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脊椎すべり症について

           

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脊椎すべり症は、さまざまな原因により主に腰椎が変性したり、椎間板が分離したりした結果、腰椎の一部が前方に突き出してしまう疾患です。
そのために神経が圧迫され、腰痛や下肢の痛み、痺れ、筋肉の硬直などが生じます。
病歴や診察から疑われる場合は、画像検査が行われます。
安静や鎮痛、理学療法など非外科的治療によく反応しますが、最終的に椎骨を固定する手術が必要になることもあります。

脊椎すべり症とは?

変性すべり症と分離すべり症
脊椎すべり症は、主に腰の椎骨(背骨の骨)が影響を受ける疾患です。
脊椎すべり症では、下位の椎骨のひとつが、その真下の椎骨の前方に突き出てしまうというものです。
4番目の腰椎によく発症することが知られています。
通常は痛みを伴いますが、ほとんどの場合は治療が可能です。
また適切な運動療法を行うことで、この状態を回避することもできます。

脊椎すべり症の原因

脊椎すべり症
脊椎すべり症は、脊椎及び脊椎の間に存在する椎間板が変性することで発症する変性すべり症と腰椎分離に続いて発症する分離すべり症に分類されます。
一般的に変性による脊椎すべり症の原因は、年齢や遺伝、生活習慣などによってさまざまです。
子どもに生じる脊椎すべり症の場合は、生まれつき持っている遺伝的病気や外傷が原因で発症することがあります。
ただし、遺伝により発症する場合は、特に子どもに限定されず、どの年代でも発症する傾向があると言われています。
また思春期になり、急激に成長することも脊椎すべり症の原因となる場合があります。
またスポーツに伴って繰り返し腰に負担がかかることをすることによって背骨の歪みが大きくなり、より腰に負担がかかることがあります。
特に器械体操、重量挙げ、陸上競技、またサッカーのようなスポーツは、脊椎すべり症を発症しやすいと言われています。
脊椎分離に続いて発症する場合、椎骨の間の関節が分離することで脊椎が安定しなくなることが要因です。
特に成長期では、椎体の変形を伴うことがあります。
また年を経ると、椎間板が変性することも脊椎分離の原因となりえます。

脊椎すべり症の症状

脊椎すべり症の症状はさまざまです。
軽症の場合は、全く症状が出ないこともあります。
しかし重症の場合は、痛みや運動障害のために日常生活に支障をきたすこともあります。
代表的な症状として、長時間立っていたり、腰を反らせたりしたときに強い腰痛を感じる、持続的な腰痛がある、背中や足のこわばる、腰に圧痛がある、太ももに持続的な痛みや痺れがある、ふくらはぎやお尻の筋肉が硬直するなどがみられます。

脊椎すべり症の診断

脊椎すべり症の診断には、まず身体診察が大切です。
脊椎すべり症では、仰向けになった状態で、膝を伸ばしたまま足を上げることが難しくなることがあります。
脊椎がずれているかどうかを判断するには、下部脊椎の単純X線検査が重要です。
X線画像から、骨折の可能性があるかどうかを調べることもあります。
ずれた骨が神経を圧迫している可能性がある場合、より詳細な情報を得るためにCTスキャンや腰部のMRI検査を行うこともあります。

脊椎すべり症の治療

脊椎すべり症の治療法は、痛みや椎骨がずれている程度によって異なります。
主に非外科的治療と外科的治療に分けられます。

脊椎すべり症の非外科的治療

非外科的治療は、まず痛みを和らげ、骨が元の位置に戻ることを促進させることが目標です。
また治療の過程では、他人と接触するスポーツを避けることが重要です。
非外科的治療法には、以下のものが含まれます。

  • 装具の着用
  • 理学療法によるエクササイズを行う
  • 痛みを抑えるために鎮痛薬を服用する
  • ステロイドを局所に注射する

脊椎すべり症の外科的治療

脊椎すべり症では、通常まず非外科的治療を試みることが推奨されています。
しかし、脊椎すべり症の重症例や非外科的治療に反応しない場合、ずれた椎骨を外科的に矯正し、脊椎固定術と呼ばれる手術が必要になる場合があります。
また脊椎が神経を圧迫している場合にも手術が必要です。
脊椎固定術では、自分の骨と金属のプレートを使って、背骨を安定させます。
脊椎が治癒するまでの間、脊椎を支えるために装具を体内に挿入することもあります。
脊椎固定術が完了した後、骨が完全に癒合するまで4~8ヶ月かかります。
この術式の成功率は非常に高いと言われています。

脊椎すべり症の合併症

脊椎すべり症の症状を和らげるには、医学的な介入が不可欠です。
この症状を治療せずに放置しておくと、慢性的な痛みや永久的な神経の損傷を起こす可能性があります。
神経が損傷している場合は、最終的に足の麻痺を生じるかもしれません。
ただし脊椎すべり症の多くの人は、非外科的な保存的療法によく反応すると言われています。

まとめ

脊椎すべり症の全体像についてご説明しました。
慢性的な腰痛は、わたしたちの生活の質を著しく下げてしまうことがあります。
心あたりのある方は、症状がひどくなる前にぜひ脊椎を専門的に扱う整形外科や脳神経外科の医師に相談することをお勧めいたします。

Q&A

脊椎すべり症の症状は?
症状は腰部脊柱管狭窄症によく似ています。腰痛、間欠性跛行(歩行距離が長くなると脚が痛くなり、歩けなくなってしまう。立ち止まる、座り込むと改善する。)、下肢のしびれが多いです。

すべり症はどのくらいで治る?
薬物治療や理学療法、コルセットなどの保存治療がまず行われますが、経過には個人差があります。半年〜1年で効果に乏しい場合は手術療法も検討されるでしょう。

脊髄損傷の原因を詳しく説明します:https://stroke-lab.net/spinal-cord-injury/causes-of-spinal-cord-injury/
腰椎変性すべり症の画像所見の検討:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcsoa1989/12/2/12_2_345/_pdf

あわせて読みたい記事:脊髄損傷における回復例について


貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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