しゃっくりがサイン?見逃せない脳梗塞の前兆と注意点 | 脳卒中・脊髄損傷|麻痺痺れなど神経再生医療×同時リハビリ™で改善

しゃっくりがサイン?見逃せない脳梗塞の前兆と注意点

           

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この記事を読んでわかること

しゃっくりの原因がわかる
しゃっくりの原因がわかる
持続的なしゃっくりを認めた場合の適切な対処法がわかる


ほとんどの場合、しゃっくりが止まらない原因は飲酒や胃の膨満などですが、稀に脳梗塞の可能性があるため、注意が必要です。
脳梗塞に伴うしゃっくりの場合、通常のしゃっくりよりも持続的で症状が治りにくいという特徴があります。
この記事では、脳梗塞としゃっくりの関係性や前兆となる症状、対処法などについて詳しく解説します。

なぜしゃっくりが?脳梗塞としゃっくりの意外な関係

なぜしゃっくりが?脳梗塞としゃっくりの意外な関係
しゃっくりと聞くと、大したことない症状と考える方がほとんどだと思いますが、稀に脳梗塞の初期症状として出現することもあるため、注意が必要です。
そもそもしゃっくりとは、呼吸で息を吸い込む際に声帯が一時的に閉鎖してしまい、横隔膜や肋間筋に強いストレスがかかることで筋肉が痙攣する反応と考えられてきました。
しかし、近年研究が進み、そのメカニズムが徐々に解明されてきています。
Aritaらによれば、猫を用いた動物実験において、延髄疑核腹外側部分の網様体を電気刺激したところ、しゃっくりが誘発されることを発見し、延髄網様体にしゃっくりの反射中枢があることを証明しました。
さらに、Kondoらによれば、舌咽神経咽頭枝を電気刺激することでしゃっくりを誘発させられることを解明しました。
以上のことから、しゃっくりのメカニズムとしては鼻咽頭背側を支配する舌咽神経咽頭枝に刺激が入り、その刺激は中枢にある延髄毛様体に伝えられ、横隔神経や迷走神経が刺激されることで横隔膜の痙攣や声帯閉鎖が同時に起こっていると考えられています。
そのため、稀ではありますが脳梗塞などによって延髄に何らかの支障をきたすと、しゃっくりが止まらなくなる可能性があり、注意が必要です。
胃の膨満や飲酒でもしゃっくりは生じやすいですが、これらが原因の場合は基本的に症状は一過性です。
一方で、脳梗塞に伴うしゃっくりは持続的であるため、長く続くようなら脳梗塞の可能性があります。

しゃっくり以外にも注意!見逃しやすい脳梗塞の初期症状

脳梗塞には、しゃっくり以外にも下記のような初期症状を認めます。

  • 運動機能障害:手足の麻痺・口角が上がらない
  • 感覚機能障害:手足の痺れ・顔面の痺れ
  • 言語機能障害:構音障害・呂律障害・失語
  • 視力障害:複視・片方の目が見えにくい
  • 視野障害:一部の視野が欠損する・左右片側が見えない

これに加え、軽度の頭痛や嘔気・嘔吐を訴えることも少なくありません。
上記のような初期症状を認める場合、早期に医療機関を受診することを勧めます。

しゃっくりが止まらない…もしかして脳梗塞?危険なサインを見逃さない

しゃっくりが持続的に継続する場合、脳梗塞の可能性があります。
とは言っても、しゃっくりは日常のさまざまなシーンで出現するため、一般の方が症状だけで判断するのは困難です。
そんな時は、脳梗塞の「FAST」を観察しましょう。

  • Face:左右一方の口角の下りや顔の歪みをチェック
  • Arm:腕の挙上が左右同じ程度かどうかチェック
  • Speech:呂律や見当識・会話の辻褄が合うかチェック
  • Time:発症時刻をチェックする

上記のような方法でチェックすることで、一般の方でも脳梗塞の危険なサインを見逃さずに早期発見できます。
また、脳梗塞は発症から治療開始までの時間によって治療方法が変わるため、発症時刻をできる限り記録しておくと良いでしょう。

しゃっくりが出たらどうすれば?すぐにできる対処法と受診のタイミング

しゃっくりはほとんどの場合、胃の膨満や飲酒・刺激的な食事の摂取などに伴う頻呼吸によって、血液中の二酸化炭素濃度が低下することが原因です。
そのため、すぐにできる対処法は主に下記の2つです。

  • 息を止めて横隔膜に圧をかける
  • 紙袋を口に当てて数回呼吸する

これらの方法はどちらも血液中の二酸化炭素濃度を上昇させるものであり、それによって呼吸中枢が刺激されてしゃっくりが解除されると考えられています。
しかし、延髄が何らかの病気によって障害を受けた結果しゃっくりが出ている場合、上記のような方法では症状は改善されません。
基本的には原因疾患への治療を優先すべきであり、脳梗塞が原因であれば医療機関での専門的な治療が必要となるため、やはり医療機関への受診を急ぐべきでしょう。

まとめ

今回の記事では、脳梗塞としゃっくりの関係性について詳しく解説しました。
脳梗塞の初期症状としては、本記事で紹介したような麻痺やしびれ・構音障害や視覚障害が一般的です。
一方で、稀ではありますが、延髄毛様体が障害されることで脳梗塞でもしゃっくりが生じる可能性があります。
持続的なしゃっくりを認める場合は、早急に医療機関を受診し、専門的な治療を受けることが重要です。
もしただのしゃっくりだと考えて対応が遅れると、脳梗塞の後遺症がずっと残ってしまう可能性があります。
現状ではこれらの後遺症に対してリハビリテーションが唯一の改善策ですが、近年では再生治療が新たな治療法として非常に注目されています。
また、ニューロテックメディカルでは、「ニューロテック®」と呼ばれる『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』も盛んです。
「ニューロテック®」では、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しています。
また、神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「同時刺激×神経再生医療Ⓡ」によって、しゃっくりの原因となる脳梗塞後遺症の改善も期待できます。

よくあるご質問

脳梗塞の前兆としてしゃっくりが出ることはありますか?
脳梗塞の前兆としてしゃっくりが出ることがあります。
しゃっくりは延髄の毛様体と呼ばれる部位が刺激されることで生じるため、脳梗塞や脳出血などによって同部位が障害されるとしゃっくりが止まらなくなる可能性があります。

脳梗塞の前触れに4つの症状は?
脳梗塞の初期症状はさまざまですが、麻痺などの運動障害・痺れなどの感覚障害・構音障害や呂律が回らないなどの言語障害・物が二重に見えるなどの視覚障害が挙げられます。
これらの症状を認める場合、早期に医療機関を受診するべきです。

<参照元>
・日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会:https://www.jibika.or.jp/owned/contents6.html
・長寿科学振興財団 健康長寿ネット:https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/koureisha-shokuji/sesshoku-enge-youin.html
・国立循環器病研究センター:https://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/disease/stroke-2/

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貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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