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脳梗塞による顔面麻痺の治療とリハビリ

           

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この記事を読んでわかること

顔面麻痺はどのような原因でおこるのか
脳梗塞による顔面麻痺の特徴はどのようなものか
顔面の筋肉のリハビリのポイントは何か


顔面麻痺は、顔の筋肉を動かすための顔面神経が麻痺してしまうことで、目や口の周りの筋肉が動かなくなってしまう状態です。
原因として、脳梗塞などの脳卒中によるものもあります。
今回の記事では、脳梗塞による顔面麻痺の治療とリハビリについて述べていきます。

顔面麻痺の治療方法と回復の見込み

麻痺の診断
顔面の麻痺は、顔の筋肉が急に動かなくなってしまう症状です。
顔面神経麻痺によって起こります。
顔面神経麻痺は、大きく分けると末梢性麻痺と中枢性麻痺に分類されます。

引用)顔面神経麻痺の診断と治療.日耳鼻.2012:115-118. p115
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka/115/2/115_2_118/_pdf

末梢性麻痺は顔面神経麻痺の約9割を占めています。
一方、中枢性麻痺は、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの脳卒中や、脳腫瘍などによって起こるものですが、こちらも見逃すことができないものです。
末梢性と中枢性との違いとしては、末梢性では左右どちらかの顔面が均一に麻痺することに対して、中枢性のものでは上まぶたからおでこにかけては麻痺がみられないことです。
また、脳血管障害による顔面神経障害の場合には、手足の麻痺や頭痛、など他の症状が出ることもあります。
治療方法には、原因となる脳梗塞の治療が最優先となります。
脳梗塞の治療には、血栓溶解療法や血管内治療などがあります。
顔面麻痺自体の治療としては、ステロイド薬の投与や抗ウイルス薬の使用が一般的です。
さて、それでは回復の見込みについて、解説しましょう。
脳梗塞の治療が早ければ、神経の損傷を防ぐことができるかもしれません。
しかし、神経が損傷され、1年以上経っても神経のネットワークが回復しない場合、表情筋という顔面の筋肉は脱神経萎縮(だつしんけいいしゅく)という状態となり、回復見込みが乏しい状態となってしまうとされています。

リハビリテーションによる顔面機能の改善

顔面神経麻痺が起こった後、神経が再生する際に神経が以前支配していた部分以外に迷入(めいにゅう;迷い込むこと)して、そこで再生してしまうことがあります。
すると、瞬きをする際に口の周りの筋肉である口輪筋(こうりんきん)が動き、会話をする際に目の周りの筋肉である眼輪筋(がんりんきん)が収縮する、という病的共同運動(びょうてききょうどううんどう)という状態が形成されてしまいます。
こうした顔面麻痺による顔面機能の回復を促進するために、リハビリテーションが重要な役割を果たします。
顔面の筋肉である顔面表情筋は皮筋(ひきん)というもので、手足の筋肉とは異なった特徴があります。
そのため、手足の筋肉とは異なったリハビリテーションが必要となります。
リハビリテーションでは、激しく表情筋を鍛えるということは避け、表情筋を伸ばし、マッサージを頻繁に行うことが大切となります。
さらに、バイオフィードバック療法という、筋電図で筋肉の収集を客観的にモニターしながら、自分の顔の動きを振り返り、動かし方を学んでいくというものもあります。
こうしたリハビリによって、顔の筋肉の動きを改善し、表情を豊かにすることを目指します。
また、鏡を使ったトレーニングや、日常生活での顔の表情を意識することも、リハビリテーションの一環として勧められています。
リハビリテーションは、専門のリハビリテーション医や理学療法士の指導のもとで行うことが重要です。

顔面麻痺の治療で注意すべきポイント

顔面神経の治療ポイントとしては、まず、治療は早期に開始することが重要です。
早期に治療を開始することで、回復の見込みが高まります。
また、顔面麻痺が原因で目がしっかり閉じない場合は、目の乾燥や感染を防ぐために、人工涙液の点眼や目薬の使用が必要になることがあります。
さらに、口の周りの筋力低下のため、食事の際には、飲み込みにくいことがあります。
そのため、食べやすい食事を選ぶことが大切です。

まとめ

脳梗塞による顔面麻痺の治療とリハビリテーションは、早期の治療開始と適切なリハビリテーションが鍵となります。
治療とリハビリテーションを通じて、顔面機能の改善と回復の見込みを高めることができます。
一方、一度傷ついてしまった神経は治療することが難しく、また顔面神経麻痺の場合には修復がうまく行かないと後遺症を残してしまうことにも繋がります。
そこで、再生医療による神経治療に期待が高まっています。
私たちニューロテックメディカルでは、脳卒中・脊髄損傷を専門として、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しております。
リニューロ®では、同時刺激×神経再生医療™、骨髄由来間葉系幹細胞を用いて脳や脊髄の治る力を高めた上で、神経再生リハビリをおこなうことで神経障害の軽減を目指しています。
顔面神経麻痺やその後遺症にお悩みの方は、ぜひ一度当院にお問い合わせください。

よくあるご質問

顔の半分が垂れるのは脳梗塞ですか?
顔の片側しか動かないという症状だけでも脳梗塞の場合があります。脳梗塞の場合には、その他にも片側の手足が動かなくなる麻痺や、ろれつが回らなくなるなどの言葉の症状などが現れることもありますので、当てはまる場合には早めに神経内科や脳神経外科といった医療機関を受診しましょう。

脳梗塞の初期症状で顔面が歪むのはなぜですか?
脳梗塞の初期症状の一つとして、顔の筋肉を支配する神経が障害され、顔の筋肉が麻痺してしまうことがあります。すると、顔の片側の目や口の周りが自分の意思とは無関係に垂れ下がり、左右の表情に差が現れるということになります。

<参照元>
◆顔面神経麻痺の診断と治療.日耳鼻.2012:115-118.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka/115/2/115_2_118/_pdf
◆中枢性顔面神経麻痺 杏林医学部付属病院
https://www.kyorin-prs.com/fp/chuusuusei.html
◆―顔面神経麻痺―.日耳鼻.2015.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka/118/3/118_266/_pdf
◆バイオフィードバック療法.心身医.2023;63(1):59-63.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpm/63/1/63_63.1_59/_pdf/-char/ja

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貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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