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シェーグレン症候群と芸能人について

           

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この記事を読んでわかること

シェーグレン症候群の概説がわかる
主な症状と治療法がわかる
罹患した芸能人の詳細がわかる


シェーグレン症候群は比較的若い女性に好発する自己免疫性疾患の一つであり、主に涙や唾液の分泌が障害されます。
治療には対症療法と免疫を抑えるための治療が行われます。
この記事ではシェーグレン症候群の概説と罹患した芸能人の紹介を行います。

シェーグレン症候群と他の自己免疫疾患の関連

シェーグレン症候群と芸能人について
シェーグレン症候群とは、自己免疫疾患の一つで、涙や唾液などの分泌が低下する病気のことを指します。
シェーグレン症候群は、他の疾患の合併がない一次性と、関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどに合併する二次性とがあります。
一次性シェーグレン症候群には、病変が唾液腺と涙腺に分泌する腺型と全身の臓器を障害する腺外型に分けられます。
日本では1年間に病院を受療した患者さんは約7万人と報告されています。また、女性に多く、発症年齢のピークは50歳台にあります。
比較的予後は悪くないとされていますが、症状が生活の質に影響があるため適切な診断、治療が必要です。

症状

ドライアイ、ドライマウス、気道や皮膚の乾燥症状が有名です。
唾液を分泌する唾液腺や、涙を分泌する涙腺の腫脹を伴います。
一方、唾液や涙の分泌に関する症状だけでなく、全身のあらゆる分泌に障害がでることが知られています。
全身症状には、関節炎・関節痛、間質性肺炎や慢性気管支炎などの呼吸器症状、原発性胆汁性胆管炎など非常に多彩です。

原因

確定した原因は不明とされており、自己免疫疾患と考えられています。
悪性リンパ腫やその他の膠原病など、別に原因がある場合もあります。

シェーグレン症候群の診断と治療

診断

診断のためにはいくつかの検査が必要です。
行う検査は、

  1. 組織の生検(口唇腺組織もしくは涙腺組織)
  2. 唾液腺造影もしくは唾液分泌量低下+唾液シンチグラフィー
  3. 眼科検査
  4. 血液検査(抗SS-A抗体、抗SS-B抗体)

の4種類です。
このうち、2項目が陽性であればシェーグレン症候群と診断されます。
並行して、筋症状、腎症状、肺症状、神経症状、皮膚症状などの探索を行います。

治療

大きく分けて乾燥への対症療法、免疫を抑える薬物療法、原疾患・合併疾患の治療があります。
乾燥への対症療法としては、人工涙液の点眼や人工唾液の噴霧、うがい、湿度を保つなどがあります。
乾燥症状が強い場合にはブロムヘキシンや麦門冬湯なども有効とされています。
免疫抑制薬のミゾリビンは疾患の進行を遅らせる効果があると言われています。
また、合併症や原疾患がある場合にはその治療も必要です。
悪性リンパ腫があれば化学療法や分子標的薬などの薬物療法が適応となります。

再生医療

近年では様々な分野で再生医療が研究されています。
免疫の暴走を抑えるための免疫抑制薬やドライマウスに対する治療は確かに有効ではありますが、根本的な治療ではありません。
シェーグレン症候群では、唾液腺の障害に対する根本治療として幹細胞移入での再生医療が検討されていますが、まだ実用化には至っておりません。
当院ではシェーグレン症候群などの膠原病に対する再生医療は導入しておりませんが、脳卒中後遺症や脊髄損傷の後遺症に対してニューロテック®という幹細胞点滴を導入しております。
さらに、並行してリハビリテーションを行う「再生医療×同時リハビリ™」でより高い効果を得られるような工夫も実施しています。

有名人が公表したシェーグレン症候群の経験

和田アキ子

みなさんご存じの歌手・タレントの和田アキ子さんは、60歳時にラジオ番組とテレビ番組で、自身にシェーグレン症候群の可能性があることを発言されました。

菊池桃子

女優の菊池桃子さんは、43歳時には発症していることを週刊誌が報じました。

夏目亜季

アイドルとして活動し、現在は荒川区議会議員である夏目亜季さんは、25歳時に診断を受けたことを自身のブログで発信しました。
全身性エリテマトーデスによる二次性のシェーグレン症候群のようです。

ヴィーナス・ウィリアムズ

元世界1位のテニスプレイヤーのヴィーナス・ウィリアムズさんは、2011年の全米テニスの2回戦を棄権しました。
その後、シェーグレン症候群と診断されていることを発表しました。

シェーグレン症候群についてのまとめ

この記事ではシェーグレン症候群についての概要と、シェーグレン症候群に罹患している芸能人について解説しました。
予後は悪くないといっても生活の質(Quality of Life)には大きく影響がある疾患です。
現在の治療でも十分ではありますが、再生医療などの新規の治療にも期待したいものです。

よくあるご質問

シェーグレン症候群 治療しないとどうなる?
シェーグレン症候群は、自己免疫疾患の一つで、涙や唾液の分泌が減少する病気です。放置すると、目や口の乾燥、口内炎、歯周病、嚥下障害などの症状が進行し、生活の質が低下することがあります。

シェーグレン症候群の寿命は?
シェーグレン症候群の予後についてまとめた論文はありませんが、一般に予後は良好と言われています。間質性肺炎、腎障害などの合併症がある場合、他の膠原病に続く二次性シェーグレン症候群の場合は寿命は短くなるかもしれません。

<参照元>
難病情報センター「シェーグレン症候群」:https://www.nanbyou.or.jp/entry/267
「成人のシェーグレン症候群の特徴と治療」:https://www.jstage.jst.go.jp/article/cra/29/4/29_219/_article/-char/ja/
「次世代再生医療としての唾液腺の器官再生」:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsci/38/2/38_93/_pdf/-char/ja

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貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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