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医師が解説する高血圧性脳出血の診断と最新治療法

           

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この記事を読んでわかること

高血圧性脳出血のCTやMRIによる診断方法がわかる。
高血圧性脳出血のCTやMRIによる診断方法がわかる。
高血圧性脳出血における治療後のリハビリの重要性がわかる。


高血圧性脳出血は、高血圧が原因となり脳内の血管が破れ、血腫ができてしまうことです。
正確な診断のために、CTやMRIが有効です。
今回の記事では、CTやMRIの検査によって何がわかるのか、また手術と保存的治療の違い、治療後のリハビリの重要性について詳しく解説します。
ぜひ参考にしてください。

高血圧性脳出血のCTやMRIによる診断方法

高血圧性脳出血のCTやMRIによる診断方法
高血圧性脳出血は、脳内の細い動脈が破れて出血することで発生します。
特に長期間の高血圧によって血管が脆くなることが主な原因です。
脳出血が起こりやすい部位としては、大脳基底核領域があります。
少数の方では、小脳や橋にも起こります。
(参照サイト:1.脳卒中における画像診断の役割.東保学誌.2000:3(1);5-12.|J STAGE)
発症すると、突然の頭痛、意識障害、手足の麻痺などが現れます。
命に関わることもあるため、迅速な診断と治療が求められます。
脳出血を診断するためには、CTやMRIといった画像診断が用いられます。
ここでは、それらの診断方法について解説していきます。
(参照サイト:脳神経|日本医学放射線学会)

CT(コンピュータ断層撮影)

CT検査は、急性期の脳出血の診断に最もよく用いられる画像診断法です。
出血が起きた直後から血腫の存在を明確に確認できるため、診断の第一選択肢となります。
CTでは、出血している領域は高吸収、つまり白っぽく映ります。
脳梗塞は初期症状が脳出血と似ているため、CT検査で脳に出血が見られるかどうかは、それらの違いを鑑別するためにもとても有用です。
また、CTアンギオグラフィー(CTA)を用いることで、血管の状態を詳しく評価し、動脈瘤や血管奇形の有無を確認することも可能です。

MRI(磁気共鳴画像)

MRIはCTよりも詳細な画像が得られ、特に微小な出血の発見に有用です。
また、慢性期の出血や脳の浮腫の評価にも適しています。
典型的な所見としては、出血後早期の段階では、血液中のオキシヘモグロビンがデオキシヘモグロビンへと変化します。
そのため、急性期出血はT1強調像で等信号(周りの脳組織と同じような黒さにみえる)から高信号(白く見える)、T2強調像や拡散強調像で高信号から低信号となります。
また、T2*(スター)強調像では、デオキシヘモグロビンは強い低信号、つまり周りよりも黒く見えるため、急性期出血、特に小さな出血を見分けるために有効とされています。
また、MRI検査は、血腫ができてからどれくらいの時間が経過したかを推定するのにも役立っています。

治療方法の選択肢として手術と保存療法の違い

高血圧性脳出血の治療
ひとたび脳出血が起こると、根本的な治療法はありません。
出血によって神経細胞がダメージを受けてしまうものの、出血が小さくなると症状が多少は改善することがあります。
そのため、全身状態を管理しながら、出血がこれ以上大きくならないようにし、脳の血腫がかたまって自然に周囲に吸収分解され、消失するのを待つことが基本となります。
高血圧性脳出血の治療には、大きく分けて手術療法保存療法の2つの選択肢があります。
(参照サイト:脳梗塞、脳出血(脳卒中)|KOMPAS 慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト)

手術療法

出血量が多く、脳の圧迫が強い場合には、外科的手術が検討されます。
主な手術方法には以下のものがあります。

  • 開頭血腫除去術
    頭蓋骨を一部開いて血腫を取り除く方法。
    大きな血腫や意識障害がある場合に適用される。
  • 内視鏡的血腫除去術
    小さな開口部から内視鏡を挿入し、血腫を除去する低侵襲手術。
    高齢者や全身状態が悪い患者にも適用されやすい。

保存療法

比較的軽度の脳出血では、血圧管理を中心とした保存的治療が行われます。
具体的には以下のような管理が重要です。

  • 降圧療法:再出血を防ぐために血圧を適切にコントロールする。
  • 抗脳浮腫薬:脳のむくみを抑える薬を投与
  • 呼吸管理:血液中の酸素濃度が低い場合には酸素吸入
  • 循環管理:血圧・脈拍数を適切に管理
  • 点滴:栄養や水分を補助
  • 感染症予防:口の中をきれいに保ち、誤嚥性肺炎を予防
  • 経管栄養:口から栄養がとれない場合には、チューブを用いて栄養を投与
  • リハビリの早期導入:機能回復を目指し、脳の可塑性を活かしたリハビリを実施

高血圧性脳出血における治療後のリハビリの重要性

高血圧性脳出血における治療後のリハビリの重要性
高血圧性脳出血の治療後は、適切なリハビリを行うことで機能回復を促進できます。
(参照サイト:脳卒中後のリハビリテーションについて|京都大学医学部附属病院)

急性期のリハビリ

脳出血後も、早期からのリハビリをすることが大切です。
以下のような物があります。

  • ベッド上での体位変換や関節可動域訓練を開始。
  • 廃用症候群を防ぐために早期のリハビリ介入。

回復期のリハビリ

回復期には以下のようなリハビリを行います。

  • 理学療法(PT):歩行訓練やバランス改善トレーニング。
  • 作業療法(OT):日常生活動作(ADL)の改善。
  • 言語療法(ST):発語や嚥下機能の回復を目指す

まとめ

高血圧性脳出血の診断には、CTやMRIが用いられ、迅速な対応が求められます。
治療法としては、手術療法と保存療法の選択肢があり、患者の状態に応じて最適な方法が選ばれます。
また、治療後のリハビリがとても重要です。
近年の再生医療の発展により、高血圧性脳出血の後遺症の軽減が可能になってきています。
ニューロテック®の狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療リニューロ®をはじめとする新しい治療法を活用することで、より良い回復を目指しましょう。

よくあるご質問

高血圧性脳出血の治療法は?
高血圧性脳出血の治療には、出血量や症状の重さに応じて手術療法と保存療法があります。
手術療法には開頭血腫除去術や内視鏡的血腫除去術があり、大きな血腫を取り除くために行われます。
一方、保存療法では血圧管理や薬物療法、呼吸・循環管理を行い、リハビリを早期に導入して回復を目指します。

高血圧の治療法にはどんな種類がありますか?
高血圧の治療法には、生活習慣の改善と薬物療法があります。
生活習慣の改善では、減塩や適度な運動、ストレス管理が重要です。
薬物療法では、降圧薬としてACE阻害薬、ARB、カルシウム拮抗薬、利尿薬、β遮断薬などが使用され、個々の状態に合わせた治療が行われます。

<参照元>
1:1.脳卒中における画像診断の役割.東保学誌.2000:3(1);5-12.|J STAGE:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjhs/3/1/3_KJ00001519901/_pdf
2:脳神経|日本医学放射線学会:https://www.radiology.jp/content/files/gl2021/gl_2021_01.pdf
3:脳梗塞、脳出血(脳卒中)|KOMPAS 慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト:https://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000326.html
4:脳卒中後のリハビリテーションについて|京都大学医学部附属病院:https://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/

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PROFILEこの記事の監修
貴宝院 永稔
貴宝院 永稔 医師
(大阪医科薬科大学卒業)
  • 脳梗塞・脊髄損傷クリニック 総院長
  • 日本リハビリテーション医学会認定専門医
  • 日本リハビリテーション医学会認定指導医
  • 日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
  • ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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