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脳卒中後の生活と寿命の長期視点での影響と対策

           

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この記事を読んでわかること

脳卒中が寿命に与える影響がわかる
脳梗塞・脳出血・くも膜下出血の寿命への影響の違いがわかる
脳卒中発症予防の方法がわかる


脳卒中は急性期に命の危険があり、急性期を脱しても後遺症や合併症によって寿命が短縮する可能性があります。
また、これらの疾患は再発しやすく、再発すればさらに後遺症が増悪する可能性があるため、いかに発症、もしくは再発を予防するかが重要です。
この記事では、脳卒中後の生活と寿命の長期視点での影響と対策について詳しく解説します。

脳卒中が寿命に与える影響と統計データ

脳卒中が寿命に与える影響と統計データ
脳梗塞や脳出血を発症した場合、急性期に脳に重篤な障害や負担がかかると、呼吸や循環を維持できずに死亡してしまう可能性があります。
また、急性期を乗り越えても麻痺や痺れなどの後遺症が残れば生活にさまざまな支障を来たし、長期的には嚥下機能の低下による誤嚥性肺炎や排尿障害に伴う尿路感染の発症などによって、脳卒中の発症していない状態よりも寿命が短くなる可能性があるため、注意が必要です。
実際に、Shavelleらの研究では脳卒中患者の長期追跡研究11個をまとめて、年齢・性別・mRS別の死亡率を算出し、寿命に与える影響を評価しています。
なお、mRSとはmodified Rankin Scale(修正ランキンスケール)の略で、神経疾患後の機能障害の程度を評価するために用いられるスケールのことです。
(0〜5で評価され、5に近いほど重度の障害)
その結果、性別に関わらず全年代で、mRSが高ければ高いほど、寿命が短縮してしまうことがわかりました。
例えば、70歳の男性の平均余命は、Rankin Grade 0〜5でそれぞれ13年、13年、11年、8年、6年、5年でした。
一般人口の70歳男性の平均余命は14年であるため、それぞれ1年、1年、3年、6年、8年、9年、寿命が短縮しているわけです。

この傾向は全ての年代で同様の結果が得られており、脳卒中の神経障害の程度によって平均余命が短縮することが明らかとなっています。
一方で、脳卒中は脳梗塞・脳出血・くも膜下出血の総称であり、それぞれの病型によっても平均余命に与える影響は異なります。
鈴木らの報告によれば、それぞれの病型による平均余命は下表の通りです。

平均 脳梗塞 脳出血 くも膜下出血
50代男性 28.9年 20.9年 23.5年 20.6年
50代女性 35.0年 30.8年 27.7年 24.8年

以上のデータを見ると、特にくも膜下出血は平均余命に与える影響が大きく、また病型に関わらず、脳卒中発症によって平均余命が短縮することがわかります。

生活習慣の見直しと再発予防の重要性

生活習慣の見直しと再発予防の重要性
脳卒中は再発しやすい病気であり、再発率は発症後1年で12.8%、5年で35.3%、10年で 51.3%、とのデータがあります。
再発した場合はさらに重篤な神経学的後遺症が残りやすく、脳卒中の再発を予防するためには、動脈硬化の進展を予防することが最も重要であり、そのためには生活習慣の見直しが重要です。
脳梗塞・脳出血・くも膜下出血は、どの病型であっても脳血管が動脈硬化によって硬く・脆くなることで発症します。
動脈硬化の進展予防のためには、下記のような生活習慣に注意しましょう。

  • 塩分の過剰摂取を控え、1日6g未満に抑える
  • カリウムの豊富な緑黄色野菜の積極的な摂取
  • 過剰な脂質・糖質の摂取は控える
  • 過剰な飲酒・喫煙は控える
  • 1回30分以上の運動を最低でも週に3日以上は行う
  • マグネシウムやタンパク質をしっかり摂取する
  • 肥満の方はダイエットを行う

また、脳梗塞の場合は抗血小板薬や抗凝固薬、脳出血の場合は降圧剤などの内服も、処方されている場合は内服忘れのないように注意しましょう。

定期的な医療チェックと健康管理の方法

脳卒中再発予防や健康管理のためには、定期的な医療チェックが重要です。
特に、脳卒中の発症の原因である動脈硬化の程度を知るためには、血管年齢をチェックするための「CAVI」と呼ばれる検査や、頭部MRAによる血管の評価がとても有用です。
また、脳梗塞発症後に抗凝固薬であるワーファリンを飲まれている方の場合、その効果を血液検査で定期的にチェックする必要があります。
これ以外にも、血液検査で血糖値やLDL、中性脂肪の値をチェックすることで、糖尿病や高脂血症の有無をチェックすることもでき、その値によって生活改善に取り組めば、動脈硬化の進展を予防することができます。
自分の余命を短縮させないためにも、健康状態を定期的にチェックしましょう。

まとめ

今回の記事では、脳卒中が寿命に与える影響と対策について詳しく解説しました。
脳卒中は一度発症すると神経学的後遺症が残ってしまい、しかもその程度に比例して平均余命が短縮することが知られており、いかに発症や再発を予防するかが重要です。
発症や再発の予防のためには、生活習慣を見直し、日々の食事内容には十分注意しましょう。
一方で、近年では脳卒中の後遺症に対する新たな治療法として、再生医療が非常に注目されています。
また、ニューロテックメディカルでは、「ニューロテック®」と呼ばれる『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』も盛んです。
「ニューロテック®」では、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しています。
また、神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「同時刺激×神経再生医療Ⓡ」によって、これまで改善困難であった脳卒中に伴う神経学的後遺症の改善が期待でき、寿命の改善が期待できます。

よくあるご質問

脳梗塞になったら生活で気をつけることは?
脳梗塞になったら普段の食事内容など、日常生活に気をつける必要があります。
塩分や糖分は控え、野菜やタンパク質中心の食事がおすすめです。
また、定期的な運動習慣も再発予防には有用です。

脳卒中になると体にどんな影響がありますか?
脳卒中になると四肢に麻痺やしびれなどの後遺症が残る可能性があります。
また、障害される部位によっては注意力や記憶力、判断力など、高次脳機能も障害される可能性があります。

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    1:Life Expectancy after Stroke Based On Age, Sex, and Rankin Grade of Disability: A Synthesis|Pub Med:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31676160/
    2:秋田研究 脳卒中の予後|J STAGE:https://www.jstage.jst.go.jp/article/geriatrics/45/2/45_2_169/_pdf
    3:脳卒中の再発予防|京都大学医学部附属病院:https://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/department/division/pdf/strokesupport/strokesupport_20230405_04.pdf

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    PROFILEこの記事の監修
    貴宝院 永稔
    貴宝院 永稔 医師
    (大阪医科薬科大学卒業)
    • 脳梗塞・脊髄損傷クリニック 総院長
    • 日本リハビリテーション医学会認定専門医
    • 日本リハビリテーション医学会認定指導医
    • 日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
    • ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

    私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
    リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
    このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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