脳梗塞の初期症状として女性特有の兆候を見逃さないために|脳卒中・脊髄損傷|麻痺痺れなど神経再生医療×同時リハビリ™で改善

脳梗塞の初期症状として女性特有の兆候を見逃さないために

           

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この記事を読んでわかること

女性特有の脳梗塞症状がわかる。
女性の脳梗塞発症には、ホルモンバランスの影響がみられることがわかる。
脳梗塞が疑われる場合には、迅速な対応が重要であることがわかる。


脳梗塞は、脳の血管が詰まることで脳細胞が損傷を受ける病気です。
特に女性は、疲労感や吐き気、胸の不快感などの非典型的な症状が現れることが多く、診断が遅れる可能性があります。
また、ホルモンバランスの変化が脳梗塞リスクに影響を与えるため、妊娠や閉経、経口避妊薬の使用にも注意が必要です。
この記事では、これらについて詳細に解説します。

脳梗塞が女性に現れやすい症状とは?

脳梗塞が女性に現れやすい症状とは?
脳梗塞は、脳の血管が動脈硬化や血栓などで詰まってしまうことで、脳の一部が壊死、つまり死んでしまう病気のことです。
脳梗塞は年齢や性別を問わず起こり得ます。
しかし、男性よりも女性の方が脳梗塞の発症率は低いようです。
例えば、1961年から1993年までの32年間、一般住民を追跡調査した当科・久山町研究によると、脳梗塞の発症率は全期間を通じて男性よりも女性の方が少ないという結果が得られています。
(参照サイト:日本人の脳卒中の時代的変化ー久山町研究.日老医誌.2005;42:58-60.|J STAGE)
また、最近の研究で、女性と男性の脳卒中にはその症状に違いがあることがわかってきています。
例えば、以下のような症状があります。
(参照サイト:Difference between stroke symptoms in women vs. men.|Nuvance Health)

突然の疲労感や脱力感

女性では、特に運動や睡眠不足と無関係に、突然の脱力感や疲労感が現れることがあります。
このような症状は、見過ごされることが多いため注意が必要です。

吐き気や嘔吐

脳梗塞の兆候として、女性は突然の吐き気や嘔吐を経験することがあります。
特に45歳未満の女性に多く見られる特徴的な症状です。

息切れや呼吸困難

息切れや呼吸が苦しくなることも女性特有の症状として挙げられます。
この兆候は、55歳以上の女性に多く見られるため、この年齢層の方は注意が必要です。

胸の痛みや不快感

脳梗塞の初期兆候として、女性は胸部に痛みや違和感を感じることがあります。
特に55歳以上の女性に多く報告される症状です。
こうした症状は、女性のみならずもちろん男性にもみられる可能性があります。
しかしながら、女性の方が男性よりもこうした非典型と言える症状が現れることには注意が必要です。

顔や腕の片側の麻痺と感覚異常の見分け方

脳梗塞の代表的な初期症状として、顔や腕の片側麻痺が挙げられます。
この症状を見分けるための簡単なテストとして、以下の方法があります。
(参照サイト:The Differences in Stroke Symptoms Between Women and Men | Northwestern Medicine.)

  • 笑顔を試みる:片方の口角が上がらない場合は要注意です。
  • 両腕を上げる:片方の腕が下がってしまう場合は麻痺の可能性があります。
  • 簡単な言葉を話す:言葉が不明瞭になったり、全く発せられない場合は緊急の兆候です。

これらの症状は、右脳と左脳のどちらが影響を受けたかで変化します。
右脳梗塞では空間認識能力の低下が目立ち、左脳梗塞では言語障害が強く現れる傾向があります。
脳梗塞を疑った場合は、速やかに医療機関に連絡してください。
時間が経つほど、脳の損傷が進行し、治療効果が低下するため、迅速な対応が求められます。

女性特有のホルモンバランスが症状に与える影響

女性特有のホルモンバランスが症状に与える影響
女性特有のホルモンバランスが脳梗塞に与える影響についてみていきましょう。
女性ホルモンであるエストロゲンは、コレステロール合成経路の律速酵素酵素であるHMG-CoA還元酵素の活性を抑制すると報告されています。
また、LDLコレステロール受容体の発現を促進する働きもあります。
これらによって、血液中の脂質代謝が改善されるのです。
(参照サイト:エストロゲンと血管.日本生殖内分泌学会雑誌.2013;18:11-15.)
一方、女性の脳梗塞リスクは、エストロゲンなどのホルモンバランスと密接に関連しています。
(参照サイト:The Differences in Stroke Symptoms Between Women and Men | Northwestern Medicine.)
閉経後、エストロゲンが減少します。
そのため、血管の硬化が促進され、脳梗塞の発症率が高まります。
また、妊娠中や産後のホルモン変化によって、血栓形成のリスクが増加することも知られています。
さらに、妊娠中に高血圧を呈する妊娠高血圧症候群になった女性は、その後の人生において脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)のリスクが2倍になるともいわれています。
さらに、経口避妊薬やホルモン補充療法の使用も、血液凝固作用を強めることで脳梗塞のリスクを高める可能性があります。
このため、これらの治療を受けている女性は、医師とリスクについて十分に話し合い、必要な予防策を講じることが重要です。
その他、女性にみられる脳卒中のリスク要因として、前兆を伴う片頭痛や心房細動などがあります。
こうした疾患をお持ちの方は、きちんと通院し、病状を把握し治療を行うことをおすすめします。

まとめ

今回の記事では、脳梗塞の男女の違いについて解説しました。
脳梗塞は早期の診断と治療が重要です。
特に女性は特有の症状やホルモンバランスの影響を認識し、早めに対応することが必要です。
顔や腕の麻痺だけでなく、吐き気や倦怠感などの見過ごされやすい兆候にも注意を払いましょう。
脳梗塞は一度発症してしまうと、死亡したりあるいは後遺症が残ってしまうことも多い病気です。
しかし、再生医療や神経再生リハビリ®といった先端治療を活用することで、脳梗塞からの回復を目指すことが可能です。
ニューロテック®が提供するリニューロ®は、女性特有のリスクや症状に対応した治療法を提案し、脳梗塞患者の回復を支援しています


迅速な対応と適切な治療で、健康的な未来を築いていきましょう。

よくあるご質問

脳梗塞は左右どちらに起こりやすいですか?
脳梗塞は左右どちらの脳でも起こる可能性があります。
ただし、右脳か左脳が影響を受けることで現れる症状に違いが出ます。
右脳梗塞では空間認識や視野の問題が、左脳梗塞では言語障害が目立つ傾向があります。

脳梗塞かどうか確かめる方法は?
笑顔を試みて片方の口角が上がらない、両腕を上げて片方が下がる、簡単な言葉を話して発音が不明瞭になる場合は脳梗塞が疑われます。
これらの症状が見られたら、速やかに医療機関を受診してください。

<参照元>
1日本人の脳卒中の時代的変化ー久山町研究.日老医誌.2005;42:58-60.|J STAGEhttps://www.jstage.jst.go.jp/article/geriatrics1964/42/1/42_1_58/_pdf/-char/ja
2Difference between stroke symptoms in women vs. men.|Nuvance Healthhttps://www.nuvancehealth.org/health-tips-and-news/do-you-know-the-different-stroke-symptoms-in-men-and-women
3The Differences in Stroke Symptoms Between Women and Men | Northwestern Medicine.https://www.nm.org/healthbeat/healthy-tips/differences-in-stroke-symptoms-between-women-and-men
4エストロゲンと血管.日本生殖内分泌学会雑誌.2013;18:11-15.http://jsre.umin.jp/13_18kan/7-review2.pdf

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PROFILEこの記事の監修
貴宝院 永稔
貴宝院 永稔 医師
(大阪医科薬科大学卒業)
  • 脳梗塞・脊髄損傷クリニック 総院長
  • 日本リハビリテーション医学会認定専門医
  • 日本リハビリテーション医学会認定指導医
  • 日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
  • ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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