脊髄損傷の急性期から慢性期までの治療向け筋トレ | 脳卒中・脊髄損傷|麻痺痺れなど神経再生医療×同時リハビリ™で改善

脊髄損傷の急性期から慢性期までの治療向け筋トレ

           

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この記事を読んでわかること

脊髄損傷の初期治療
脊髄損傷における筋力トレーニングの効果
脊髄損傷に対する再生医療と筋力トレーニングの相乗効果


脊髄損傷とは、脳と体をつなぐ神経の束である脊髄が損傷されてしまうケガのことです。
国内では年間約5000人発生し、現在10万人の患者さんがいると言われています。
脊髄が損傷されるとその先に脳からの指令が伝わらなくなるため、手や足の麻痺が発生します。
手や足が麻痺すると動かない、動きづらくなるばかりか感覚が障害され、ひどいしびれになったり、関節が拘縮して生活が非常に困難になったりします。
神経の損傷は原則として元には戻らないため、受傷して早期の治療と、慢性期のリハビリテーションが非常に重要です。
今回は、脊髄損傷の治療における筋力トレーニングの重要性、位置づけについて解説していきます。

脊髄損傷の初期治療

脊髄損傷の初期治療
脊髄損傷をはじめとした神経の損傷では、損傷後一定期間、一定のレベルまで回復する傾向があることがわかっています。
いわば人間が持つ自然の回復力ともいうべき現象で、だいたい6ヶ月程度までの回復が見込まれるため、その時期までを回復期と呼びリハビリを集中的に行います。
特に損傷後できるだけ早くリハビリを開始することで神経に指令が流れる回数を増やし、それがよりよい回復に繋がると考えられています。
筋肉を動かすような筋力トレーニングは、神経に刺激を与えるという点で脊髄損傷に適したリハビリといえます。
ただし脊髄損傷の超早期では、神経の腫れや出血を拡大させないために安静が必要です。
また、脊髄をとりまく脊椎に損傷がある場合は、不用意に動くと脊髄損傷を悪化させてしまう可能性があります。
脊椎の損傷が強い場合は手術を行うこともあります。
必要な治療を行いながら、できるだけ早期のリハビリ、筋力トレーニングを可能な範囲で開始していくこととなります。

脊髄損傷における筋力トレーニングの効果

脊髄損傷に対するリハビリとして筋力トレーニングを欠かすことはできません。
脊髄損傷のリハビリで最も重要なのは、日常生活に必要な能力をどれだけ獲得できるかという点です。
日常生活の基本となる動作は多くありますが、最も基本といえるのが座った姿勢を保持する、立つ、歩くといった動作です。
私たちはこれらの動作を意識することなく日常的に行っていますが、脊髄損傷の方からすると実は非常に難しい動作なのです。
ただ座っている、体幹の麻痺がある方にとってはそれがとてもつらいことなのです。
これらの動作は動きを覚えるだけでなく、基本となる筋力がどうしても必要です。
損傷後早期にはできなくても、徐々に神経が回復しトレーニングにより筋力が回復すれば、必要な動作を獲得できるようになります。
また、体を動かす筋肉や関節は非常にたくさんありますが、複数の筋肉がバランスよく力を発揮するため私たちの関節はスムーズに動くことができます。
脊髄損傷の影響で筋力のアンバランスが発生すると関節の動きが制限され、関節が固くなる拘縮の原因となります。
筋力のバランスを整えていくためにも、筋力トレーニングは非常に重要と言えます。

慢性期の脊髄損傷には筋力トレーニングは意味がある?

急性期から回復期には筋力トレーニングなどのリハビリが行われ、能力が改善します。
では、症状が落ち着いた慢性期に筋力トレーニングを行っても意味がないのでしょうか?
答えは、否です。
脊髄損傷で後遺症が残る方は、健常な方と比較してどうしても活動量が低下します。
人の体は活動しないと筋肉は衰える一方で、完全な安静によって筋力は1日で3%程度低下するとも言われます。
日常生活の活動量が少ない方は、筋力を維持するためにトレーニングが必要なのです。
また、ある程度の負荷をかけたトレーニングを行うことで、麻痺がない筋肉や麻痺の程度が軽い筋肉の筋力を向上させることができます。
それらの筋肉が、麻痺している筋肉の機能を代わりに果たすことができれば、日常生活を送る能力が向上します。
長年トレーニングを行っている脊髄損傷の患者さんでは、麻痺しているはずの筋肉の活動を示す反応が観察されたという報告もあります。
慢性期になっても諦めることなく、トレーニングを続けることが重要です。

脊髄損傷の慢性期に行う筋力トレーニングの副次効果

脊髄損傷の慢性期に行う筋力トレーニングの効果は、筋肉に対する効果だけにはとどまらず、全身にある好影響を与えます。
それは、全身の血の巡りが良くなることです。
ある研究では麻痺していない上肢の筋力トレーニングを日常的に行っている脊髄損傷の方を調査したところ、麻痺している下肢の血流量が健常の方とほぼ同等であったと報告しています。
本来麻痺してしまっている下肢では、血流量が減少しさまざまな合併症を引き起こす原因となります。
ところが上肢のトレーニングを行うことで、下肢の血流が保たれていることが確認されたのです。
血流が保たれていればケガをした場合の傷の治りや、細菌感染を起こしてしまった場合の治療に好影響を及ぼします。
筋力トレーニングの副次効果といえる現象と考えられます。

脊髄損傷に対する再生医療と筋力トレーニングの相乗効果

脊髄損傷の治療に筋力トレーニングは欠かせないものです。
ただし神経の回復には一定の限界がある以上、トレーニングの効果にも一定の限界があります。
脊髄損傷に対する筋力トレーニングの効果をより高めてくれるかもしれないのが「再生医療」です。
再生医療では組織や細胞の元になる幹細胞を移植して、機能の再生を促します。
神経の機能が回復し、その上でトレーニングを繰り返し行うことでより高い効果が得られる可能性があります。
ニューロテックメディカル株式会社では、「ニューロテック®」として脳卒中・脊髄損傷・神経障害などに対する幹細胞治療の基盤特許を取得しており、再生医療の効果を高める取り組みを行っています。
脊髄損傷の後遺症にお悩みの方は、ぜひご相談ください。

まとめ

脊髄損傷に対する筋力トレーニングについて解説しました。
健常な方にも健康効果がある筋力トレーニング。
脊髄損傷の方に高い効果が期待されます。
ただし、脊髄損傷の方は自律神経の障害から血圧が変動しやすい特徴があります。
トレーニングを行う際には安全を確保し、周囲に人がいる状況で実施した方がよいでしょう。

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貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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