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進行性核上性麻痺とは

           

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この記事を読んでわかること

進行性核上性麻痺とは
進行性核上性麻痺の症状
進行性核上性麻痺に対する再生医療


脳や神経の病気には治療の難しい病気が少なくありません。
よく聞くアルツハイマー病やパーキンソン病もその一つで、決め手となる治療法がないのが現状です。
この記事で紹介する「進行性核上性麻痺」はアルツハイマー病やパーキンソン病と同じ「変性疾患」に分類される難病です。
病気の基本的情報から、再生医療の可能性まで解説します。

進行性核上性麻痺とは

進行性核上性麻痺の症状の進行
進行性核上性麻痺は1964年にSteeleらによって報告された疾患で、中年期以降にパーキンソン病に類似した症状を示すことを特徴としています。
脳の神経細胞に異常リン酸化タウ蛋白という物質が蓄積することで神経の機能が失われると考えられているものの、異常物質が蓄積してしまう原因は分かっていません。
国内では10万人あたり5〜15人程度の発症率であり、この病気の医療受給者証を保持している方は約11000人いるとされています。
症状の進行は比較的速いことが知られており、発症から2〜3年で車いすが必要となり4〜5年で寝たきり、余命は5〜9年程度であるとされています。

進行性核上性麻痺の症状

早い段階から姿勢を保持するのが難しくなり、後ろへ転倒しやすくなります。
体に力が強く入りすぎてしまい(固縮)、スムーズな運動が難しい状態です。
眼球の症状に特徴があり、垂直方向の動きが制限されやすくなります。
進行性核上性麻痺には亜型があることが分かっており、これらの症状に加えて手のふるえなどパーキンソン病のような症状が目立つもの、すくみ足や歩行障害が目立つもの、小脳失調症状(ふらつきなど)が目立つものなど色々なケースがあります。
また、運動以外の症状として健忘や抑うつ、思考の緩慢、アパシー(無気力・無関心)といった精神症状や起立性低血圧や睡眠障害などの自律神経障害を起こすことがあります。

進行性核上性麻痺の治療

進行性核上性麻痺の一部の方では、薬剤(レボドパ製剤、ドパミン受容体賦活薬)が運動症状を改善させる効果が見られます。
効果がでるかどうかは病気のタイプによるため、反応があったのは全体の32%だったという報告があります。
抑うつなどの精神症状に効果が確認された薬剤はありません。
リハビリテーションの効果も限定的であるとされていますが、ロボット補助のリハビリテーションにより転倒回数が減少し、歩行速度が改善したことが報告されています。

進行性核上性麻痺に対する再生医療

助成対象
現時点で進行性核上性麻痺の進行を遅らせる治療法は存在しません。
数々の研究で薬剤(ティデグルシブ、コエンザイムQ10、ダブネチド、バルプロ酸など)が試されましたが、いずれも進行を止めることはできなかったそうです。
神経は一度機能が失われてしまうと回復が難しく、症状が確定してしまいます。
変性疾患は原因が分からず神経が次々に障害されてしまうので、打つ手がないのです。
神経そのものを治療する新たな治療法が必要とされる中、注目されているのが再生医療です。
再生医療は神経や血管の元になる細胞(幹細胞)を使用して神経の回復能力を最大限に引き出し、機能を再生することが期待されています。
進行性核上性麻痺に対する再生医療の効果は「未確定」であるとガイドラインに記載されているものの、自身の「間葉系幹細胞」を髄腔内や脳動脈に注入した研究で、症状の進行が緩やかになったことが報告されており、今後の発展が期待されています。
ニューロテックメディカル株式会社では、「ニューロテック®」として脳卒中・脊髄損傷・神経障害などに対する幹細胞治療の基盤特許を取得しており、再生医療の効果を高める取り組みを行っています。
進行性核上性麻痺に対しては、再生医療と最先端のリハビリテーションを組み合わせることで最大限の機能回復を達成できると考えています。
進行性核上性麻痺の症状にお悩みの患者さんやご家族の方は、ぜひご相談ください。

まとめ

進行性核上性麻痺について解説しました。
進行の速い変性疾患であり、国内での患者数は増加傾向であると推測されています。
新たな治療法の確立が求められています。

よくあるご質問

進行性核上性麻痺の訓練は?
リハビリテーションの有効性は確立されていません。歩行訓練や環境調整により転倒リスクを減らし、嚥下障害がある場合には摂食嚥下リハビリテーションを行うことにより、日常生活能力の改善を図ります。

進行性核上性麻痺の助成は?
進行性核上性麻痺は医療費の助成を受けることのできる「難病」に指定されています。
難病指定医による診断書などを都道府県や指定都市に提出して申請することで、受給者証を得ることができます。

<参照元>
・「進行性核上性麻痺/大脳皮質基底核変性症」Geriat. Med. 59(12), 2021
・「進行性核上性麻痺(PSP)診療ガイドライン」神経治療37(3), 2020
・「進行性核上性麻痺」難病情報センターホームページ
https://www.nanbyou.or.jp/entry/4115

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貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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