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パーキンソン病

最近「表情が変わった」と言われたら要注意?パーキンソン病の初期サインと検査・相談先を解説

この記事を読んでわかること

パーキンソン病によって顔つきや表情に変化が現れる理由がわかる。
日常生活の中で気づきやすい初期サインと、受診を考えるポイントがわかる。
パーキンソン病が疑われたときの相談先や、診断までのおおまかな流れがわかる。


パーキンソン病では手足のふるえがよく知られています。一方、顔つきや歩き方、文字の書き方など、本人が気づきにくい変化が先に現れるケースもあります。この記事では、パーキンソン病による表情の変化や代表的な初期症状、受診を検討したいサインについて解説します。また、診断のために行われる検査についても理解を深めます。

パーキンソン病で「表情が変わる」のはなぜ?

姿勢保持障害の男性
パーキンソン病は、中脳にあり運動の調整に関わる部位である黒質のドパミン神経細胞が減少することで起こる病気です。
ドパミン神経細胞はドパミンという神経伝達物質を作る神経細胞です。
これが減少すると体をスムーズに動かしにくくなり、ふるえなどの症状も現れやすくなります。
主な運動症状は振戦(ふるえ)や寡動(動作が遅くなること)、固縮(筋肉がこわばる症状)などです。
姿勢保持障害(バランスを保ちにくくなり、転倒しやすくなる症状)もみられますが、これは初期にみられることはほとんどありません。
こうした運動の変化は手足だけに現れるとは限らず、顔の筋肉の動きにも影響することがあります。
パーキンソン病では、顔の動きが少なくなり、表情が乏しく見えることがあります。これを「仮面様顔貌」と呼びます。

日本神経学会の診療ガイドラインでは、表情が乏しくなる「仮面様顔貌」が無動の部分症状として挙げられています。
よだれが垂れる「流涎(りゅうえん)」や声量の低下などもみられます。

そのため、本人は特に変化を感じていなくても、家族から「以前より表情が硬くなった」「笑顔が少なくなった」と指摘されて気づく場合があります。
ただし、表情が乏しくなったことだけでパーキンソン病と判断することはできません。
気分の落ち込みや体調不良でも表情は変化します。
他の病気が原因となる場合もあります。
そのため、他の症状と合わせて考えることが大切です。

パーキンソン病でみられる代表的な初期サイン

パーキンソン病では、表情以外にもさまざまな運動症状が現れます。
特に、以下のような変化が続く場合には注意しましょう。

  • じっとしているときに手や足がふるえる
  • 動作が以前よりゆっくりになった
  • 細かい動作がしにくくなった
  • 文字を書くと徐々に小さくなる
  • 箸などが使いにくくなった
  • 歩く速度が遅くなった
  • 声が小さくなった
  • 体や手足がこわばる

パーキンソン病では、病初期に文字の拙劣さや小字症(書き進めるにつれて文字が小さくなる症状)が現れることがあります。
箸の使いにくさなど、上肢の巧緻運動(こうちうんどう:手や指先を使って細かな作業を正確に行う能力)の障害もみられます。
これらは、寡動の症状として現れる場合があります。
また、振戦や寡動、固縮には左右差がみられることが多いとされています。

そのため、「右手だけ細かな作業がしにくい」「片側の動きだけ鈍い」といった左右差も、受診時には医師へ伝えておくとよいでしょう。

ふるえ以外の症状にも注意

パーキンソン病では、体の動きに関する症状だけではなく、自律神経障害など「非運動症状」もみられます。
代表的なものには、便秘、頻尿、発汗などがあります。
疲れやすさや嗅覚の低下もあります。
起立性低血圧による立ちくらみ、気分の落ち込み、興味や意欲の低下が現れる場合もあります。

例えば、「最近においが分かりにくくなった」「便秘が続いている」といった症状に加えて、動作の遅さや表情の乏しさがみられる場合もあります。
ただし、これらはパーキンソン病に特有の症状ではありません。
症状があるからといって自己判断せず、気になる変化が続く場合には医療機関へ相談しましょう。

「表情が変わった」と言われたら何科を受診する?

表情が変わったと言われただけで、必ずしもすぐにパーキンソン病を疑う必要はありません。
しかし、表情の乏しさに加えて、ふるえや動作の遅さ、細かな作業のしにくさなどが続いている場合は放置しないようにすることが大切です。
一度医療機関への相談を検討しましょう。
パーキンソン病などの神経疾患を専門的に診療するのは、主に脳神経内科です。
受診時には、いつ頃から変化が始まったのか、どのような動作がしにくくなったのか、左右差があるかなどを整理しておくと診察の参考になります。
本人では変化に気づきにくい場合もあるため、家族が気づいた表情や歩き方、日常生活での変化などについても伝えるとよいでしょう。

パーキンソン病ではどのような検査をする?

パーキンソン病は、一つの血液検査や画像検査だけで診断が決まる病気ではありません。
診察では、症状がどのように始まり、どのように変化してきたかを問診で確認します。
その上で、手足のふるえ、動作の速さ、筋肉のこわばりなどを評価します。
日本神経学会の診療ガイドラインでは、無動の診察方法が示されています。
例えば、歩行時の手の振りや足の引きずり、人差し指と親指を繰り返し合わせる動作や、手のひらの開閉などによる評価が挙げられています。

また、必要に応じて画像検査などを行い、パーキンソン病に似た症状を示す他の病気との鑑別を進めます。
症状の組み合わせや経過、診察所見などを含めて総合的に判断することが大切です。

まとめ

パーキンソン病では、ふるえだけではなく「表情が乏しくなる」「動作がゆっくりになる」といった変化が現れることがあります。
特に、表情の変化とともに、細かな作業がしにくい場合には注意が必要です。
文字が小さくなることや静止時のふるえも初期のサインとなります。
片側の動きにくい状態が続く場合も医師に伝えましょう。
「表情が変わった」と言われただけでパーキンソン病と決めつける必要はありません。
しかし、気になる症状が続く場合は脳神経内科などへ相談しましょう。
日常生活への影響がある場合も受診を検討してください。

パーキンソン病とニューロテック®

近年では、神経疾患に対する治療の選択肢を広げる取り組みとして「ニューロテック®」という考え方もあります。
ニューロテック®は、神経再生医療「リニューロ®」を軸に、骨髄由来間葉系幹細胞を用いた治療や標的神経リハビリテーションを組み合わせ、神経機能の回復を支援することを目指すアプローチです。
パーキンソン病では症状や進行の程度によって治療方針が異なるため、まずは脳神経内科などで適切な診断を受けることが大切です。
そのうえで、治療の選択肢について主治医や専門医と相談していきましょう。

よくあるご質問

パーキンソン病の初期症状は家族のほうが気づきやすいですか?
原本人が自覚する前に、家族が顔つきや声、歩き方などの変化に気づくことがあります。「以前と違う」と感じた時期や具体的な様子を記録しておくと、医療機関を受診した際の情報として役立ちます。
手のふるえがなければパーキンソン病ではないのでしょうか?
パーキンソン病の症状の現れ方には個人差があり、必ずしもふるえが最初に目立つとは限りません。動きにくさや声の変化などから気づく場合もあるため、気になる変化が続くときは専門医への相談を検討しましょう。

<参照元>
(1)パーキンソン病(指定難病6)|難病情報センター
https://www.nanbyou.or.jp/entry/169
(2)パーキンソン病診療ガイドライン2018|日本神経学会 序章 パーキンソン病とは p11
https://www.neurology-jp.org/guidelinem/pdgl/parkinson_2018_07.pdf

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この記事の監修

監修医師 貴宝院永稔医師

貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)

脳梗塞・脊髄損傷クリニック 総院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医

リニューロの治療概念図
リニューロ®最大の特長は、幹細胞点滴投与中に集中的かつ反復的に狙った神経回路に適した刺激を与えることです。
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