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ウェルニッケ失語症という感覚性失語を解説

           

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この記事を読んでわかること

感覚性失語症と運動性失語症の違いは何か
感覚性失語症の症状はどのようなものか
感覚性失語症の評価や初期対応はどのようなものか


感覚性失語症(ウェルニッケ失語症)とは、正しい単語を流暢に発話できるものの、しばしば意味のない音を含んでおり、そしてそれらの意味または関係を把握していないという失語症のことです。
今回の記事では、失語症の症状と特徴、診断などについて解説していきます。

感覚性失語症の症状と特徴

感覚性失語症の症状と特徴
失語症とは、大脳半球の言語中枢と、それらが連絡する領域が損傷を受けることで引き起こされる、後天的な言語機能や言語に関連するコミュニケーション機能の障害のことです。
後天的な障害とはつまり、生まれた時にはなかった障害が、その後生きていく中で何らかの疾患によって障害として起こってしまうものです。
大脳には左脳と右脳がありますが、言語中枢は右利きの人では95.5%、左利きの人では61.4%が左半球に言語中枢が存在すると言われています。
失語の中でも感覚性失語症は、ウェルニッケ失語ともいいます。
その症状と特徴は次の通りです。

言語の流暢性の低下
患者は言葉を流暢に話すことができますが、その内容が混乱し、意味が不明瞭となります。
単語や文がつながりにくく、通常のコミュニケーションが難しくなります。
無意味な言葉の生成
患者は正確な言葉を使用せず、無意味な音節や単語を繰り返すことがあります。
この現象は、ウェルニッケ野の損傷によるものとされます。
理解の困難
聞いた言葉や文の理解が難しくなります。
患者は周囲の言葉や文脈から意味を抽出することが困難であり、コミュニケーションの理解が低下します。
自覚の欠如
患者は自身の言語障害に気付かないことがあり、無自覚に誤った言葉を生成し続けることがあります。
同じ失語でも、運動性失語(ブローカ失語)が言語を理解しているものの発語が困難となるのに対して、感覚性失語症は正しい単語を流暢に発語するものの、しばしば意味をなさない言葉となってしまうという違いがあります。

感覚性失語症の原因と発症メカニズム

感覚性失語症の主な原因は、脳の特定の領域、特にウェルニッケ野の損傷です。
この損傷は脳卒中、頭部外傷、脳腫瘍、脳炎などによって引き起こされることがあります。
特に、失語症は、急性期の脳卒中患者の21-38%に出現します。
ウェルニッケ野は言語理解に関与しており、その損傷によって言語の混乱が生じると考えられています。
また、感覚性失語症は主に音韻的な言語処理に影響が出ているものです。
感覚性失語症は言葉の音の流れや響きをうまく処理できず、主に言語生成と言語理解の間で情報を伝達するのに問題が生じます。
さらに、感覚性失語症の患者では、情報がウェルニッケ野からブローカ野への逆伝播がうまく行っていない可能性があります。
この逆伝播の障害によって、患者さんは自分の話す言葉を正確に再現することが難しくなります。

診断方法と初期対応

感覚性失語症の診断は、神経学的な評価、言語テスト、脳画像検査などを組み合わせて行われます。
特にMRIやCTスキャンを用いて脳の特定の領域に異常が見られるかどうかを確認します。
神経学的な詳細な検査は、ブローカ野とウェルニッケ野の機能を評価する際に重要です。
そして、ベッドサイドでは以下のような評価をしていきます。

  • 自発的発話の評価
  • ものの名称を答えてもらう
  • 復唱
  • 理解
  • 音読および書字

こうした項目を調べ、失語症かどうかを診断することに役立てていきます。
感覚性失語の初期対応としては、言語療法やリハビリテーションが一般的です。
患者は正確な発音や意味を理解するための訓練を受け、コミュニケーション能力を向上させることが目指されます。
家族やサポートシステムの協力も大切となります。

まとめ

今回は、感覚性失語症の症状や原因、初期対応について解説しました。
感覚性失語症はウェルニッケ野の損傷によって引き起こされる言語障害であり、患者の日常生活に深刻な影響を与える可能性があります。
そのため、早期の診断と適切な初期対応が重要であり、患者とその家族に理解とサポートを提供することが必要です。
言語療法やリハビリテーションを通じて、患者がコミュニケーションの困難に対処し、生活の質を向上させる手助けが行われることが期待されます。
感覚性失語症の原因となる疾患として、脳卒中が多くみられます。
脳卒中は、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血の総称です。
そして脳神経細胞が損傷を受けることにより手足の麻痺やろれつ困難などが起こり、治療が遅れたり病変が大きかったりすると、後遺症が残ってしまうこともあります。
こうした神経の損傷を回復させるために今注目されているのが再生医療です。
ニューロテックメディカルでは、脳卒中・脊髄損傷を専門として、脳脊髄損傷部の治る力を高める治療『リニューロ®』を提供しております。
リニューロ®では、同時刺激×再生医療™、骨髄由来間葉系幹細胞を用いて脳や脊髄の治る力を高めた上で、神経再生リハビリをおこなうことで神経障害の軽減を目指します。
失語症に対しての再生医療にご興味がある方も、ぜひ一度当院までご相談くださいね。

Q&A

ブローカ失語症とウェルニッケ失語症の違いは何ですか?
ブローカ失語は、言語の理解をすることはできるが言葉を発することができない失語症のことです。それに対して、ウェルニッケ失語症は言葉を流暢に発することはできるのですが言葉の理解ができず、意味不明の言葉を話してしまうという失語症のことです。

ウェルニッケ失語の発話の特徴は?
ウェルニッケ失語症は感覚性失語とも呼ばれます。スラスラと流暢に言葉を発することができるのですが、相手の言葉を理解できず、また意味不明の言葉をしゃべってしまいます。また、患者自身も自分が話していることをよく理解していないのですが、自分の話が他人に理解されていないことに気づかないという特徴があります。

<参照元>
失語症候群の診断と治療.神経治療.2016;33(3):362-367.:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnt/33/3/33_362/_pdf/-char/ja
失語 – 07. 神経疾患 – MSDマニュアル プロフェッショナル版:https://www.msdmanuals.com/ja-jp/



貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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