椎1番目の椎間板です。
  • 脊柱管狭窄症:
    脊柱管と呼ばれる神経の通り道が加齢や骨粗鬆症などによって狭くなり、脊髄や馬尾神経を圧迫する疾患です。
    腰椎で起こることが多いです。
  • 脊髄腫瘍:
    良性腫瘍と悪性腫瘍があります。
    腫瘍が成長することにより、周囲の神経組織や脊髄を圧迫するのが原因です。
    腫瘍の位置、大きさ、成長速度によって症状の出方が異なります。
  • 外傷:
    交通事故、転倒、スポーツなどの外傷によって馬尾神経が損傷され起きることがあります。
  • 先天性異常:
    脊髄や馬尾神経の先天的な奇形が原因となることがあります。
    出生時から認められるのが特徴です。

これらの疾患以外にも、腰椎分離症・すべり症、骨粗鬆症、糖尿病性神経障害などが原因となることがあります。
診断においては、MRIなどの画像診断が重要であり、治療には保存療法や手術的アプローチが使われます。

下肢と排泄機能に現れる症状の解説

下肢に現れる馬尾症候群の症状
この記事では下肢と排泄機能に現れる症状を解説します。
馬尾症候群は馬尾神経が圧迫されるため多彩な症状が出現します。
特に、下肢と排泄機能は馬尾神経によって支配されているため、これらの機能に障害が起こることが多いです。
主な症状としては以下があります。

  • 下肢の痛みとしびれ:
    腰椎の圧迫により、下肢全体、あるいは足の裏や指先などに痛みやしびれが現れます。
    座骨神経の圧迫による坐骨神経痛を伴うことも多いです。
  • 下肢の感覚異常:
    触覚や温痛覚などの感覚が鈍くなり、足の裏で地面をうまく感じられなくなることがあります。
    そのため、歩行や日常生活に支障を来たすこともあります。
  • 下肢の筋力低下:
    腰椎での圧迫が運動神経に影響を及ぼした際に起きます。
    足首や足の指の筋力が低下し、歩行困難や足を引きずって歩くなどの下肢運動障害が現れます。
  • 排泄障害:
    腰椎の圧迫が膀胱直腸障害を来たして起きます。
    排尿障害として、尿意を感じにくい、尿が出にくい、逆に尿漏れが起こったりします。
    排便障害として、便意を感じにくい、便秘や下痢をする、便失禁が起こったりします。
  • 性機能障害:
    腰椎での圧迫が骨盤神経に影響を与え、男性では勃起障害、女性では性欲減退などの症状がみられることがあります。

緊急性のある症状と直ちに対応が必要な理由

この記事では緊急性のある症状と直ちに対応が必要な理由を解説します。
症状の進行速度や重症度は個々の患者により異なりますが、いくつかの症状は緊急を要し直ちに対応が必要な場合があります。
足首や足の指の筋力が急激に低下し、足を引きずって歩く、歩行困難などの症状が現われた場合です。
急激に尿意を感じにくくなったり、尿が出にくくなったり、逆に尿漏れが起こったり、下痢や便失禁が起こった場合です。
馬尾全体が圧迫され、会陰部や肛門周囲の感覚が鈍くなり、排尿・排便障害に加えて性機能障害も起こった状態を鞍麻痺と言いますが、この状態も直ちに対応を要する場合です。
急激な尿失禁や排尿障害は、膀胱の機能障害を示し、さらに腎臓や尿路に潜在的なダメージを引き起こす可能性があるので注意が必要です。
いずれの症状も、馬尾神経が圧迫され続けた状態ですので直ちに対応しないと、神経損傷が進行し回復が難しくなる可能性があります。
後遺症として症状が残存した場合には、日常生活に支障を来たし生活の質が低下します。
これらの急激な神経症状や排泄機能が現れた場合は、直ちに医療機関を受診し、適切な治療を受ける必要があります。

まとめ

今回の記事では、馬尾症候群とは何かについて解説しました。
馬尾症候群の障害が後遺症として残った場合は日常生活に支障を来たします。
そのような状況に至った場合は、神経の再生治療が必要となります。
神経の再生医療は最も盛んに研究されている分野です。
脳や脊髄の損傷に対して、「ニューロテック®」と呼ばれる「神経障害が治ることを当たり前にする取り組み」も盛んです。
ニューロテックメディカルでは、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しております。
さらに、神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「神経再生医療×同時リハビリ™」もあります。
馬尾症候群の後遺症に苦しむ患者に対して、新たな治療として光明がさすことを期待したいです。

よくあるご質問

馬尾神経が障害されるとどうなるか?
下肢の感覚や運動機能に影響が及びます。
症状として、下肢の痛みやしびれ、筋力低下、感覚異常が見られます。
さらに、排泄機能にも影響が及ぶ場合があり、尿失禁や排尿障害、便秘などの膀胱直腸障害が起きる可能性があります。
これらの症状は日常生活に大きな制約をもたらすため早期の医療介入が重要です。

馬尾症候群はどうやって治すの?
原因や症状の重症度によって異なります。
保存療法として、安静、物理療法、疼痛管理が行われます。
脊髄や馬尾神経の圧迫を解除するための手術が選択されることもあります。
具体的には、ヘルニアや狭窄部位の除去、腫瘍の摘出などがあります。

<参照元>
・馬尾症候群 – 09. 脳、脊髄、末梢神経の病気 – MSDマニュアル家庭版:https://www.msdmanuals.com/
・馬尾症候群 – 07. 神経疾患 – MSDマニュアル家庭版:https://www.msdmanuals.com/

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貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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