この記事を読んでわかること
再生医療・幹細胞治療のメリットがわかる。
再生医療・幹細胞治療のデメリットがわかる。
再生医療・幹細胞治療の費用対効果がわかる。
これまで治療困難であった病気に対して、近年では再生医療や幹細胞治療が新たな治療の選択肢として注目されています。
既存の治療にはないさまざまなメリットがある一方で、費用が高額であるなどのデメリットも少なくありません。この記事では、再生医療や幹細胞治療のメリット・デメリットや費用対効果を詳しく解説します。
再生医療・幹細胞治療のメリット・デメリットとは
再生医療とは病気や怪我で機能不全になった組織・臓器を再生させる医療です。
近年では、さまざまな系統の細胞に変化することのできる幹細胞を用いた幹細胞治療が再生医療の一つとして注目されています。
特に脳や心臓の細胞は髪の毛や爪のように容易に再生できないため、一度損傷すると機能が戻らず、重篤な機能障害や生命に関わる場合があります。
幹細胞を用いれば、体内で脳細胞や心筋細胞(心臓を動かす筋肉の細胞)に分化(幹細胞が別の細胞へ変化すること)する過程で分泌されるサイトカイン・エクソソーム等の分泌物が損傷部位の修復や再生を促すため、失われた機能の改善が期待できるのです。
一方でいくつかのデメリットもあるため、ここではメリット・デメリットについて詳しく解説します。
メリット
再生医療・幹細胞治療のメリットは主に下記の2つです。
これまで治療困難であった難病の新たな治療の選択肢となる可能性がある
副作用や拒絶反応(他人の細胞や臓器を異物として攻撃する反応)が少ない
再生医療・幹細胞治療最大のメリットは、これまで改善困難と言われていた病気に対して新たな治療の選択肢となる可能性がある点です。
例えば、脊髄損傷で歩行困難に陥った場合、損傷した脊髄が元に戻ることはなく、リハビリもこれまでは「歩行困難な状況でどのように生活を成り立たせるか」が主目的でした。
しかし、幹細胞によって損傷した脊髄が修復されれば麻痺やしびれが改善する可能性があり、歩行能力の改善が期待されます。
また、重度心不全や肝不全に対してはこれまで再生医療といえば心臓移植や肝臓移植が行われてきましたが、他人の心臓や肝臓を移植するため、拒絶反応や手術侵襲(手術によって身体に加わる痛みなどの負担)などさまざまな副作用が課題でした。
しかし、自身の体から採取した幹細胞を培養し、点滴として体内に戻せば、拒絶反応の可能性は低く手術侵襲も生じません。
このように、既存の治療法の課題を解決できる治療法として注目されています。
デメリット
再生医療・幹細胞治療のデメリットは主に下記の3つです。
効果に個人差がある
費用が高額である
場合によっては侵襲も高い
いかに幹細胞であってもその再生能力には限界があり、トカゲの尻尾のように切っては生えるわけではありません。
効果には個人差もあり、年齢や病気の進行度によっては思ったような効果が得られない方もいます。
また、幹細胞の採取・培養などには高い技術と十分な設備が必要であるため、特に保険が適用されない場合は医療費が高額になるため注意が必要です。
他にも、幹細胞を点滴で体内に戻す場合は低侵襲ですが、損傷部位に直接投与する場合は全身麻酔や手術が必要となるため、場合によっては侵襲度が高くなる可能性もあります。
再生医療・幹細胞治療の費用対効果

再生医療・幹細胞治療の費用対効果は保険が適用されるかどうかによっても異なります。
保険が適用されるのは、再生医療の対象となる疾患を発症している、かつ適用条件(症状の程度や発症からの期間など)を満たす場合のみです。
それ以外の保険が適用されない治療では、全額自己負担になる場合があるため、医療費は安価なものであれば1万円ほどですが、高額であれば500万円以上にも及びます。
効果も個人差があるため、既存の治療と比較して必ずしも費用対効果が高いとは言えません。
一方で、既存の治療では十分な改善が得られなかった症状が幹細胞治療で改善が得られる症例も報告されているため、高額であっても満足できる可能性もあります。
病状や年齢などによって得られる効果は異なるため、治療を始める前に必ず医師に期待できる効果やリスク・費用を確認するよう心がけましょう。
まとめ
この記事では再生医療・幹細胞治療のメリット・デメリットや費用対効果を解説しました。
幹細胞治療は比較的低侵襲で、これまで改善できなかった病気や症状の改善が期待されます。
一方で、費用が高額であったり効果に個人差があるなどさまざまなデメリットもあるため、過度に期待するのではなく、あくまで新たな治療の選択肢の一つとして捉えておくと良いでしょう。
ニューロテック
近年では、神経障害が「治る」を当たり前にする取り組みとして注目されている「ニューロテック®」という考え方があります。
これは、脳卒中や脊髄損傷に対して「狙った脳・脊髄の治る力を高める」再生医療「リニューロ®」を軸とするアプローチで、骨髄由来間葉系幹細胞や神経再生リハビリ®を組み合わせた治療法です。
中枢神経疾患(脳や脊髄などの病気)に伴う神経障害に対しても、今後このような先進的な治療法が希望となる可能性があります。
回復への選択肢を広げるためにも、医療機関と連携しながら一人ひとりに合った支援を継続することが大切です。
よくあるご質問
- 幹細胞はガン化しますか?
- 幹細胞のうち、クリニックなどで広く用いられる間葉系幹細胞(幹細胞の一種)の場合、ガン化するリスクは極めて低いです。一方で、正常な細胞に遺伝子を導入して人工的に作り出される幹細胞、iPS細胞はガン化のリスクが指摘されています。
- 幹細胞治療でよくあるトラブルは?
- 幹細胞治療でよくあるトラブルとして、注射部位の痛みや痒み、内出血、感染症などが挙げられます。一方で、稀ですが肺塞栓症(血栓が肺の血管を詰まらせる病気)などの重篤な疾患も報告されているため注意が必要です。
<参照元>
(1)再生医療とは|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/topics/2014/01/dl/tp0120-06-02p.pdf
(2)再生医療等製品情報|再生医療ポータル
https://saiseiiryo.jp/approval/
(3)移植の概要|MSDマニュアル
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/15-%E5%85%8D%E7%96%AB%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E7%A7%BB%E6%A4%8D/%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E3%81%AE%E6%A6%82%E8%A6%81













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