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小脳出血を引き起こす原因と背後にある機序は

           

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この記事を読んでわかること

高血圧が小脳出血に与える影響
小脳血管の奇形や動脈瘤の役割
外傷や薬剤が引き起こす小脳出血のリスク


小脳出血を引き起こす主な原因は高血圧です。
高血圧が続くと、血管の内側に過剰な圧がかかるため、血管が固くなり動脈硬化が進みます。
動脈硬化が進んだ血管は脆く、破れやすい状態となります。
最終的に、血圧が急激に上昇した際などに、血管が破れ、出血を来します。
これが脳の血管に起こると、脳出血という疾患名になります。

高血圧が小脳出血に与える影響

高血圧が小脳出血に与える影響
この記事では高血圧が小脳出血に与える影響について解説します。
高血圧は、小脳出血の最も一般的な原因です。
高血圧により、血管壁は硬くなり、弾力性が失われます。
この状態が長期間継続すると、血管壁が脆くなり、血圧が急激に上昇した際に破裂しやすくなります。
特に、小脳の細い血管では、高血圧の影響で小さな動脈瘤が形成されることがあり、これが小脳出血の原因となることもあります。
その他、高血圧は、過剰な圧力により血管内皮細胞に障害を与え、炎症反応を起こします。
これにより、血管壁は硬くなり、最終的に破れて出血する可能性が高くなります。
多くの研究結果から、高血圧と小脳出血には強い関連性があることが明らかになっています。
加えて、高血圧が重症化するほど、小脳出血のリスクは上昇すること、長期間の高血圧が続くほど、リスクがさらに高まることも報告されています。
高血圧は、生活習慣や適切な内服治療によって良好なコントロールが可能です。
高血圧は、自覚症状を伴うことが少ない疾患のため、日々の血圧測定により自身の血圧値を評価することが重要です。

小脳血管の奇形や動脈瘤の役割

この記事では、小脳血管の奇形や動脈瘤の役割について解説します。
これらは、脳の血管が正常な成長をせず、異常な状態となったものです。
直接的な「役割」というよりは、「リスク」として捉えた方がよいでしょう。
小脳血管の奇形は、生まれつき血管が複雑に絡み合ったり、太くなったりしている状態です。
この奇形は、小脳ばかりではなく脳の他の血管に発生します。
小脳に発生した場合は、小脳への血流に悪影響を与えるため、小脳が有する平衡感覚や運動機能に障害が出る可能性があります。
さらに、血管の奇形は、血管が脆いので、出血の原因になることがたびたびあります。
小脳出血が起こると、めまい、ふらつき、運動失調などの症状が現れます。
一方、動脈瘤は、血管の一部が瘤のように膨らんだものです。
動脈瘤が破裂すると、出血を起こし、周囲の組織に大きな障害をもたらします。
小脳に出来た動脈瘤が破裂し、小脳出血を起こした際も、めまい、ふらつき、運動失調などの症状が現れます。
脳出血は脳の神経細胞を破壊するため、さまざまな症状が起こりますが、後遺症として残ることもたびたびあるので早期治療が重要です。

外傷や薬剤が引き起こす小脳出血のリスク

外傷や薬剤が引き起こす小脳出血のリスク
この記事では外傷や薬剤が引き起こす小脳出血のリスクについて解説します。
まず、外傷が原因となる小脳出血です。
具体的には、交通事故、転倒、スポーツなどがあげられます。
これらは、頭部への直接的な衝撃や急激な加速度変化によって、小脳の血管を損傷し、小脳出血を起こす原因となります。
特に、高齢者は、骨が脆くなっている可能性が高いため、軽微な外傷でも重篤な出血につながる可能性があるので注意を要します。
次に、薬剤が原因となる小脳出血です。
主に、抗凝固薬や抗血小板薬の服薬と関連しています。
これらの薬剤は血液凝固能を抑制するため、出血のリスクを増大させます。
抗凝固薬としては、ワルファリンや経口抗凝固薬(DOAC)などが代表的な薬剤です。
これらの薬剤は、血栓を予防する効果がある一方で、小脳出血を含む様々な出血を引き起こす可能性があるので、諸刃の剣といえる薬剤です。
抗血小板薬としては、アスピリンやクロピドグレルなどが代表的な薬剤です。
血小板の働きを抑制するため、出血のリスクを高めます。
その他、長期間に渡る高用量ステロイド薬の使用は、血管を脆くするので、出血傾向となることがあります。

まとめ

今回の記事では、小脳出血を引き起こす原因とその背後にあるメカニズムについて解説しました。
小脳出血は、めまい、ふらつき、嘔吐などの症状を起こし、重症な場合は意識障害に至る場合もあります。
脳の神経組織が損傷されるため、後遺症として症状が残る場合もあります。
神経組織を再生すると症状は軽減しますが、現在の医療ではなかなか難しいのが現状です。
そのため、新たな治療法として、再生医療に期待が持てます。
『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』を、ニューロテック®と定義しました。
ニューロテック、脳梗塞脊髄損傷クリニックなどでは、脳卒中・脊髄損傷を専門として、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しております。
リニューロ®とは、脳卒中や脊髄損傷、神経障害の患者さんに対する『狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療』と定義しております。
具体的には、同時刺激×神経再生医療Ⓡに加えて、治療効果を高めるために骨髄由来間葉系幹細胞、神経再生リハビリ®を併用し、神経障害の更なる軽減を目指しています。
これらの治療法は、小脳出血による後遺症で苦しむ患者さんに対して期待が持てる治療となるでしょう。

よくあるご質問

小脳出血の原因は?
主に高血圧が原因で起こります。
高血圧が続くと血管が傷つき、脆くなり、破れやすくなります。
最終的に、小脳の血管が破れてしまうと、小脳出血の診断となります。
その他、頭部を強く打つなどの外傷や血液が固まりにくい疾患なども原因となります。

小脳出血の危険因子は何ですか?
最も代表的なのは高血圧です。
その他、糖尿病や高脂血症などの生活習慣病が危険因子となります。
これらは、いずれも、血管の内側を傷つけるため、血管が脆くなり、小脳出血を起こす可能性を高めます。

<参照元>
・MSDマニュアル:https://www.msdmanuals.com/
・日本神経治療学会:https://www.jsnt.gr.jp/guideline/img/nou2009_03.pdf

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PROFILEこの記事の監修
貴宝院 永稔
貴宝院 永稔 医師
(大阪医科薬科大学卒業)
  • 脳梗塞・脊髄損傷クリニック 総院長
  • 日本リハビリテーション医学会認定専門医
  • 日本リハビリテーション医学会認定指導医
  • 日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
  • ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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