脊髄損傷で感覚はどう変わる?しびれ・痛み・温度感覚の障害再生医療|脳梗塞・脊髄損傷の幹細胞治療|ニューロテックメディカル

脊髄損傷で感覚はどう変わる?しびれ・痛み・温度感覚の障害

           

投稿日:
読み終わる時間は約 2


この記事を読んでわかること

脊髄損傷によって起こる感覚障害(しびれ・痛み・温度感覚)の特徴がわかる。
神経障害性疼痛や温度感覚障害のしくみと生活への影響がわかる。
感覚障害に対する日常生活での注意点や対策の考え方がわかる。


脊髄損傷では、運動機能だけでなく感覚にもさまざまな変化が生じます。
触れた感じが分かりにくくなるだけでなく、しびれや痛み、温度の感じ方に異常が出ることもあります。
日常生活に大きく影響し、けがや体調変化に気づきにくくなる原因にもなります。この記事では、脊髄損傷後にみられる感覚の変化について解説します。

しびれや感覚障害|触覚が鈍くなるしくみ

たくさんの枕が並んだベッド
脊髄が損傷を受けると、その部位以下の筋力低下や感覚障害が生じます。
また、脊髄損傷では皮膚や筋肉からの感覚情報が脳に伝わりにくくなります。
そのため、触れた感覚が鈍くなるほか、しびれとして感じられることもあります。
これは、感覚を伝える神経の通り道が障害されることで起こります。
特に損傷部位より下では、触覚や触った感じ、押された感じ(圧覚)、振動を感じる力(振動覚)などが低下することがあります。
例えば、胸椎T2レベルでの損傷は乳頭レベル以下の感覚が失われます。

しびれは「ピリピリする」「ジンジンする」といった異常感覚として表現されることが多く、必ずしも感覚が完全に失われているわけではありません。
むしろ、正常とは異なる形で感覚が伝わることで違和感として認識される状態です。
また、感覚低下があると、皮膚の傷や圧迫に気づきにくくなります。
その結果、褥瘡(じょくそう:長時間同じ姿勢が続くことで、皮膚やその下の組織が圧迫されて起こる傷)ややけどなどのリスクが高まるため注意が必要です。

日常的に皮膚の状態を確認することや、長時間同じ姿勢を避けることが重要です。
特に同一部位に圧力がかかり続けると血流が低下し、褥瘡の発生につながります。
そのため、定期的な体位変換や除圧が推奨されています。
座っている状態や寝ている状態ではクッションやマットレスを活用し、圧力を分散させることも有効です。
また、皮膚の清潔保持や適切な保湿、栄養状態の管理も褥瘡予防に重要です。

しびれや感覚低下は単なる不快症状ではなく、安全管理にも関わる重要な変化です。

神経障害性疼痛(感覚障害)|感じ方が変わる痛みの特徴

脊髄損傷後には、けがそのものとは異なる「神経障害性疼痛」がみられる場合があります。
これは、損傷された神経やその周囲の過剰な電気的活動(異常興奮)によって生じる痛みです。
神経が過敏な状態となることで、実際には強い刺激がなくても痛みとして認識されてしまいます。
この痛みは、焼けるような感覚や電気が走るような感覚、刺すような痛みなどとして表現されることが多いです。
そして、外からの刺激がなくても持続する場合があります。
また、軽く触れただけでも強い痛みを感じる「アロディニア」や、通常よりも強く痛みを感じる「痛覚過敏」がみられることもあります。
さらに、神経障害性疼痛は慢性的に続くことで睡眠障害や不安、抑うつなどにつながることもあり、生活の質に大きく影響します。
神経障害性疼痛は、一般的な鎮痛薬では十分な効果が得られにくいこともあります。
そのような場合には、抗てんかん薬や抗うつ薬などを用いた薬物療法が選択されます。
また、リハビリテーションや心理的サポートを組み合わせた包括的な対応が重要です。
脊髄損傷後の痛みは「けがの痛み」とは異なる仕組みで生じるため、その特徴を理解し、適切な評価と治療につなげることが重要です。

温度感覚の障害|やけどや低温障害のリスク

テーブル上のミニヒーターと湯気の出たマグカップ
脊髄損傷では、温かさや冷たさを感じる温度感覚にも障害が生じえます。
温度や痛みを伝える神経経路(脊髄視床路)が障害されると温度の認識が難しくなります。
その結果、熱いものに触れても気づかずやけどをしてしまう恐れもあります。
また、寒さを感じにくく低体温のリスクが高まるケースもあります。
特に入浴時や暖房器具の使用時には注意が必要であり、無意識のうちに皮膚障害を起こす可能性があります。
また、温度感覚の低下は痛みの感じ方にも影響を与えることがあります。
温度と痛みは近い神経経路で伝わるため、両方が同時に障害されることも少なくありません。
そのため、外からの刺激に対する反応が鈍くなり、けがや炎症に気づくのが遅れてしまいます。
さらに、温度感覚の障害がある場合は、日常生活での工夫が重要になります。
入浴前に温度計で湯温を確認する、暖房器具との距離を保つ、長時間同じ部位を温めないといった対策が有効です。
家族や周囲の人が状態を把握し、環境調整を行うことも安全確保につながります。
温度感覚の障害は見落とされやすい一方で、日常生活における安全管理に直結する重要な問題です。
また、発汗や血流調節といった自律神経(体温や発汗を調整する神経)の働きにも影響が及ぶことがあり、体温調節がうまくできなくなる場合があります。

そのため、暑い環境では熱がこもりやすく、寒い環境では体温が低下しやすくなる点にも注意が必要です。
季節や環境に応じた衣類の調整や室温管理を行うことが重要です。

まとめ

脊髄損傷では、しびれや感覚低下、神経障害性疼痛、温度感覚の障害など、さまざまな感覚の変化が生じます。
これらは神経の伝達経路が障害されることで起こり、日常生活や安全管理に大きく影響します。
感覚の変化を正しく理解し、適切な対策や治療につなげることが重要です。
近年では、神経回路の回復を目指す再生医療の研究も進んでおり、ニューロテック®の考え方のもと、リニューロ®のように狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療も注目されています。
今後はこうしたアプローチによって、感覚障害の改善にもつながる研究が進んでいます。

よくあるご質問

感覚障害がある場合、日常生活で特に注意すべきことは何ですか?
感覚が鈍い部位ではけがや皮膚トラブルに気づきにくいため、日常的な皮膚チェックや環境調整が重要です。
脊髄損傷後に感覚障害があるケースでは、入浴や暖房使用時には温度管理を徹底することも大切です。
神経障害性疼痛はずっと続くものですか?
個人差はありますが、神経障害性疼痛が慢性的に続くこともあります。
ただし、適切な薬物療法やリハビリにより軽減が期待できるため、早めに専門的な評価を受けることが重要です。

    脳卒中・脊髄損傷のご相談
    3ステップで簡単フォーム

    • お名前
    • Email・TEL
    • 年齢・内容

    お名前をご記入ください


    • お名前
    • Email・TEL
    • 年齢・内容

    メールアドレス

    電話番号

    ※携帯電話へショートメッセージでご連絡させていただく場合がございます。



    • お名前
    • Email・TEL
    • 年齢・内容

    年齢と地域の選択

    ご相談内容を入力

    送信前にプライバシーポリシー(別タブが開きます)を必ずご確認下さい。


    ※送信後にページが移動します。確認画面はありません。

    <参照元>
    1:脊髄損傷 | 一般社団法人日本脊髄外科学会:https://www.nsj-official.jp/general/diseasename/08_damage/sekizui.html
    2:脊髄損傷者の褥瘡の深さと健康行動との関係-Health Action Process Approachによる分析-.日本創傷・オストミー・失禁ケア研究会誌.2007;11(2):21-29.:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpnwocm/11/2/11_21/_pdf
    3:Karam Pazhouh F, Parvaz N, Saeidi Borojeni HR, Mahvar T, Alimoradi Z. Prevention of pressure ulcers in spinal cord injury. J Inj Violence Res. 2012 Nov;4(3 Suppl 1):90.:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3571616/
    4:Neuropathic Pain (Nerve Pain): What It Is, Causes & Symptoms|Cleveland Clinic:https://my.clevelandclinic.org/health/diseases/15833-neuropathic-pain

    関連記事


    事例紹介・インタビュー

    症例紹介動画(脊髄損傷|50代男性)

    症例紹介動画(右脳出血|30代女性)


    受付フリーダイヤル
    電話でのご相談
    受付:【月~土】9:00~18:00 ※日祝休み

    メールでの受付はこちら
    メールでご相談
    24時間・365日受付しております


    PROFILEこの記事の監修
    貴宝院 永稔
    貴宝院 永稔 医師
    (大阪医科薬科大学卒業)
    • 脳梗塞・脊髄損傷クリニック 総院長
    • 日本リハビリテーション医学会認定専門医
    • 日本リハビリテーション医学会認定指導医
    • 日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
    • ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

    私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
    リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
    このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


    再生医療の治療 各地クリニックの案内

    YouTubeチャンネル

    脳卒中や脊髄損傷など再生医療に関する情報はこちらでもご覧頂けます。
    脳卒中ラボ

    コメント

    この記事へのコメントはありません。

    脳卒中・脊髄損傷の後遺症の
           お悩みや治療のご相談
    お気軽にお問い合わせ下さい

    0120-955-573

    [電話受付]【月~土】9:00~18:00/日祝休