この記事を読んでわかること
脳梗塞が時間との勝負といわれる理由がわかる。
見逃してはいけない発症サインがわかる。
早期対応と回復の可能性について理解できる。
脊髄損傷後は下半身を動かすことが難しくなり、自動車への乗り込みは工夫を行う必要があります。
自動車に乗り込むためにはコツを掴むための練習や自動車に乗り込みやすくするための自助具の使用を検討します。
この記事では、脊損後で車椅子生活をされている方が車へ乗り込む方法を解説し、乗り込めない場合の福祉車両の紹介を行います。
脊髄損傷後の車への移乗方法と注意点

脊髄損傷を受傷し下半身が不随になり歩行が困難になると、移動手段は主に車椅子を使用しますが、遠くへ行く場合は自動車を使用することも選択肢に含まれます。
下肢が思うように動かなくても、方法次第では車へ乗車することができます。
この記事では、脊髄損傷後の車への移乗方法について解説します。
なお、脊髄損傷では受傷したレベルによって動作方法が変わります。
そのため、この記事では腕に障害がなく下肢を動かすことが困難な胸髄や腰髄を損傷した方について解説を行います。
一般的な自動車への移乗方法
脊髄損傷を受傷すると損傷した部位よりも下の神経が支配している部位を動かすことが難しくなります。
胸髄や腰髄を損傷すると、上肢は受傷前と同じように動かすことができますが、下肢は動かすことが困難になります。
そのため、車へ乗降するためには通常とは違う、以下のような手順を行う必要があります。
- 車への移乗の準備として、車のドアを全開にし車椅子を入り口のすぐ近くまで近づき、ブレーキをかけます。
- 次に人によって下肢を両方車に入れる、片方のみ車に入れる、車椅子のフットレストに載せたままにするのいずれかで車への乗り込みが行いやすい方法を選びます。
- プッシュアップを行い臀部を回転させて、車のシートに臀部を乗せます。
- 下肢を車内に上げていない場合は、腕を使用し下肢を車の中に引き上げます。
- 座り直しを行い、ふらつかない座位姿勢を作ります。
- 折りたたみ式の車椅子であれば畳んで助手席に、固定式の車椅子ならタイヤを外した後に後部座席に車椅子を乗せます。
- ドアを閉めます。
最も一般的な運転席への乗り込み動作は以上の通りになります。
助手席では同様の手順、後部座席では前方シートをできるだけ前に動かしてからであれば、より乗り降りがしやすくなります。
無理な移乗による肩や腰への障害
脊髄損傷者が移乗を行う時には無理な動作を行うと怪我をしてしまうことがあります。
特に座席に乗り込む時は体重を持ち上げる必要があるため、肩や腕に非常に強い力がかかります。
肩や腕に強い力をかけて臀部を引き上げる動作を繰り返して行うと、捻挫や腱板損傷の原因になるだけでなく、肩や腕の変形性関節症の原因にもなるため、注意が必要です。
臀部の引き上げを行う時は身体を前に倒して前傾姿勢になることで、無理な力を入れずに臀部を引き上げることができます。
また、車に乗り込む際は臀部を回転させて乗りますが、この際にドアなどで擦ってしまうとすり傷の原因になります。
感覚障害があると臀部を擦ったことに気が付かず、すり傷ができやすいため注意をしましょう。
さらに、車椅子を車に乗せる際に無理をすると腰を捻って痛めてしまうことがあるため、気をつけましょう。
少しでも移乗を楽にするための自助具
移乗動作はトランスファーボードやグリップなどの自助具を使用することで行いやすくできます。
トランスファーボードは移乗の際に臀部を乗せることのできる板のことで、設置式と持ち運び式の2種類があります。
設置式はサポートプレートとも呼ばれ、折りたたみ式で車のドアのすぐ横まで伸ばすことができ、臀部を移動させる距離を短くすることができます。
持ち運び式の場合は車椅子にボードを差し込み、車のシートまで臀部を滑らすように移乗を行います。
グリップは自動車に後付けすることができ、移乗の時の支持に使います。
自力での乗り込みが難しい場合はこのような自助具を使用することも視野に入れましょう。
移乗動作が困難でも車に乗れる福祉車両という選択肢
ここまでご自身で車への移乗を行う方法を解説しましたが、腕の力が足りないなどの理由で車に乗り込むことが難しいことがあります。
その際は、福祉車両での自動車の利用を検討します。
福祉車両は様々な種類があり、どの動作が困難かによって選択を行います。
代表的なものはシートが回転し下がるタイプや、車の後方からスロープを伸ばして車椅子のまま乗り込むタイプなどがあります。
シートが回転して下がるタイプでは、車椅子から座席への移乗の際に臀部を上に引き上げる必要がなくなるため、乗り移りが行いやすくなります。
車の後方からスロープを伸ばすタイプでは、車椅子から移乗を行う必要がなくなるため、筋力が弱くて動作を行うことが難しい方でも乗り込むことができます。
移乗動作が難しくても、福祉車両を利用することで安全に自動車に乗ることができます。
購入や改造には補助金や助成金が出る場合があるため、検討される場合は販売店や自治体に相談を行いましょう。
まとめ
この記事では脊髄損傷後の車への乗り降りの方法について解説しました。
脊髄損傷者の車の乗り降りは動作方法や環境を工夫することで行うことができます。
自力だけで車に乗り込めない場合はトランスファーボードなどの自助具を検討することで、移乗が行いやすくなります。
移乗動作が難しい場合でも福祉車両を使用することで、自動車の利用を行うことができます。
脊髄損傷で損傷した神経の治療は確立されていませんが、再生医療にはその可能性があります。
今後、神経再生医療×リハビリテーションの治療の研究は進んでいきます。
私たちのグループは神経障害は治るを当たり前にする取り組みを『ニューロテック®』と定義しました。
当院では、リハビリテーションによる同時刺激×神経再生医療を行う『リニューロ®』という狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療を行っていますので、ご興味のある方はぜひ一度ご連絡をお願いします。
よくあるご質問
- 持ち運び式のトランスファーボードと、車に固定するタイプ(跳ね上げ式)はどちらが良いですか?
- 複数の車(家族の車やタクシーなど)に乗る機会が多い方は、持ち運び式が便利です。
一方、ご自身の車や特定の車にしか乗らない方、車内でボードの収納場所に困りたくない方は、車に直接後付けできる固定式(跳ね上げ式)のサポートプレートがスムーズに移乗できておすすめです。
- 実際に自分に合った移乗方法や福祉車両を試すことはできますか?
- リハビリテーション施設訪問リハビリテーションなどで移乗のシミュレーションができるほか、各自動車メーカーの福祉車両取扱店では、実際の車を使って乗降の体験や試乗が可能です。
ご自身の車椅子を持参して、無理なく乗り込めるかサイズ感や動線を確認しましょう。
<参照元>
(1):脊髄損傷理学療法ガイドライン|理学療法ガイドライン第2版:https://cms.jspt.or.jp/upload/jspt/obj/files/guideline/2nd%20edition/p107-129_02.pdf
(2):頸髄損傷者に対する運転支援マニュアル|国立障害者リハビリテーションセンター:https://www.rehab.go.jp/application/files/1816/9015/7671/54__20230711.pdf
(3):HONDA福祉車両HP:https://www.honda.co.jp/welfare/?msockid=21c581d0a20f651611939481a35664bc













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