この記事を読んでわかること
・左半身麻痺の症状と特徴
・脳梗塞による左半身麻痺の原因
・左半身麻痺と右半身麻痺の違い
脳梗塞とは脳に栄養を送る血管がつまり、脳に酸素や栄養が行かなくなるため脳が損傷し身体の機能が障害される病気です。
脳の損傷部位によって、身体に様々な症状が起きますが、中でも左半身の動きが弱くなったり、制限が出現した状態を左半身麻痺といいます。
重度になると日常生活における様々な行動に支障を来す可能性がありますので早期治療が重要です。
左半身の痛み・しびれが現れる際の初期症状
脳を栄養する血管である内頚動脈や椎骨動脈がつまることが原因となります。
左半身麻痺は、右脳に酸素や栄養が行かないことにより脳に損傷が起きた時に現れる身体症状です。
具体的には、左側の手足の動きが鈍くなったり、全く動かなったりして、重症化すると歩行に支障が及びます。
その他、左側の手足の触覚や温度感覚が鈍くなったり、痛みや痺れを感じるなどがあります。
左側の顔面の筋肉にも影響が及び、口の片側がゆがんだり、会話に支障が出ることがあります。
その他、失認、性格変容などの症状が現れることがあります。
詳細は事項で説明いたします。
左半身の痛みと脳梗塞の関係
右脳は体の左側の運動と感覚を制御する働きがあります。
したがって、右脳に行く栄養血管が血栓や動脈硬化によってつまると、脳に酸素や栄養が行かなくなるので、体の左側に麻痺や感覚障害が現れます。
血栓(血の固まり)は、高血圧、高コレステロール血症、糖尿病などの生活習慣病が進行すると出来やすくなります。
血管の壁にダメージを与え続けるためです。
また、喫煙、運動不足、肥満、過剰なストレスなどの不適切な生活習慣もリスクを高める原因となります。
さらに、心臓で出来た血栓が剥がれて血液の流れに乗り脳に到達することにより脳の血管をつまらせることもあります。
この病態を心原性脳梗塞と言います。
不整脈の1つである心房細動や心臓弁膜症などの心臓病によって引き起こされます。
左半身の痛み・しびれに関連するリスク要因と診断方法
左半身の痛みやしびれは、脳梗塞や神経系の問題から発症することが多く、特に高血圧、糖尿病、喫煙などが主なリスク要因です。
これらの症状が現れる場合、すぐに専門医の診察を受け、MRIやCTスキャンによる精密検査が推奨されます。
診断では、脳内の血流障害、神経圧迫、もしくは血管の損傷を特定し、原因に応じた治療が必要となります。
早期発見と治療が、後遺症の軽減に大きく寄与します。
左半身の痛みやしびれの原因は、脳梗塞以外にも、以下のものが考えられます。
頚椎の椎間板ヘルニアや脊髄の損傷: 首の動きに伴って症状が悪化することが特徴です。
- 末梢神経障害: 手足の末梢神経が損傷することで、しびれや痛み、筋力の低下が起こります。
- 多発性硬化症: 中枢神経系に炎症が起こる自己免疫疾患で、様々な神経症状が現れます。
- 帯状疱疹後神経痛: 帯状疱疹の後遺症として、神経に沿って強い痛みが持続します。
左半身麻痺と右半身麻痺の違い
脳梗塞になると、脳の損傷部位によって体に様々な症状が出現します。
脳は左右に分かれており、それぞれ体の反対側を支配しています。
そのため、右脳に脳梗塞による損傷が起こると体の左側が障害される左半身麻痺、左脳に脳梗塞による損傷が起こると体の右側が障害される右半身麻痺が起こります。
右脳には自分の体や空間を認識する、感情をコントロールするなどの役割があります。
一方で、左脳には論理的思考や言葉をつかさどる役割があります。
右半身麻痺によって生じる症状は以下の通りです。
- 右手足の筋力が低下し、思うように動かなくなる
- 右手足の感覚(触覚、温度、痛み)が鈍くなる
- 半側空間無視~右側の空間を認識できなくなる
- 失行~意図的に行動をしようとしても目的にあった行動ができなくなる
- 失語症~聞く、話す、読む、書くの能力が低下し言葉をうまく使うことができなくなる
左半身麻痺によって生じる症状は以下の通りです。
- 左手足の筋力が低下し、思うように動かなくなる
- 左手足の感覚(触覚、温度、痛み)が鈍くなる
- 半側空間無視~左側の空間を認識できなくなる
- 失認~自分の体や空間などを認識できなくなる
- 性格変容~感情をコントロールできなくなる
脳梗塞による左半身麻痺についてのまとめ
今回の記事では、脳梗塞による左半身麻痺の症状と特徴について解説しました。
左半身麻痺は、右脳の損傷によって起こり、左半身の運動機能や感覚機能に障害が現れた状態です。
重症化すると歩行障害など日常生活に大きな支障を来し、周囲の人が患者さんの身の回りの世話や移動を援助する必要性が生じます。
脳神経は一度死滅すると再生しないため、残存した脳神経の活性化を促すリハビリテーションが重要となります。
そのため、脳神経を再生させる再生医療に期待がもてる分野でもあります。
脳や脊髄の損傷に対して、「ニューロテック®」と呼ばれる「神経障害は治るを当たり前にする取り組み」も盛んです。
ニューロテックメディカルでは、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しております。
さらに、神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「神経再生医療×同時リハビリ™」によって後遺症からの再生が期待できます。
よくあるご質問
- 片麻痺の左右の違いは何ですか?
- 脳の特定部位に損傷が起こると、その部位に対応する体の部位に麻痺が出現します。
したがって、左脳が損傷されると片麻痺として右半身に麻痺が生じ、右脳が損傷されると片麻痺として左半身に麻痺が出現します。 - 右麻痺と左麻痺、どちらが多い?
- 脳梗塞は左脳と右脳のどちらでも起こりますので明確には答えられません。
しかしながら、いくつかの研究を参考にすると、左麻痺の方がやや多いようです。
理由として、右脳は言語能力や運動の制御に関与するため顕著な症状を引き起こす傾向があるためです。
<参照元>
日本脳卒中協会:https://www.jsa-web.org/citizen/87.html
国立循環器病センター:https://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/disease/stroke-2/
あわせて読みたい記事:左半身麻痺のリハビリ方法
外部サイトの関連記事:脳梗塞とてんかんの関係
コメント