この記事を読んでわかること
・心筋梗塞後は心房細動や動脈硬化、全身の炎症反応により脳梗塞のリスクが高まること
・心筋梗塞は胸痛や息切れ、脳梗塞は片側の麻痺や言葉の障害などが現れ、それぞれに適切な治療法があること
・心筋梗塞も脳梗塞も、リハビリや生活習慣の改善が重要であり、家族のサポートも必要であること
心筋梗塞と脳梗塞は、ともに動脈硬化症が原因となることの多い疾患です。
今回の記事では、心筋梗塞後に脳梗塞のリスクが高まる理由や関連症状、治療法について詳しく解説します。
家族のサポートや生活習慣の改善、医療費の情報も含め、心筋梗塞と脳梗塞の関係と対策を網羅した記事です。
ぜひ参考にしてください。
1. Q:心筋梗塞後に脳梗塞を発症しやすいのは本当?
はい、心筋梗塞後は脳梗塞のリスクが高まることがあります。心筋梗塞(急性心筋梗塞; AMI)は心臓の血流が突然遮断されることで発生し、これにより全身の血液循環に影響を及ぼします。以下の理由から、心筋梗塞後の脳梗塞発症リスクが高まることが示されています。
- 心房細動の発生
- 心筋梗塞後に心房細動(不整脈)が発生すると、心臓内で血栓が形成されやすくなります。この血栓が脳に飛び、脳梗塞を引き起こす可能性があります。
- 動脈硬化の影響
- 心筋梗塞の原因となる冠動脈の動脈硬化は、他の動脈にも影響を及ぼすことがあります。動脈硬化により脳の血管が狭くなり、血栓ができやすくなることがあります。
- 全身の炎症反応
- 心筋梗塞により、冠動脈プラークが破綻し、全身的な炎症反応が引き起こされます。この炎症が脳の動脈プラークを不安定化させ、破綻しやすくすることがあります。
2. Q:どんな症状が現れるの?
心筋梗塞と脳梗塞のそれぞれの症状を以下にまとめます。
心筋梗塞の主な症状
胸痛:突然の強い胸の痛みが中心で、締め付けられるような痛みが典型的です。
痛みは数分以上続くことがあります。
- 放散痛
- 胸の痛みが肩、腕、背中、首、顎などに放散することがあります。
- 息切れ
- 呼吸がしにくくなり、息切れが生じることがあります。
- 冷や汗
- 異常に冷や汗をかくことがあります。
- 悪心・嘔吐
- 吐き気や嘔吐が伴うことがあります。
- めまい・失神
- めまいや失神を伴うことがあります。
脳梗塞の主な症状
- 片側の手足の麻痺や力が入らない
- 突然、片側の手足に力が入らなくなったり、感覚がなくなることがあります。
- 顔の片側が垂れる
- 片側の顔が垂れ下がり、表情が左右対称でなくなることがあります。
- 言葉が出にくくなる
- 言葉がうまく話せなくなったり、理解できなくなることがあります。
- 視野の一部が見えなくなる
- 片方の目が見えにくくなったり、視野の一部が欠けることがあります。
- 突然の激しい頭痛
- 特に原因不明の突然の激しい頭痛が現れることがあります。
3. Q:心筋梗塞と脳梗塞の治療法は?
心筋梗塞と脳梗塞の治療は、迅速な診断と治療が重要です。
心筋梗塞の治療は、冠動脈の血流を回復させるためのカテーテル治療やバイパス手術、血栓溶解療法などがあります。
脳梗塞の治療は、血栓溶解薬の投与や、血栓を物理的に取り除く血栓回収療法が行われます。
また、どちらの疾患も予防薬の服用が重要です。
リハビリテーションも重要で、特に運動療法や生活習慣の改善が再発予防に役立ちます。
4. Q:日常生活に支障は出る?
回復の程度によりますが、心筋梗塞や脳梗塞を経験した後は、体力や日常生活能力が低下することがあります。
リハビリテーションや適切な医療管理を受けることで、日常生活に復帰することが可能です。
5. Q:仕事は続けられる?
症状や回復状況に応じて、仕事を続けることは可能です。
医師と相談し、無理のない範囲での職務復帰を検討してください。
場合によっては、勤務時間の調整や軽作業への変更が必要になることもあります。
6. Q:家族にできることは?
家族は患者をサポートする重要な存在です。
医療情報を共有し、リハビリテーションや生活習慣の改善を一緒に行うことで、回復を支援できます。
また、心理的なサポートも大切ですので、患者が安心して話せる環境を提供してください。
7. Q:再発を防ぐにはどうすればいい?
再発を防ぐためには、適切なリハビリテーションと生活習慣の改善が不可欠です。
適度な運動、バランスの取れた食事、禁煙、適正な体重の維持で血圧や血糖値を管理することが重要です。
特に、高血圧や糖尿病、喫煙などのリスク要因を取り除くことで、再発リスクを大幅に減らすことが可能です。
また、医師の指示に従い、適切な薬物療法を継続することも大切です。
8. Q:医療費はどれくらいかかる?
医療費は治療内容や入院期間によって異なります。
心筋梗塞や脳梗塞の治療は高額になることが多いため、保険の適用範囲や高額療養費制度を利用することが重要です。
事前に医療機関や保険会社に確認すると良いでしょう。
9. Q:どこで相談すればいい?
心筋梗塞や脳梗塞に関する相談は、かかりつけ医や専門医療機関で行うのが良いでしょう。
また、地域の医療相談窓口や患者支援団体も利用できます。
症状が疑われる場合は、すぐに救急車を呼んでください。
心筋梗塞と脳梗塞のQ&Aまとめ
心筋梗塞後の脳梗塞のリスクや対処法について理解し、日常生活や仕事への影響を最小限に抑えるためには、適切な医療管理と生活習慣の改善が欠かせません。
家族のサポートも重要な要素です。
不安な点があれば、医療機関や専門家に相談し、安心して治療に臨みましょう。
当院ニューロテックメディカルでは、『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』を、ニューロテック®と定義しました。
そして、脳卒中や脊髄損傷、神経障害の患者さんに対する『狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療』を、リニューロ®と定義しました。
リニューロ®は、同時刺激×神経再生医療Ⓡにて『狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療』です。
また、その治療効果を高めるために骨髄由来間葉系幹細胞、神経再生リハビリ®の併用をお勧めしています。
脳梗塞後に対する再生医療にご興味のある方は、ぜひ一度当院までご相談下さい。
よくあるご質問
- 脳梗塞の一番の原因は何ですか?
- 脳梗塞の最大の原因は高血圧です。高血圧が続くと動脈硬化が進行し、脳の血管が詰まりやすくなります。また、高血圧は脳出血やくも膜下出血のリスクも増加させます。生活習慣の改善や適切な治療で高血圧を管理することが重要です。
- 脳梗塞と心筋梗塞の関係は?
- 脳梗塞と心筋梗塞は、どちらも動脈硬化が主な原因です。動脈硬化により、脳の血管が詰まると脳梗塞、心臓の血管が詰まると心筋梗塞が発生します。心筋梗塞後には、心房細動などにより脳梗塞のリスクが増加することがあります。共通のリスク要因には高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙があります。
<参照元>
急性心筋梗塞発症直後に脳梗塞を合併した アテローム血栓症の1例.心臓.2012;44(12):1543-1548.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shinzo/44/12/44_1543/_pdf
脳血管障害・脳卒中 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-006.html
狭心症・心筋梗塞などの心臓病(虚血性心疾患) | e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-005.html
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