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足の場所が分からなくなる深部感覚障害とは?

           

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この記事を読んでわかること

深部感覚障害の概要
なぜ脳梗塞で深部感覚障害が出現するのか
深部感覚障害のリハビリテーション


脳梗塞を発症すると、関節の位置や運動方向が分かりづらくなる深部感覚障害が症状として現れることがあります。
深部感覚障害があると歩行などの動作が障害され、躓きやすくなるなどの問題が起こりやすくなります。
この記事では、脳梗塞後の深部感覚障害が起きる理由からリハビリテーションまで解説します。

脳梗塞で出現する深部感覚障害とは?

屋外でつまづきそうになっている老人
脳梗塞を発症すると、様々な症状が出現し生活に影響を与えます。
後遺症として手足が動かしにくくなる片麻痺や、感覚障害などがあります。

感覚は物を触った時に感じる触覚や痛みを感じる時の痛覚などを含む表在感覚、関節の角度や手足の位置を認識する深部感覚に分けられます。
深部感覚障害ではこれらの感覚が分かりづらくなったり、完全に分からなくなる症状が出現します。

力や重さを感じる深部感覚

深部感覚とは、手足の位置を感じる位置覚や関節を動かした時の方向を感じる運動覚などに分けることができます。

深部感覚は固有感覚とも呼ばれており、力や重さを感じる感覚として歩行などの運動を行うときに重要な役割を果たしています。

歩行での深部感覚の役割としては、歩く際にどれくらい筋力を使用するか決めたり、坂道や不整地などでは角度や凸凹を感じて転倒しないように動きを調整します。
そのため、脳梗塞で深部感覚障害が出現してしまうと歩行などの生活に関わる動作が障害されてしまうことがあります。

脳梗塞で深部感覚が障害されるメカニズム

脳梗塞は脳の血管が詰まることで脳内にある神経細胞が障害され発症します。
深部感覚は脳の表面にある体性感覚野と呼ばれる部位で認識されます。
脳梗塞によって、体性感覚野もしくは体性感覚野まで深部感覚の情報を運ぶ経路がダメージを受けてしまうことで深部感覚障害は出現します。
脳への血流が途絶えて一定の時間が経過すると、その部位の神経細胞が壊死します。
壊死してしまった神経細胞は本来の情報を伝えたり処理することができなくなります。
脳梗塞を起こした部位が体性感覚野では感覚を処理できず、感覚情報を伝えている経路であれば感覚野まで情報を届けられずに深部感覚障害が起こります。
症状は脳梗塞が起こった場所や大きさ、治療開始までの期間、治療方法などで変わります。
そのため、脳梗塞はできるだけ早期の発見と治療が後遺症を少なくするために重要です。

深部感覚障害で起こりうる生活場面での問題

深部感覚障害が起こると足などの位置や動かしている方向が分からなくなるため、生活場面で様々な問題が生じます。
最も起こりうる問題は足の位置が分からずに歩いた際に転倒することです。
通常、歩く際は目で確認しなくても足の位置が分かるため、歩幅や足を着く位置を意識しなくても転倒せずに歩くことができます。
しかし、深部感覚障害がある方は脚の筋肉がどのくらいの力を使っているのか、どの位置に足があるのかなどの情報が分かりません。
そのため、運動麻痺がなく筋力が保たれていても歩行を行うことがが難しくなります。
また、段差などがある際に脚をどの程度上げるかが感覚的に分からず、引っかかってしまって転倒してしまうリスクもあります。
その他の動作としては、ズボンに脚を通せなかったり、自転車でペダルを漕ぐ際に見ていないと足がずり落ちてしまうことがあります。
このように深部感覚障害があると、生活場面に大きな悪影響を与えてしまいます。

深部感覚障害と上手く付き合うために行うリハビリテーション

手すりのあるバリアフリー対応廊下を歩く老夫婦と子供
深部感覚障害に対するリハビリテーションではまず動作の再獲得から目指します。
歩く際に深部感覚が分からない状態だと、足を出す場所がばらつくだけでなく、そもそも足の位置が分からないためバランスを保って立つことができないことがあります。
そのため、立っている状態でバランスを取る練習から始め、少しずつ歩く練習を開始します。
歩く練習は深部感覚障害の程度によっては装具を使ったり、専用の機械を使用して上から吊って安全に練習を行う場合があります。
リハビリで歩けるようになった後も躓きには注意が必要です。
深部感覚障害があると、ふとした時に躓いて転倒してしまうことがあります。
特に屋外を歩いている際や家の段差などに注意が必要です。
転倒を防ぐためには視覚で深部感覚の代わりをしたり、生活環境を整えるなどの対策があります。
視覚で深部感覚の代わりをする場合は、目で地面の状態を見て足の位置や歩幅を調整します。
特に初めて行く場所などではしっかりと確認するように習慣づけましょう。
生活環境を整えるポイントは手すりを設置したり夜に足元が見やすくなるようにライトを設置するなどの対策があります。
後遺症として深部感覚障害がある場合は、転倒しないように対策を行って安全に生活しましょう。

まとめ

この記事では足の場所が分からなくなる深部感覚障害について解説しました。
深部感覚障害は脳梗塞などの神経の障害で出現し、関節の位置や運動方向が分かりにくくなる症状です。
症状が出現することで立つ・歩くなどの動作が難しくなり、日常生活にも影響を与えます。
リハビリでは動作ができるようになることを目指し、工夫を行うことで転倒を予防することができます。
脳梗塞で損傷した神経の治療は確立されていませんが、再生医療にはその可能性があります。
今後、神経再生医療×リハビリテーションの治療の研究は進んでいきます。
私たちのグループは神経障害は治るを当たり前にする取り組みを『ニューロテック®』と定義しました。
当院では、リハビリテーションによる同時刺激×神経再生医療を行う『リニューロ®』という狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療を行っていますので、ご興味のある方はぜひ一度ご連絡をお願いします。

よくあるご質問

足だけでなく、手にも深部感覚障害は起こりますか?
はい、起こります。
手の深部感覚が低下すると、目で見ないと物を落としてしまったり、卵などの柔らかい物を持つ際に無意識に強く握りすぎて潰してしまったりと、細かい動作が難しくなることがあります。
家の中ではスリッパを履いた方が良いですか?
スリッパは足からすっぽ抜けやすく、深部感覚が低下していると脱げたことにも気づきにくいため、転倒のリスクが非常に高いです。
室内では裸足、もしくは裏に滑り止めのついた靴下の着用をおすすめします。

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    1:脳卒中理学療法ガイドライン|理学療法ガイドライン第2版:https://cms.jspt.or.jp/upload/jspt/obj/files/guideline/2nd%20edition/p001-106_01.pdf
    2:深部感覚障害を有する患者への理学療法評価と理学療法の考え方|J -stage 関西理学 大沼俊博ら 6:39-42 2006年:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jkpt/6/0/6_0_39/_pdf/-char/ja
    3:感覚障害に対する運動療法の考え方|J -stage 嘉戸直樹 関西理学 14:33-36 2014年:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jkpt/14/0/14_33/_pdf

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    PROFILEこの記事の監修
    貴宝院 永稔
    貴宝院 永稔 医師
    (大阪医科薬科大学卒業)
    • 脳梗塞・脊髄損傷クリニック 総院長
    • 日本リハビリテーション医学会認定専門医
    • 日本リハビリテーション医学会認定指導医
    • 日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
    • ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

    私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
    リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
    このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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