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頚椎症性神経根症の原因や治療について

           

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この記事を読んでわかること

頚椎症性神経根症の病態と原因
頚椎症性神経根症を悪化させないためには?
頚椎症性神経根症の治療


頚椎症性神経根症とは脊髄から分岐する神経根がなんらかの原因によって圧迫され、主に上肢のしびれや麻痺を来す病気のことです。
可動域の広い頸部のストレッチや運動によって、神経根がさらに圧迫されて症状が悪化する可能性もあり注意が必要な病気です。
そこでこの記事では、頚椎症性神経根症の原因や治療に関して詳しく解説していきます。

頚椎症性神経根症の病態と原因

神経根
結論から言えば、頚椎症性神経根症は脊髄から分岐した神経根が圧迫されてしまう病気です。
神経の束である脊髄は脳からの運動の指令をそれぞれの筋肉に伝達する事で運動をコントロールしたり、逆に皮膚組織が感知した痛みや温度などの情報を集めて脳に届ける架け橋のような役割を担っています。
また脊髄は上から順に頸髄、胸髄、腰髄、仙髄、尾骨神経と区分けされていて、頸髄からは8対の頸神経、胸髄からは12対の胸神経、腰髄からは5対の腰神経、仙髄からは5対の仙骨神経、最後に1対の尾骨神経が左右に分岐しています。
つまり、上肢の運動や感覚は頸髄から分岐した頸神経を介して脳や体に伝達されており、下肢の運動や感覚は腰髄から分岐した腰神経を介して脳や体に伝達されているわけです。
わかりやすく例をあげると、まさに大木のような構造になっていて、中心部の太い幹が脊髄、そこから左右に分岐していく細い枝が神経ということになります。
頚椎症性神経根症の場合、頸髄そのものには影響はなく、頸髄から左右に分岐していく頸神経の根元、つまり神経根が圧迫されてしまう事で症状を来す病気なのです。
通常であれば神経根の腹側(前方)は運動神経が、背側(後方)は感覚神経が走行しているため、なんらかの原因で圧迫される部位が腹側だと麻痺が、背側だとしびれが出やすくなります。
では、なぜ頸髄から分岐した神経根が圧迫されてしまうのでしょうか?

加齢性変化

脊髄が走行している周囲を囲うように脊椎、つまり背骨が存在しており、背骨と背骨の間には衝撃を吸収する緩衝材である椎間板が存在しています。
20歳を過ぎた頃から加齢とともに椎間板の水分は失われていき、ヒビが入ったり潰れてしまいます。
これを加齢性変化と呼びますが、椎間板が上下から潰されると横方向に広がってしまうため、脊髄から分岐した神経根を圧迫してしまう可能性があるのです。
2本の指でボンドを潰した時に指からボンドがはみ出るのをイメージするとわかりやすいかもしれません。

普段の姿勢

日常生活における姿勢の悪さも原因になります。
姿勢が悪いと脊椎に一定方向の力がかかってしまい、脊椎の変形によって神経根が圧迫される可能性があります。
例えば、スマートフォンやパソコンの業務で長時間誤った姿勢を継続してしまうケースなどが挙げられます。

腫瘍性変化

頻度としては多くありませんが、大腸ガンや乳ガンなどの腫瘍が脊椎に転移した場合、脊椎内でガン細胞が増殖していき、周囲の神経根を圧迫してしまう可能性もあります。
どの原因にせよ神経根が圧迫されれば肩や腕に痛みが走り、しびれが出現することもあります。
どれほど圧迫されているかによりますが、症状の程度が強い場合には治療が必要となるため、普段から症状が悪化しないように気をつけて行動する必要があります。

頚椎症性神経根症を悪化させないためには?

では、頚椎症性神経根症を悪化させないためにはどう気をつけるべきなのでしょうか?
結論から言えば、首を後ろに曲げないように注意してください。
体の中でも頸部は非常に可動域が広く、左右に捻ることもできれば上下に振る事もできます。
その広い可動域のせいで、神経根が圧迫される可能性があるのです。
具体的に解説していきます。

やってはいけないストレッチ

首を後ろに曲げる、もしくは左右に振るようなストレッチは避けるべきです。
頸部を後方に反らせたり症状が出てる側に首を傾けると、神経根が骨に挟まれてしまい圧迫されてしまう可能性があるからです。

寝るときに注意すべき事

寝るときに注意すべき事は、枕を高く上げすぎないことです。
枕を高くしてしまうと、結果として首が後方に伸展されてしまうので症状が出現する可能性が高くなってしまいます。
他にも、うつ伏せで寝ると首に負担がかかってしまい症状を悪化させる可能性があるため、注意が必要です。

頚椎症性神経根症の治療

頚椎症性神経根症の治療には、主に保存療法と手術療法の2つがあります。
症状の程度や原因によって治療方法を選択します。
具体的に解説していきます。

保存療法

頚椎症性神経根症の多くは自然に軽快するため、頸椎カラーを当てて首を固定したり、消炎鎮痛剤の内服で経過を見ます。
症状が強い場合には、神経周囲に直接局所麻酔薬を注射して一時的に症状を緩和する神経ブロック治療が行われる事もあります。

手術療法

非常に症状が強く日常生活に支障をきたしてしまう場合や、原因がガンなどである場合、外科的手術で直接圧迫部位を除圧する必要があります。
神経根を圧迫している椎間板や骨を削り、神経の圧迫を解除する治療法です。

まとめ

今回の記事では頚椎症性神経根症の原因や治療について詳しく解説しました。
頚椎症性神経根症は、脊髄から分岐した神経の根元部分が椎間板や骨によって圧迫され、しびれや麻痺などの症状をきたす病気です。
人によっては、首を動かすだけでビリっとしびれが生じたり、継続的な麻痺によって筋力が低下し日常生活に支障を来してしまう人もいるため、悪化しないように普段の姿勢に気をつけるべきです。
また、近年では再生医療の発達も目覚ましいです。
これまで、一度損傷した神経は再生しないと言われてきましたが、再生治療の発達により機能の改善が期待されています。
頚椎症性神経根症によって不可逆的な神経損傷が生じてしまった場合にも改善が見込まれるため、現在その知見が待たれるところです。

よくあるご質問

頚椎症性神経根症とは?
頚椎症性神経根症とは脊髄から分岐する神経根がなんらかの原因によって圧迫され、主に上肢のしびれや麻痺を来す病気のことです。
可動域の広い頸部のストレッチや運動によって、神経根がさらに圧迫されて症状が悪化する可能性もあり注意が必要な病気です。

頚椎症性神経根症を悪化させないためには?
首を後ろに曲げる、もしくは左右に振るようなストレッチは避けるべきです。
また、寝るときに注意すべき事は、枕を高く上げすぎないことです。
他にも、うつ伏せで寝ると首に負担がかかってしまい症状を悪化させる可能性があるため、注意が必要です。

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    ・疼痛.JP : https://www.toutsu.jp/Pain/Keitsui
    ・頚椎症性神経根症|日本整形外科学会:https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/cervical_radiculopathy.html

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    PROFILEこの記事の監修
    貴宝院 永稔
    貴宝院 永稔 医師
    (大阪医科薬科大学卒業)
    • 脳梗塞・脊髄損傷クリニック 総院長
    • 日本リハビリテーション医学会認定専門医
    • 日本リハビリテーション医学会認定指導医
    • 日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
    • ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

    私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
    リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
    このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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